戸川幸夫氏ご臨終

動物文学の第一人者であり、イリオモテヤマネコの発見者でもあった戸川幸夫氏が本日都内の病院で死去。
小さい時からシートン椋鳩十戸川幸夫、と動物文学を読んでは、心を震わせてきた。まずシートンをよく読んだ。というか、初めは四歳ぐらいの時に、母親に読み聞かされた。オオカミ王ロボ、灰色グマのワープ、少年とオオヤマネコ、ギザ耳ウサギ、暴れウマのマスタング、泡吹き坊主、他、思い出深い。少年とオオヤマネコは怖くて仕方がなかった気がする。椋鳩十は、小学校に入ってから読み始める。図書館にいろいろ揃っていたので読み進めた。戸川幸夫は町営図書館から母親が借りてきてくれたので読んだ。たくさん読んだはずなのに、しっかりと覚えているのは高安犬物語、爪王、オーロラの下で、など。読んでいると犬が飼いたくて仕方がなくなる。野田知佑のカヌー犬ガクの影響も大きかった。信頼するに足る愛犬と野山を共に歩く、冒険に行く、旅をする。そう空想しては、幸せな気分に浸っていた幼い日々。何が何でも犬が飼いたくなり、ドッグカタログを読みあさってはどんな犬がいいのかを考え、割と生物に対して怖がりだったけど、いろいろ場所にいる犬に話し掛け、怖くない犬とは友達になり、近所の犬の散歩をさせてもらって、子犬がいると聞くと、見に行った。犬がいないのに、首輪やリード(綱)を買って来たりしていて、流石に親もあきれ気味。そんでなんだかんだで小6の夏、ようやく犬を飼えることになった。嬉しかった。その時の犬の名はバルトー。「オーロラの下で」に出てくるオオカミ犬(オオカミと犬の雑種)の名前がそれだった。
ということで、戸川幸夫の小説は好きだった。僕の自然観は、動物文学なくして語れない。ご冥福をお祈りします。