休日 La Mauricie National Park kayak-camping 三日目

よく寝た。6時過ぎにようやく目がさめる。まだ外は暗い。6時半前にようやくテントから抜け出して、熊除けポールに吊るしておいた食料・調理器具を回収して、お湯を沸かし、朝ごはんを食べる。夜明けの湖畔が美しい。青空も見えている。

撤収を済ませ、8時過ぎにようやく出発。

今日はスタート地点に向かってまっすぐと向かう予定。朝一の湖面は鏡のように穏やかだった。靄の中を漕いで行く。ポーテージを伴うカナダでのカヤック旅も今日でいよいよ終わりかぁ…と感慨に耽りながら漕いで行く。
8:50にLac Dauphinaisの終点にたどり着く。二つのビーバーダムとその間の浅い部分を越えて、Lac Dubonへ。キツツキがいて、トントントンッ、トントトトントンッ、という音が響く。

9:05にLac Dubonの上陸地点に到着。ここからLac Gironまで1kmのポーテージ。9:30にLac Gironに到着。天気はすっかり良くなって、逆光の中をまぶしさを堪えながら漕いで行く。
10:00にLac Gironの上陸地点に到着。少々のんびりしてから出発して、500m歩いてLac Soumireにまで戻ってきた。10:20なり。5分で荷物をカヤックに積み込んで出発。

気温が上がって暖かい。一昨日の凍りついてツルツルと滑った木道が嘘のようだ。ゆったりと、惜しみながら、漕いで行く。今日はカワウソは見当たらなかった。梢の先に小型の猛禽類を発見して眺める。ハネビロノスリ(Broad-winged Hawk)というらしい。あとで調べたら、この公園では割とメジャーな猛禽類のようだ。


10:45、無事湖の入口に到着。

桟橋で荷物・カヤックを引き上げ、靴を替え、カヤックを洗い、荷物を詰め込み、荷物を背負って、カヤックを担いであと500m歩く。
11:05、無事駐車場に到着。僕の運転してきた車のほかは3台ほどが停まっていた。カヤックを畳み、荷物を片付ける。途中巨大なゴミ回収車がやってきて、人が中に10人ぐらい入れそうな巨大なゴミ箱をがっちりと掴んで車の上に持ち上げ、中のゴミを回収する様子に度肝を抜かれた。紅葉は一昨日よりもさらに進んでいる気がした。
11時半を過ぎて出発。車を運転して国立公園の中を駆け抜ける。たくさんのバイクとすれ違った。
途中、Le Passageの展望台に立ち寄った。眼下にはLac Wapizagonkeが広がる。先週と違ってすっかりと色づいた森。およそ1年ほど前に初めてこのモリシー国立公園にきた時にも立ち寄った場所だ。かつてカヌー・カヤックで旅した森と湖を眺める。

懐かしい思い出の数々。そしてそのおかげで、初めて見たときと今とでは、全然違った光景に見える。このモリシー国立公園は明日からしばらくの間閉鎖される。冬の間はこの展望台には車で来ることができないので、おそらくはこれが最後だろう。ちょっぴりセンチメンタルなひととき。
その後は一途モントリオールを目指して運転した。渋滞が始まる前無事帰宅。モントリオールは暑くて、ベランダの温度計は26℃を指していた。

今回のカヤック旅をまとめた動画はこちら(YouTube、13分)

8月初めに続いて訪れた、Lac Soumire〜Lac des Cinqでのカヤックキャンピング。初日・二日目は寒く、雨にも降られて、夜空は眺めることができなかったけど、美しい紅葉の森を堪能でき、カワウソ(初日)・ムース(二日目)・ハネビロノスリ(三日目)といった動物たちにも出会うことができた。またこの三日間は、二日目に最奥のLac des CingからLac Dauphinaisに戻ってから何人かの方に会ったぐらいで、初日・三日目は誰にも会わず、本当に静かな湖と紅葉の森を堪能できたとても素敵な旅だった。三日間の総距離は40km程だと思う(うち5kmはポーテージ)。

湖自体にさほど難易度はない。ただ、奥深くに入っていくことになるので、何かあったときに対処できる装備は必要。またポーテージが必要なので、一度に全部の荷物を背負ってカヤックを担いで行けるか、二度必要なのかで所要時間は変わってくる。さらに焚き火禁止エリアなので、ストイックに過ごすか、ガスバーナーをガンガン焚くか、もしくは僕のように小さなバーベキューコンロを持ち込んで温まるか(はたまた国立公園のルールを無視して焚き火をするか)はともかくとして、寒い季節には少し気をつけた方が良い場所だ。8月の時のように、1泊2日でも行ける場所だけど、せっかくであれば二泊三日ぐらいした方が、のんびりと堪能できて楽しいと思う。もちろん天気さえ良ければですけれども。