朝起きると

雨がたくさん降っていた。九時から今日も応用生態工学会に出るつもりだったのに、起きると九時前だった。でも聞きたい発表は十時過ぎからだったので、ホッとした。とりあえず朝刊のイチロー最多安打記録更新の記事を読んで、幸せな気持ちに浸る。雨の降る中、バイクに乗って科学技術館に行く。
聞きたかったのは、標津川の再蛇行区間の動向についての発表。簡単に解説を書いておくと、日本中の川は直線化されていて、でも蛇行が大事だということで、蛇行河川に戻そうという動きがある。その再蛇行の為の実験だ。蛇行区間は流速が遅くなって生物の逃げ場となる場所がたくさんできるはず。が、再蛇行の工事をした部分は、流速があまり変わらず。これは、現在の直線化された川の河床が下がっていて、昔の河道つなげるためには堰を作る必要があって、堰を作ってかさ上げしたのだけど、そのために流路は長くなったが、流路勾配は変わらなかったためだ。さらに「洪水の時は直線化した部分の堰を水が流れるので安全です。」でも、それなら蛇行がさらに大きくなることはない。蛇行が出来るのは、川が土砂を削り蛇行が大きくなる。そして大きくなった蛇行は流路が長くなるからやがて流路勾配が小さくなって、流速が遅くなり、摩擦が減って、蛇行は安定的な状態に近づいていく。その川が蛇行区間を削るエネルギーを逃がしてしまうのなら、流路勾配は小さくならない。固定化された蛇行。現在の蛇行にはそんな落とし穴がある。面白いと思った。
発表をいろいろ聞いて、昼過ぎに終わって、大学に戻ってきた。
夕方家に帰り、また大学に戻ってくるつもりだったのだけど、いつの間にか疲れて寝ていた。