オホーツクの日の出

網走刑務所のニポポ

夜,蚊が一匹テントに侵入して寝苦しかった。血を吸われる前に何とか潰す。そう言えば,この愛用しているテントには,高校一年生の時にテントの中で蚊を潰した時の血痕がまだ残っていたりする。あれはソロキャンプ一周年記念で銚子川で一人でキャンプしたときのことだった。
日の出を見たいから起こしてくれと言われていたので,日の出前に起きてしまった僕は,隣のテントに寝ているいわのりを起こして,海辺に行った。テントの付近は蚊がたくさんいて,大変だったけど,砂浜では風が吹き,蚊を吹き飛ばしてくれた。池田さんも起こして,三人で日の出を見る。やがて太陽は知床連山の間から昇ってきた。七色に輝いて美しい。まだ八月なのに風吹くオホーツクの朝は肌寒かった。沖合いでは鮭を獲る漁船がいた。池田さんが,ジョギングしてくる,と言って,浜辺を走っていった。僕は浜辺の歌を口ずさんでいた。