8月

雨が続いたり、晴れが続いたりの八月。

8/2 台風5号が通過。暴風警報は出ていなかったので朝から職場に行った。状況次第だが、基本的に暴風警報が出ていなければ職場に行くものだと思う。今の指揮系統に強く疑問を感じる。まあいいけど。午後からはみんな集合した。職場の雨漏りを点検する。台風影響下の職場。
8/3 台風五号の影響把握のため、屋久島一周の巡視に行く。が、特段の影響は模様。良かった良かった。夕方相方が来島。台風の合間を縫ってよく来てくれたと思う。
8/4 午前、一湊にシュノーケリングに行った。今日は日が差して、そこそこきれいだった。午前の遅く、場所を塚崎に移してシュノーケリングをした。少々波が荒かった。でもやっぱり海の中は素晴らしかった。昼は松竹で蕎麦を食べ、夜はイルマーレでちょっと豪華な夕食となった。
8/5 朝から町内の清掃奉仕作業があった。鎌と竹箒を持って参加。一時間余り作業して解散。その後、宮之浦川の上流(総合自然公園の下)に泳ぎに行った。鮎や、他の遊泳する魚は全然いなかったが、ヨシノボリやボウズハゼといった底生魚はたくさん。水は澄んでいて気持ちいい。きれいな川は心が洗われる。そう、僕の原点は川の保全だ。昼はOseというイタ飯屋に行く。夜は宮之浦で御神山祭り。花火が打ちあがり、それはコンパクトながらなかなかだったのだけど、花火事故があり、花火師の方の右手首先が失われたのは本当に可哀想で、残念なことだった。
8/6 日焼けし過ぎた相方が朝から病院に行った。午後、安房川でカヌーをして、松峰大橋の上流でシュノーケリングした。鮎が泳ぐ。鮎を見るとほっとするなぁ。汽水の影響下にあるここでは、スズキの子供、メッキ(ヒラアジ類の子供)も姿を現して、見慣れた渓流景観と異なるものとしていた。突然、「ウォイナミュニ☆△■◇●▼□!!!!」という声がシュノーケルを通して聞こえてきたので、のぞくとウナギが岩の間からウネウネと泳ぎ出てきて、別の岩の隙間に隠れていった。カヌーの後は紀元杉に行った。この杉は道路から見ると大したことないように見えるのだが、降りて3分で一周できる歩道を歩き、真下から眺めるとそれはそれは迫力がある素敵な杉だ。手の届くところはみんな触っているのか、樹皮が照かっていた。夜は庭先でBBQした。昼のウナギは捕まえられなかったが、ウナギの蒲焼を買ってきて炭火で焼いたらそれは大変美味しかった。
8/7 白谷雲水峡を歩く。あいにくの雨の天気。コケは元気になるだろうか?原生林歩道の上部が好きだ。その後は屋久島をぐるっと一周した。前から行きたかった一湊カフェに行く。テヅカさんがいて、今日は仕事休みなの?との突っ込みをうける。バナナシェイクが美味しい。キーマカレーも美味しかった。夜は居酒屋つぼねに行った。いつも通り、トビウオのから揚げが美味しかった。
8/8 ケケケケケケという声が職場によく聞こえてくる。アオゲラだ。今日は職場の窓から双眼鏡で観察できた。夕方、国立公園の入り口看板の草刈をやった。
8/9 朝五時半に集合して、バイオトイレ設置に現地検討確認会に参加した。小杉谷を見て周っていたのだが、気がつくとヒルが三匹腕を這っていた。こんなところに昔はヒルはいなかったはずなのになぁ。午前中に戻り、その後現地の状況を踏まえ、いろいろ話をした。
8/10 朝四時集合で早朝の駐車場整理(登山者指導)。この時間にやってくるとオリオン座が8月に見えるのがちょっぴり嬉しい。カエルツボカビ調査関係でカエルがいる場所を探しにいくが、7月末に稲刈りの終わっている屋久島では、なかなか発見が難しい。夜、安房川名物流れ舟を事務所員で行う。安房川に船を浮かべ、川面を走る山からの涼しい風を受けて一杯やるというもの。いい時間だった。終わった後、カラオケに行ったが、僕は疲れが溜まっていて、全然元気がなかった…
8/15 カエルツボカビ調査のためのカエル探しの旅を始めるが、全然見つからず…
8/16 プレゼントで貰ったメッセージビーンが発芽した。豆に記されたメッセージが見えるまで、もうチョイ。
8/17 朝四時集合で早朝の駐車場整理(登山者指導)。その後カエルを探すが、かろうじて2匹捕まえたのみ…午後一で協力金に関する打ち合わせ。いろいろ意見は言ったのだがいい方向に向かうように努力を続けるのみ。メッセージビーンがメッセージを表した「夢 DREAM」とそこには書かれていた。
8/18 朝から栗生川の河口に行き、そこからカヤックで栗生川を遡り、その後小楊子川に名前が変わった先でカヤックをデポして泳ぎも交えながら小楊子川を遡行し、お谷ヶ滝まで行くという、カヤッキング&沢登り(川泳ぎ)をやった。川の遡行自体は簡単だが、泳ぎも多いのでライフジャケットがあるといいかも。大きな淵が続き、気がつくとお谷ヶ滝にたどり着いている。その手前に巨大なポッドホール。深さ5mはあるだろうか?こんな巨大なものは初めて見た。お谷ヶ滝は登攀不可能で、大きな釜を持った滝。その大きな釜でシュノーケリング。潜り始めてすぐに目の前を泳ぐウナギを発見。そしてその先の岩の隙間に巨大ウナギの胴体が見えた。急に怖くなる。釜は深く、中ほどまで泳ぎ出て眺めると、岩がえぐられていて、さながら古代遺跡のよう。下りは慎重に。途中オバラさんという知り合いのガイドの方に会う。そのうち沢登りに一緒に行こうという話をする。カヤックのデポ地まで戻ってからまたシュノーケリング。川で泳ぐのが好きだ。
夕方からウミガメの孵化調査に参加。6〜7月にやっていたのは上陸産卵+タグ調査で、母親ガメの上陸産卵回数・時間・タグの有無・タグ取り付け等だったが、今回の孵化調査は孵化が始まって5日経った産卵巣を掘り起こし、子ガメの孵化率等を確認するもの。掘り返しているうちにまだ砂から出てきていなかった子ガメに遭遇することもあるのは何とも嬉しく感じたが、しかし調査は想像以上に辛いものだった。死んでしまっている子ガメ、食べられた子ガメ、発生が途中で止まっている卵、割れてしまっている卵があって、そしてそれにウジがわき(どうやって入り込んだのか疑問…)、相当な悪臭となる。掘り返すのも手で丁寧に掘っていくから結構大変。労力に対してどれほど有効な調査結果なのか、そんなことを考えながら調査した。終わった時はほっとした。何事も経験。でも結構辛かった。
8/19 注文していた自己視点型SDビデオカメラ「アクションカム」が届いた。面白い動画が撮れればまた紹介します。
8/20 S大学の学生三人(大学三年生)が職場見学にやってきた。月曜日から金曜日までの間面倒を見ることになる。午前中は業務内容を説明した。午後は屋久杉自然館を見てきてもらった後、明日からの縦走巡視の準備。三人ともテント泊縦走は初めてのよう。山での装備・服装、テントの組み立て方・たたみ方、シュラフのたたみ方、パッキングの仕方を一から丁寧に教える。こういうのは得意かも。僕の発言を一言一言メモしているあたり、勉強熱心だ。残業は早めに切り上げ、翌日に備える。
8/21 宮之浦岳縦走巡視。淀川登山口からスタートする。学生3人は仲良くて、見ていて微笑ましい。彼らの好奇心と視点はこちらが普段気付かない点を洗い出してくれる。こちらも新鮮だった。初めての重い荷物を背負っての縦走とあって、ゆっくり歩く。一人が、僕は雨男で参加した実習は必ず雨が降る、と爽やかに言った。と縦走の途中からあんなに晴れていたのに、途中から雲がモクモクと湧いてきて、霧がかかり、雨が降り始めたものだから、雨男パワーを感じた。宮之浦岳山頂は残念ながら展望なし。が、一瞬晴れて永田岳が望めたのは嬉しかった。標識を補修したり、石組み歩道を直したりしながら進む。ゆっくりのペースだったので、新高塚の小屋に着いたのは四時半を過ぎていた。中はいっぱいだったのでテントを張って食事をつくる。凍らせて持ってきたビールはちょうど融けきれるかきれないかの境で、素晴らしく冷えたビールが飲めた。美味しかった!!!他の登山客から羨望の眼差し。その後僕は米炊き大臣となって美味しい米の炊き方のレクチャーをする。食事後、オイルサーディン、ベーコン、焼きマシュマロといつものつまみメニューを展開し、ゆったりとした時間を過ごす。寝る時に僕がオカンする(テントに入らず寝袋だけで外に寝る)というと、学生三人も外に寝るといい始めた。テントを三張持ってきたのに、中に寝たのはナガオカさんだけ。星空が木の間に輝き、時々シカが枕元に訪れ、時折流星がまぶたにその残光を残す、静かな素敵な夜だった。
8/22 早朝ちょっと寝過ごした。学生三名はあまり眠れなかった(ずっと星空を見ていた)らしいのだけど、元気にしていた。朝からラーメンを作る。五時半に出発。早朝の巨樹の森を歩く。縄文杉、ウィルソン株と進む。縄文杉は今日も元気にそこに立っていた。トロッコ道途中の川原で休憩。学生三名は泳いではしゃぐ。その様子を捉えた写真が爽やか過ぎて、なかなか素晴らしかった。事務所に戻ってきてからは、片付け、そして早めに帰ってもらった。
8/23 朝四時集合で早朝の駐車場整理。もちろん学生さんにも参加してもらう。みんな眠そう。頑張れ。屋久島一周の海岸巡視は僕は行かなかった。事務所にいて、坦々と仕事を済ます。
8/24 学生三名は今日は内業で巡視の記録作り。終わってみて、本当に爽やかな好青年が揃っていた。なかなか。夕方ビアガーデンに行く。自分自身も勉強になった一週間だった。
8/25 屋久島パークボランティアの会の活動で、ヤクスギランドと紀元杉の清掃活動を行った。その後新たにパークボランティアに参加することになった6名の研修会。夕方安房の港に従兄を迎えに行く。先月下旬に遊びに来ていた親戚の息子だ。久々会って、変わっていないというか、そのままだなぁと思った。夜は焼肉を食べに行く。明日に備えて早々と就寝。
8/26 朝三時半に起きて準備、四時十五分にはシャトルバス駐車場に行く。従兄と縄文杉登山。正直縄文杉以外に行きたいのだが、まずは縄文杉、が屋久島を訪れる観光客にある。イメージってすごいなと思う。そうでなければ、リピーターも含めた屋久島の観光客の三人に一人が、往復20kmの縄文杉に訪れるはずがない。朝一に行き、誰よりも早く出発したので、喧騒を避けて登山道を歩くことが出来た。ウィルソン株も縄文杉もほぼ独占できた。良かった。帰りは多くの方とすれ違い、コンニチハマシーンと化す。縄文杉に従兄はご満悦の様子。また行きたいなと言ってくれたのは、僕のガイドが良かったからだと信じよう。家に帰ってきてから、今度はウミガメの放流を見に、島の反対側の永田に行く。家に帰ってくると流石に眠かった。
8/27 夕方、いつもの居酒屋に従兄と行く。従兄は今日は一人で屋久島を一周してきたのだけど、楽しかったよう。よかったよかった。翌日早いので早めに就寝。
8/29 巡視で翁岳に行く。ここは昔は道があったのだけど、今は訪れる人が少なく、道は藪化している。笹をかき分けて山頂に進む。ここには絶滅危惧種ⅠAのリンドウが割とたくさん残されている。山頂は花崗岩の塊で、チムニーを登って岩の上に立つ。素晴らしいところ。気に入った。これまで気に入ったところが高盤岳、石塚山、翁岳と道がないところばかりなのは何故だろう。それが、屋久島本来の雰囲気なのだと思う。それへの哀悼。帰りは淀川小屋の入り口ドアの割れたガラスの処理+修理等をしていたら思いのほか時間がかかり、夕方になった。
8/30 口永良部島に行く。所管地の確認と登山道の巡視。古岳・新岳・野池を周ったが、火山景観が素晴らしいところだった。古岳の硫黄ガス噴出す火口群、ぽっかりと開いた新岳の火口、不思議な静けさを持った野池の涸れた円形空間。眼下には透明感溢れた海と海崖に打ち寄せる波。目を上げれば海を隔てて屋久島がどっしりとそびえる。船から見た永田岳の荘厳さ。口永良部島の山の上からは山頂に雲がかかっていたけど、それでも素晴らしかった。山は水場が全然ない。持って行った水が少なかったので、みんな喉が渇いて辛そうだった。山を降りて、湯向集落で湯の花豊かな温泉に入る。ポカポカと温まる。夜は民宿くちのえらぶに泊まる。硫黄島の眺めが素晴らしくて、広い空間があって、すっかり気に入ってしまった。本が多いのもいい。夕食ではビールにすぐにノックアウトして、九時過ぎには早々と就寝。
8/31 口永良部島をぐるっと周った。泳ぎたくなるところが随所にあった。ヤモリを捕まえた。フェリーの待ち時間に釣りをしたら、巨魚がかかって、格闘の末、糸を切られて逃げられてしまった。逃がした魚は大きい。残念無念。また来たいと思う島だった。