調査二日目

雪積もる一之瀬の沢

朝六時過ぎまで寝ていた。冷え切った空気の中、着替え、回収開始。大丹波川、琴沢、入川谷、と回収する。日原川流域へ大きく移動。倉沢谷林道も、大雲取林道も、小川谷林道もトレースなし。陽も照ってきて、雪化粧した山々が美しい。犬麦谷に仕掛けていた温度計が破損し、温度が狂っていた。幸い水銀は流出していなかったので、水銀部分を回収。う〜ん、データの欠損点が出るのは残念だ。
大移動して後山川の片倉谷へ。それから一之瀬へ。龍喰谷の近くの沢、周りが花崗岩ばかりなのにここは別の地質で独特。一之瀬集落の中の沢。日差しがきつい。集落の家の軒先を見ていると、ポタ、ポタ、と水か垂れている。昔からお気に入りの式子内親王の短歌を思い出した。
山ふかみ 春ともしらぬ松の戸に たえだえかかる雪の玉水

中川沢、その隣の沢、と回収。車を降りてから少し歩くのだけど、雪面からの照り返しがきつい。顔がどんどん焼けていく。一之瀬本流の横のヤブ沢、さらに上の沢と回収。全部回収し終えて一息つく。
菅川に向かう途中、久々おいらん淵を覘いていった。黒川金山の鉱夫を相手にしていた女郎55人の悲劇。今でも花を添えてあったりする。谷に轟く激しい水流を見ながら、手を合わせておいた。
菅川、白岩沢の支流でpH、電気伝導度を測り、調査一段落。
小菅の湯に入りにいく。いろいろな湯があって、のんびりと浸かってきた。ふぅ。温泉上がりの牛乳も飲んで大満足。
そして一途東京へ。八時過ぎに無事大学に到着。
今日、先日某大獣医学科の学士入学の試験を受けていた後輩の結果発表があって、無事合格していた。抜け道ってあるものだな、と思った。お祝いを口実に、計4人で寿司を食べに行く。その後、たらたらと獣医の話やら、山の話やら、研究の話やらをしていたら深夜になってしまった。
いつも通り、研究室でシュラフに包まって寝た。