箱根周遊

紅葉を見に行こうという話になり、丹沢は沢登り以外では行きたくないと思い、まだ行ったことのない高尾山を考えたが、以前伊豆に行った時に買ったガイドブックに箱根も載っていたこともあり、首都圏に近い景勝地としての箱根に興味があり、ゴジラvsビオランテ(1980年代後半だった気がする)の舞台であり、日本で初めてブラックバスが放流された芦ノ湖に興味があったことから、箱根に行くことになった。
朝七時過ぎに出発。JRに乗って小田原を目指す。小田原で周遊切符を買う。これで電車からケーブルカー、ロープウェイ、船、バスまで全部乗れるらしい。全部乗れて2日間で3900円だから安い。屋久島でも共通券が発売できないものかと思う。
小田原から箱根湯本まで電車に乗り、乗り換え。箱根湯本から強羅までは、2両編成の電車で急な線路を三回スイッチバックしながら登っていく。登るにつれ、箱根の外輪山が見渡せるようになる。紅葉が美しい。乗るときは、箱根湯本駅で進行方向左側が断然お勧め。強羅駅での乗換えを考えると、進行方向左側一番後ろ、が一番景色もよくて乗り換えもスムーズ。
紅葉の行楽シーズンの今日は、本当にたくさんの人であふれ、満員電車だった。
強羅駅で連なる列の後ろに並んでケーブルカーを待つ。ケーブルカーはワイヤーに引っ張られのんびりと登っていく。ここから一気に高度を上げて、早雲山の駅に着く。駅の手前の左側の森が美しかった。
早雲山の駅でロープウェイに乗り換え。前面ガラス張りの展望のきいたゴンドラ。たくさん並んでいる人を次々を運んでいく。そうそう、ずっとハンティングキャップに憧れがあって買おうと考えているのだけど、ここのロープウェイ乗り場で並んでいると、ハンティングキャップを被っている人がたくさんいて、憧れがますます募った。
ゴンドラに乗ってぐんぐん高度を上げる。そして尾根を越えて見えてきたのは、冠雪した堂々たる富士山だった。素晴らしい。大涌谷の噴煙が眼下に見える。並ぶ人工物は、まるで悪の帝国の秘密施設・地下工場みたい。硫黄の噴煙でロープウェイのワイヤーは傷まないのかな?と考えたりする。
大涌谷駅で降りて、大涌谷に向かう。いい天気。日差しがきつい。逆光の神山のシルエットと抜けるような青空と吹き抜ける風の爽やかさがいい。たくさんの人が歩く歩道の上には、卵運搬用の小さなロープウェイがある。大涌谷は硫黄の匂いがきつい。ゴポゴポと湧く温泉。そこに入れられる真っ白な卵。それが真っ黒になって出てくる。大涌谷名物の黒卵を買った。年間何個の卵がここで消費されるのかと思う。富士山の写真を撮ってから、駅に戻る。
大涌谷駅から、芦ノ湖畔の桃源台までロープウェイに乗る。紅葉が広がり美しい。ただ芦ノ湖の西側にある人工林が残念だ。その背後に富士山をたたえ、ここが紅葉が美しい森だったらより美しいのに、と思う。
駅の中にあるレストランで食事を済ませ、今度は海賊船を模した船に乗って箱根港に向かう。船にはびっしり人が乗っていて、500人以上乗っていたらしい。進行方向左側に乗る。湖畔にはカヤックの姿も。そして鳥居が建っている。風が少し冷たかったが、ずっと外にいて紅葉を眺める。駒ケ岳のロープウェイは必要なのだろうか?釣り船がたくさん。確かに雰囲気のある湖だった。
港についてから、歩いて箱根関所跡へ。楽しみにしていた場所だったのだけど、あんまり面白さを感じられなかった。その後は杉街道を歩いて元箱根港まで行き、そこからバスに乗って箱根湯本駅まで戻ってきた。
乗り物を次々と乗り継ぐ箱根の旅。あんまりのんびり出来なかったけど、これも面白いものだった。でも出来ればもう少し混んでいない時期がいいな。そんな時に、芦ノ湖カヤックをとか、旧街道を歩くことが出来ればもっともっと楽しいものになると思う。
夜は、チーズフォンディユーとなった。フランスパン、ジャガイモ、ニンジン、ブロッコリー、ソーセージと盛り沢山だったが、ぺろりと平らげてしまった。美味しかった。