南八ヶ岳縦走初日

5月に一緒に雲取山を縦走したテラオカさん(職場の上司)が、今度は3,000m級の山に行こう!と話をしていて、8月末頃に10月13-14日の週末に山に行くことを決めた。山初心者も来ることが想定されていたので、山小屋があり、距離もそれほどではない八ヶ岳を選んだ。八ヶ岳はこれまで6回訪れているが、いずれも積雪期(最後は昨年の2月に訪れた硫黄岳)。今回初めての無積雪期の八ヶ岳とあって、楽勝だろうと思う一方で、寒いのだろうか、凍っていたりしないだろうか、といろいろ想像しながら準備を進めていた。
面子は、今の職場の方は最終的にテラオカさん、ハヤカワさんに落ち着き、その他先月一緒に沢に行ったカナハナさんが参加となり、合計4名のパーティーが出来上がった。
朝7時に新宿を出るスーパーあずさ1号に乗って茅野に向かう。指定席が買えなかったので新宿駅には6:20には来たのだが、自由席のレーンには既に多数の人が並んでいた。慌てて並んだが列はどんどん長さを増していく。並んでいる人の会話から週明けで既に指定席が取れなかったことを知る。前に並んでいる人のところにその仲間がどんどん加わっていくのが、まあそんなもんだろうなぁと思いつつも、それが歳を召された方ではなく、元気そうな若者だと腹立たしくも思う自分がいた。そんな思考回路でヤキモキしていたので、6:40ぐらいに来られたハヤカワさんが素直に列の後ろの方に並ばれたのが何故かやたらと嬉しかった。ギリギリに来られたテラオカさんも無事合流。自由席は特急電車とは思えないほどの混雑ぶり。特急電車は秋空の下信州へと向かう。韮崎駅で一気に人が減る。その先は南アルプス、そして八ヶ岳がよく見えていた。
少し遅れて9:12に茅野駅に到着。駅構内はザックを持った登山客で大盛況。カナハナさんとも無事合流して、予約してあったタクシーに乗り、コンビニに寄ってもらった後、美濃戸口に向かう。タクシーは残念ながら美濃戸口の先の美濃戸までは入ってくれない。ここまで5200円だった。
今回の行程は、美濃戸口〜美濃戸〜(北沢)〜赤岳鉱泉〜硫黄岳〜硫黄岳山荘(宿泊)〜横岳〜赤岳〜行者小屋〜(南沢)〜美濃戸〜美濃戸口の一泊二日の予定を組んでいた。さて、どのような山行になるのやら。
美濃戸口では登山計画を出してから9:50に出発。美濃戸口にいた1グループは同じ行程を予定しているガイドツアーの皆様なのだけど、ガイドの方のお名前がハヤカワさんとのことで、こちらのハヤカワさんと勝手に盛り上がる。以後ハヤカワグループと抜きつ抜かれつ進むことになる。
天気はいい。林道を歩く。時々車が通り過ぎていく。美濃戸口の標高は1500mだが、既に紅葉は始まっている。ここも雪景色しか見たことがなかったから、赤黄色に彩られた森に新鮮味を感じながら歩いていた。10:45に美濃戸山荘に到着。早くもお腹が空いておにぎりを頬張った。15分ほど休憩。その先は北沢ルートを行く。しばらく林道。苔むした森がある。ボチボチ降りてくる方とすれ違う。11:30に堰堤前広場で休憩。そしてようやく登山道を歩く。
沢の横を行く道で気持ちがいい。沢に降りられる場所も何か所もあって、無積雪期の風景を噛みしめながら歩く。結構がっちりした木道が付いている。やがて南八ヶ岳の主稜線が見えてくる。大同心が青空に映える。今日はどこまで行くのかと聞かれたので、あの稜線のところです、と答えるとまだまだあるなぁという感想。
12:25に標高2200mの赤岳鉱泉に到着。赤岳が良く見える既にテントが多数張られていて、小屋前のテーブルでは、山ガールと付随する男性陣が豪華な昼ごはんを作って食べている。平和な光景。我々も昼ごはんにすることにして、お湯を沸かした。スープを飲む。みながパンやおにぎりを頬張る中、テラオカさんはカップラーメンも食べていた。ついでにウィスキーも一杯。山の水で割ったウィスキーは格別だ。
13:10に出発。ここから登りが続く。森の中を歩く。何組ものパーティーが、天気最高でした、と言いながら下りてくる。稜線はあまり見えないが、最高の天気であることは確か。先ほど飲んだウィスキーが響いてか、フラフラしている。ゆっくりと登る。やがて稜線の素晴らしい景色が見えてくる。陽に照らされた岩肌が輝いている。かっこいいなぁ。
14:35に赤岩の頭に到着。10分休憩。南八の主稜線はもちろん(写真)、北八ヶ岳の山々も見渡せる。が、西からは雲の塊が近づいている。こりゃ、ガスるなぁと思いながら先に進む。赤岩の頭から先は樹林限界。ざれた道を歩く。案の定、ガスがかかり硫黄岳山頂(2760m)では、残念ながら何も見えなくなった。15:10。集合写真をとってから休憩。寒いので雨具の上を着る。爆裂火口を除いてからさっさと硫黄岳山荘に向かう。15:35に無事山荘に到着。手続きを済ませて、部屋へ。
今回は個室(6畳)を取ることが出来た(+3000円)。食事前に早速宴会。やっぱり山の上のビールはうまい。標高が高い(2650m)ためか、酔いも早い気がしていた。17:30から晩御飯。ご飯みそ汁に唐揚げ・太刀魚・ちくわ・豆腐・ブロッコリー・杏仁豆腐他と割と豪華な感じで美味しかった。部屋に戻ってからは再び宴会。かつて沖縄勤務を経験しているハヤカワさんは途中からウトウトしていたが、沖縄を話題に出すと急に起きてきた。いろいろな話に花が咲く。消灯時刻の8時ごろにお開きとなった。酔いもあって僕は早々に熟睡した。


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