秩父へ

トチ餅

朝五時過ぎには目が覚めたのだけど、起き上がることはできなかった。起きなければ、という気持ちがプレッシャーとなり、起きれない。眠い。結局10時を過ぎてようやく起きて、準備を整え、秩父に向かった。今日は暖かいな。バイクに乗っていても寒くない。
秩父に着くともういい時間。今日の作業はほとんど出来ない。残念無念。
山に行く前に、小川さん(まかないのおばさん)に挨拶。お茶と鳩サブレーと漬物を頂く。それからトチ餅をくれた。小川さんの手作りらしい。臼と杵でついて作るのは、この栃本の集落でももう珍しいとか。先週、2回焼いて待っていたのだけど、なかなか山から降りてこないから渡せなかった、という。その後、長々とトチ餅話。トチ餅が非常に手間暇かかるというのは本で読んで知っていたが、作り方とか、風味だとか、そんなことをいろいろ話してもらった。
トチ餅は、幼稚園〜小学校の低学年頃に非常に憧れがあった。それは姉貴の国語の教科書に出ていた「モチモチの木」という話に、「霜月二十日の晩、モチモチの木に灯がともる」そんなフレーズがあり、モチモチの木の実を粉にして餅にすると、とっても美味しい、そんなことが書いてあったからだ。幼心に、霜月二十日の晩、というフレーズに、何か精霊のようなものを感じ、その肌を刺す寒さと月明かりというか、そうした情景を思い浮かべ、当時から秘密基地とか大好きだったので、そうしたモノと相まって、トチ餅に強い憧れがあったのだった。
紀伊半島でも、奈良県の方に行くと作っていて、売っている所もある。もちろん、いろいろなところで作られてはいるのだろうけど。大台ケ原の方に行った帰りに、トチ餅食べたい!買って!とねだったこともあったっけ。素朴な味が好きだな。モチモチの木も、詳細なストーリーは忘れたけど、トチ餅と聞くと、今も思い出す。トチ餅という幼き日へのノスタルジー
さて、山に行く。夕暮れ迫る山の中で、水路のメンテナンス等、諸作業を済ませていく。秋も随分深まったなぁ、そう感じる。本当なら今日中に作業を済ませて、明日は予備日のつもりだったのに、寝過ぎたせいで予定が狂った。
夜は、誕生日祝いも兼ねて、一人で発砲酒を2本飲む。それだけで酔っぱらってしまった。いつも秩父に来ると豚ホルモンを買ってきて食べるのだけど、今日は焼き網も買ってきた。煙が出て大変だけど、やっぱりフライパンで炒めるよりもずっと美味しかった。満足。
プロジェクトXを見てから、寝た。