山ショートスキー

悩みに悩んでいた。買うか買うまいか。悩んでいたのは、ロシニョールフリーベンチャー(旧名 フリートレック)。今度行く大峰山脈縦走に持っていくか否か。
二週間前にも悩みに悩んだが、結局買わないでいた。しかし、今年は雪が多いらしい。腰より上まで埋まる場所で、ワカンを履いたところでそんなに進めるわけではない。朝電話していた山岳会の人も、釈迦ヶ岳大峰山脈の山の一つ)以北は、10人ほどいて交代しながらラッセルするならまだしも、一人で行くなんて到底無理だ、と話していた。
深雪地帯でのスキーの機動力は感動的だ。僕が大学に入ってやったのは山スキーで、テレマークに比べれば歩くのは重いのだけど、それでも感動していた。スキーは滑る以前に、歩くための道具なんだと。ワカンでは手に負えない場所でも、スキーを履くとサクサク進める。でも、スキーは込み合った樹林帯では消耗するし、長いとザックに括り付け背負ったときにバランスが悪く、岩場や樹林帯では相当きつい。
それを解決するのが、山用のショートスキーだ。もっとも長い板(今使っているのは172cm)に比べれば、滑らないし、よく埋まるのだろうけど、ワカンに比べれば全然違うはずだ。スノーシューもいいのだけど、自分は登山靴スキーも慣れてお手のものなので、より機動力のあるスキーが欲しかった。ちなみに長さは99cm。ザックにくくりつけると少し上に飛び出す。
ただ、値段は4万円もする。今度の山行は、でもそのぐらいの価値がある気がした。ずっと自問自答していたが、いてもたってもいられなくなって、アウトドアショップに行く。残っていた最後の一台を買ってしまった。登山靴を持っていって、ソフトブーツアタッチメントが無くても固定できることを確認した。
あ〜、買っちゃった。スキーというツールの可能性は良く知っている。そしてその限界も。でも、きっと役に立つと思うんだ。
久々の大きな買い物だった。