友人来島

朝から部屋の片づけをやった。今日は中学、高校の同級生タカムネ君がやってくる。会うのは成人式以来。出張で鹿児島に来たそうで、僕もいるからせっかくだから屋久島に寄っていこう!ということらしい。宮之浦港に9:45に到着するジェットフォイルトッピーでやってきた。一目見てすぐにわかった。久しぶり!元気?と話をする。一眼レフデジカメを持っていて、今回の来島を通して僕の物欲に火が付くことになる。
スーパーでお弁当を買ってから、白谷雲水峡に行く。師走に入り、流石に人は少なくなっている。少し曇り気味の空の下、入口から入っていった。最近はあまり運動していないとのことだったけど、さすがに水泳で鍛えていただけあって、そこそこのペースで登っていっても全然平気そうだった。何故ここ白谷雲水峡がもののけ姫の森と呼ばれるのか、何故この森がモチーフになっているのか、そんなことから屋久杉の利用まで、たまに屋久島の森について解説しながら、ずっと歩いていった。
2m先にシカの親子が顔を出し、のんびり草を食んでいる。その距離感に驚いている。しかし、これが自然と人との距離なのだろうか。
白谷小屋を過ぎて、もののけ姫の森、という看板の場所にたどり着く。個人的にはこの場所はそんなにいいと思っていない。ここで、ガイドのミズガキさんにばったり会って、話をする。
太陽が差し込み、巨樹の隙間からの光が眩しく、そして心地いい。コケが照らされ、茶色、灰色そんな樹皮との対比がいい。
辻峠に着き、太鼓岩に向かう。夏場は人に溢れる太鼓岩も今日は誰もいなかった。山の上の方は雲がかかっていたが、展望はあった。広がる屋久島の森。でもよくよく見れば、そこは既に伐採の傷跡深い森であることがわかる。でも、自然の回復力が、時間をかけて、ひたすら時間をかけて戻していくのだろう。今は小さな木が、やがて精霊が住み着き人々を感動させる樹に育っていくのだろう。その時、どんな風景が広がっているのだろうか。
風が強かった。寒いので雨具を羽織った。お湯を沸かし、サラダ巻きと味噌汁を食べる。こんなところで食べるサラダ巻きは味が格別だね、とタカムネ君。そうそう。美味しいよね。
今度結婚するんた、という話を聞く。おめでたい!一緒の高校に通っていたのは、もう9年も前の話。それからそれぞれの道があって今がある。屋久島の森を見下ろしながら、懐かしさに浸る。
帰りは、原生林歩道を経由した。この途中の沢筋の風景が好きだ。デジカメでいつも撮るのだけどどうもうまく行かない。一眼レフデジカメを借りて撮ると、カシャッ、カシャッという感触。いいなぁ。物欲に火が付くなぁ。
小学6年生の時に父親のニコマートを借りて写真を撮った。ピント、露出、シャッター速度、全部マニュアルで、ピンボケ写真を連発したけど、そして自分のお小遣いでは月に1本のフィルム+現像がせいぜいだったけど。あの時、もっとシャッターを切っていれば、写真もうまくなったんだろうなぁ。今はデジカメがある。この2年間に撮った写真の枚数は2万枚を超える。そのシャッターを押す時の緊張感の違い。そういえば、かつて撮ってそのままお金がなくて現像に出していないままのフィルムがいくつかあって、それをこの15年間、どこに引っ越した時も常に持っていたことをふと思い出した。今度現像してみよう。
入口まで戻ってきて、車で移動。実はタカムネ君も同じレガシィGT-Bに乗っていることが発覚する。型は一つ新しいらしいけど。意外な共通点。
永田浜に行った。西部林道を回り、たくさんのシカとサルにあった。大川の滝に行った。中間のガジュマルを見た。
千尋の滝に行った。土産物屋に行った。
夜は、居酒屋つぼねに行った。首折サバがなかったのは残念だったけど、屋久島の幸を堪能していただく。家に戻ってきてからは、また卒業アルバムを見ながら話に花が咲いた。