カヌー in 那珂川

行くと後輩はもう来ていた。その名を古城という。三年年下で今大学三年生。僕が四年のとき一年生だった。6:19発の宇都宮行きの電車に乗る。都内は雨が降り続く。天気が少しだけ不安だ。でも今日は回復傾向だということを信じよう。不安は増水し過ぎていないかという事。少しの増水は逆に川を簡単にする。眠かったが、クラブの運営、某噂について、等々、話をしながら電車に揺られる。北に行くにつれ天気は良くなった。雲はまだかかっていたけど。
烏山駅で下車、郵便局でお金を下ろしてからタクシーに乗って下野大橋へ。タクシー代1060円なり。那珂川に来るのは7回目。もう道も覚えた。
河原で出発の準備。水量は多い。危険な感じはしない。カヌーを組み立て、荷物を詰め、出発。少しだけ練習して、すぐに流れに漕ぎ出でる。
水量が多いのでカヌーは飛ぶように水の上を滑っていった。瀬は埋まっていて、なだらかで、淵は流れがあってスムーズに進む。
竹藪の瀬の向こうで、「あの鳥なんですか?」と聞かれて見ると山セミだった。人生で7回目の目撃。この日はもう一度目撃した。いつも通りカワセミも目撃。釣り人が多い。みんな鮎の友釣りをしていた。見ているとたまに釣上げている。進むペースが速いので淵は極力ゆっくり進んだ。それでも速かった。やな瀬で一度カヌーを降りて偵察。その先の河原で昼飯を食べる。天気が良くなり、太陽が出てきた。いい感じだ。東の空を見ると青空もある。昼飯は少し高級なカップ麺。結構美味しい。
その後は練習のために古城をカヌーの後に乗せる。カヌーは基本的には、後ろの人が取り仕切る。二人で乗るときにカヌーの前に乗るなんて、四年半ぶりだ。前は前で眺めがいいものだ。途中で再び交代し、下っていく。ビール(発泡酒)を取り出し、on the riverで乾杯。いい気分だ。県境を越え、茨城県に入る。すると船外機付きのゴムボートがいた。近くの河原には消防の車も停まっている。訓練でもしているのかな?と話をしていたら、拡声器で「ただ今行方不明者の捜索を行なっております。ご協力お願いします」と言われ、ビールを隠した。下流では行方不明者を探すボートが何台もいた。ヘリも飛んでいた。
青空が、東進するカヌーに追い付いて来た。上を向くと、広い空が広がっていた。暑過ぎず、寒くもない。川の上を吹き抜ける風と、梅雨の中休みの日差しが清々しく、そして暖かい。ゴールの道の駅かつらの前の河原に着き、バスの時間に余裕があったので、しばらく古城に一人でカヌーで遊んでいてもらう。横の淵ではカヌー教室が開かれていたが、見ていて非常につまらなさそうだった。参加者の一人が声を掛けてきた。
カヌーをたたみ、道の駅かつらで少しの買い物、鮎の塩焼きを買って食べた。バスでは二人で乾杯したが、バスの運転手に「車内でアルコールはご遠慮ください」と注意されてしまった。前は大丈夫だったのにな。ついでに荷物代として小児用料金を取られてしまった。前は払わなくてよかったのにな。
水戸駅に着き、電車に乗って帰宅。8時過ぎに家に着く。10時前に布団も敷かずに板の床の上に睡眠。クーラーをかけていたから寒い。日付が変わって三時過ぎに一旦起き、部屋の中央を占領していたカヌーを横に寄せて、布団をしいて寝た。
限りなくのんびりした時がありつつ、なかなか疲れた一日だった。