フェリーにて

吊り上げられる担架

朝八時に起きる。天気はいいが、台風の影響で、海は少しだけ荒れている。いつもより少しだけ揺れが多かった。
カップラーメンを食べ、また寝る。よく寝た。
甲板に出て、本を読む。
昼の一時半過ぎか、二時前に、いわき沖にフェリーがいるときに、館内放送で「医者か看護婦の方がおりましたら」来てくれという旨のことが流れる。二時半を過ぎて、「急病患者発生のため、本船は進路を変え、仙台港に向かっております」という放送が流れる。仙台港に近づき、ヘリで患者を収容するという。そのため、大幅に時間が遅れることも放送していた。その決断と言うか、館内放送がなかなか渋かった。
三時半過ぎに海上保安庁のヘリが飛んできて、フェリーと並走しながら、隊員二名を降下、担架も下ろし、患者さんを収容して、飛び去る。なかなかかっこよかった。大学一年の頃、富山県警山岳警備隊に本気で憧れたけど、この海上保安庁のこの任務も、男の熱いドラマがある気がした。
フェリーは結局二時間遅れで午後九時に大洗港に入港。ちょうど花火大会のクライマックスで、おかげで間近で船の上から花火を見ることが出来た。
が、フェリーを降りるとひどく渋滞していて、バイクだから良かったものの、車の人は相当時間がかかっただろう。
夜の国道を飛ばして、日付が変わるころに家に辿りついた。学校に行き、少ししてから戻ってきた。
北海道のちょっとした旅行が幕を閉じた。