口永良部島初日

午後、宮之浦からフェリー太陽に乗り込んで口永良部島に向かう。今回はシーカヤックを持ち込むことにした。フェリーに乗り込むときにレガシィのマフラーがあたって鈍い音を立てていた。出港して早々フェリーが大きく揺れた。このフェリー太陽は約500トンの割と小型のフェリーなのだけど、4mの高さの波で欠航することになっている。今日の波の高さは3mだった。加速度と波を砕く衝撃を感じる船内。船酔いには強い自信があったのだけど、この日は辛かった。吐き気を催さないようとにかく目を閉じる。乗り込んでいた人々はみんなぐったりしていた。
一時間四十分口永良部島に何とかつく。たどり着いて、出張所のカワヒガシさんの所にまずは挨拶に行った。海が荒れている。自家用船を持っているカワヒガシさんに島の波の様子を聞く。今日はとてもシーカヤックは無理だ。メガ崎は潮の流れが速くて大変とのコメントを頂く。寝待のところは明日は波が直接当たる。一番いいのは西之湯〜岩屋泊の海岸。明日になれば随分波はおさまるだろうが、それでもうねりの中を漕ぐことになるよ、との助言をいただく。
今日はキャンプをする気でいたので、どこがいいか聞くと寝待か湯向だった。ただ寝待はうねりがあって釣りが出来ないとの話を聞き、湯向に向かう。港のすぐ手前、退避壕(口永良部島は火山島のため随所に設置してある)のところに車を停め、テントを張るスペースがあった。退避壕前だから私有地でもないらしい。温泉が歩いてすぐのところにあるし、そこにトイレもあるし、公民館に水もあるし、雨が降れば退避壕に逃げればいいので、キャンプにはいいかも。人家のすぐ隣なんだけどね。
港にルアーを持って釣りに行く。海面はうねっていた。防波堤の先端に小魚が集まる。死んだ大きなイセエビが浮いていて、それを針で引っ掛けて引き摺り揚げてみた。活きていれば相当いい値段がするのだろうけど、死んでしまっていては手が出せない。
肝心の釣りは全然掛からず(涙)。こうやって修行を積み重ねるのだろう。やがて陽が暮れ、退避壕に戻り、米を炊き、カレーを作った。今回巨魚が釣れてしまってはどうしようかと調味料+調理器具を持ってきていたのだけど、残念ながら徒労に終わった。
晩飯はシンプルだけど美味しかった。キャンピングチェアに座り、ランタンの灯りのもとビールを飲む。たった一本のビールで随分と酔っ払ってしまった。見上げると輝く星々。
酔いを醒ましに港に行く。港手前の流れ込みにはオオウナギが何匹かいて、湯向集落の方々のペットとなっている。先月末に来た時は魚のアラが投げ込まれていた。覗き込むと大きなウナギがいる。意外なほどたくさんの小魚小エビもいて、ウナギに怯えて暮らしていた。
遅くない時間に就寝。