台風一過

新しい宿舎、手前が部屋

朝起きると空は晴れ渡っていた。台風は予想より速く進んだらしい。味噌汁と昨晩の残りのカレーとアジの開きを食べて、その後、実験棟に行く。他の四人は山に行った。昨日量ったリターを袋に詰めて、バイクに乗って山に向かう。川は茶色く濁ってはいるものの、そんなに大した増水は起きていない。それは支流にいくほど顕著だった。
川の中に二週間後に実験に使うリターを沈めて、戻ってきた。紅葉はまだ全然進んでいない。今年は紅葉が遅そうだ。荷物の整理をし、バイクを洗って帰る準備をした。
実家に電話をすると、実家は大丈夫だか、いろいろ大変だったとのこと。いろいろな物が流されたりしたらしい。
帰りに前回建設中だった新しい事務所&宿舎を見に行った。完成はしているがまだ使わせてはいない。洒落たデザインだった。使い勝手がいいのかどうかはわからないけど。トイレも水洗で、しかもウォシュレットだし、風呂も湯沸し器のコントロールパネルもついた、いいもの。前はシャワーもなくて、水を溜めてボイラーで沸かすタイプだったのに。それはそれで味があったのだけどね。台所の先に大きな一枚ガラスがあるのだけど、気がつかずぶつかりそうになる。いろいろ設計面で疑問点はあったけど、別荘風のデザインになったのは確か。広い軒先もあったから、居心地はいいかも。でも宿泊費は少々高くなるらしい。まあ、それなら僕は下のボロい自炊宿舎に泊まろう。
帰り道、バイクを運転しながらやたらめったら眠かった。大学に戻ってきて、しばらくすると眠くて、椅子の上で寝ていた。日付が変わるころ、寝苦しくなり、机の上に転がり、そのまま朝まで寝続けた。
九月が終わった。