水生昆虫談話会

今回は蒲田の日本工学院の六号館であった。二時間ほど早く行き、会報と昨年度の要旨集の製本作業、袋詰作業を手伝った。今日の発表者は小林さん。八月から京都に移るので、その前に東京で、今いる研究室でやってきた研究の発表。D論発表に準じたものを発表していた。う〜ん、疑問点は少々あるけど、自分の中でもまとまりきっていないので、まだ何とも言えない。
生態学というのは基本的には、今ある自然の記述だ。そこにある生物群集の動態、物質の流れなどの現象を捉えていく学問分野だ。だから、従来のものは「不自然」な生物群集の動態に関してあまり知見がない。でも今、保全生態学で問題となるものの一部として、不自然な自然状態にある生物の挙動がある。例えば河川改修があって、「不自然」なものができたとして、そこに既存の知見がそのまま当てはめ、影響が予測できるとは限らない。「不自然」な自然の記述が絶対に必要になってくる。だから、今ある自然状態を観察して、結論を導いたとして、そこから発展させていくには、「不自然」なものの観測は不可欠だと思う。生態学はその部分が圧倒的に弱い。生態工学、または「応用生態工学会」でそうした分野に力を入れて研究されつつあるけど、まだまだこれからだと思う。なかなか金にはならないのだけどね。
その後、掛川さんの短報。河川改修工事によって生物群集がどのように変化するかを見たくて調査するということなのだけど、その計画について意見をくれということ。計画から一体何を見たいのか、主張している事がわからなくもないが、でもそうするには今やっているものよりもサンプリング地点を増やすことが絶対に必要で、低い労力でより多くのものを手に入れたいなら計画は全然だめで、駄目出ししちゃった。お金と時間とかけられる労力が無限にあるならどうぞやってください。でも現実はそうではない。今既に始めているようにやるのなら、せめて物理環境は大体揃えておかないと、何によってどういったことがもたらされたのか、うやむやになってわからなくなりますよ、というようなことを言っておいた。
終わって、蒲田駅近くのさくら水産に行き、気分よく酔っぱらって学校に戻ってきた。喉が渇いて、うっかりスポーツドリンクを飲んでしまったものだからやばかった。アルコールが急にまわってフラフラになる。