帰省

カヌーで行く

東京駅朝6:20の新幹線に乗るためには、家を5:40に出る必要があった。4:45に起きて、おもむろに帰省の準備をするが、研究室に忘れてきたものがあることに気がつき、雨が降る中、大学へ向かった。急いで回収して、家に戻る。結構時間がぎりぎりだった。
新幹線は非常に速い。名古屋まで1:42であっという間に着いてしまった。そこでワイドビュー南紀一号に乗り換え。故郷に十時過ぎに着いた。
正月以来の帰省だ。
やっぱり家に来ると気持ちが落ち着く。弟も姉も帰ってきていて、久しぶりに一家全員が揃った。
昼から、柏崎の親戚の家に行く。家の前の川で泳ぐ。僕は父と一緒に鮎をしゃくった(170〜200㎝程の竿の先に針が付いていて、それで泳いでいる鮎を引っ掛ける漁法)。これが難しくて、初めてやった小学校四年生のときは、一年間で三匹しかしゃくれなかった。今回、僕は一時間足らずの間に10匹。上手くはなく、下手くそなのだけど、たった一匹でもしゃくれる、しゃくれないの違いは大きい。
僕と父が鮎を獲っている間、弟はカヌーをしていた。最初に漕ぎ方だけ教えて、じゃあ頑張れよ、といきなり瀬に突っ込んでもらった。すぐに慣れて上手く遊んでいる。しばらく遊んで親戚の家に戻る。先日大きなうなぎが獲れたと言って、それを僕のために獲っておいてくれた。生簀を覗くと巨大なうなぎ一匹、普通サイズのうなぎ一匹、そして、ナマズが三匹。うなぎ二匹の下あごに針を引っ掛け、まな板の上に乗せ、目釘を打って、その後さばく。うなぎのぬめりを取るときは、カボチャの葉っぱがいいらしい。巨大なうなぎだ。体長は94㎝、直径は7〜8㎝はあった。さばくにも一苦労。身を捩じらせるのだけど、力が強くて押えるのが大変だった。首一つになっても生きていて、口を時折パクパクさせていた。もう一匹も60㎝はあったかな。切って、炭で焼き、蒲焼にする。
うなぎを焼いている間に、僕と弟の二人で川の少し上流に行き、そこからカヌーで下った。弟はなかなかそういうことは出来ないだろうと思っていたのだけど、案外自然に対する適応度は高いようだ。出発し、白く泡立つ瀬を越えていく。一ヶ所、少しコース取りが難しそうな場所があって、カヌーを降りて偵察する。二人で、ああ行って、こう行って、ふんふん、と納得し、そのコースを下ろうとするが、見事に外れて、カヌーも回転し、後ろ向きにその瀬を越えることになる。これでもひっくり返らず、何とか下っていくのだから、インフレータブルカヌー(空気を入れるゴムカヌー)の安定性は素晴らしい。
途中で、亀岩と呼ばれる岩にカヌーをつける。小学校三年生のときからよく来ている場所だ。たまに亀が上陸して甲羅干しをしている。この岩の下や、目の前の淵には昔は魚が渦巻いていたが今は全然いない。何も変わったように見えなくて、でも川の中は全然違うものになっている。それが悲しい。そこで泳ぐ。少し日も落ちてきて、弟はこの深い淵を怖がるかな?なんて考えていたのだけど、自分から先にその淵に飛び込んで行き、近くの高い岩場に登っては飛び込んでいた。二人でその淵の底に潜った。昔は魚だらけだったのになぁ。船に戻る途中、イシガメを見つけて、潜り、捕まえる。カヌーに亀を乗せて、残りの区間を下る。橋の上には姉貴と従兄弟のお兄さんと父がいて、写真を撮っていた。
亀を川に返し、家に戻ってきて、うなぎを食べる。蒲焼の肉の厚みは2㎝近くあった。非常に美味しい天然うなぎだった。主さまかもしれないので、失礼のないようにきちんと食べる。いや〜、美味さがにじみ出ていたなぁ。
従兄弟の兄さんがYAMAHAのR-1に乗ってきていた。排気量が1000ccのスーパーモデル。またがらせてもらう。僕の乗っているセローは120㎞/hぐらいしか出ないですよ、と言っていたら、一速でそのスピードが出ると言っていた。かっこ良過ぎるバイクだ。
夕方実家に戻ってきて、夕飯を食べ、映画Matrix Revolutionsを弟と見ていたが、夜は海辺に行き、霊を送り、墓に参った。夜空が美しかった。ペガスス座がもう頂点にあって、アンドロメダ大星雲もぼんやりと輝いていた。
日付を過ぎて帰ってきて、その後、弟と長々と話をした。そして寝た。