かぐらスキー場から雁ヶ峰 山スキー

4月13日にみつまた・かぐらスキー場に一緒にスキーに行くのはいかが?とのお誘いをナカザワさんから受けた。それに対して、前から行ってみたかった“かぐらエリアの最上部リフト→神楽ヶ峰→雁ヶ峰→みつまたエリア”のツアーコースに(独自に)行っていいなら行きたいです、と何ともわがままな返事をしたところ、それでもいいですよ、とのこと。そんなことで企画を組んだところ、先月一緒に山スキーに行ったツージーさんとカナハナさんが参加することになり、地図・装備表・登山計画書を整えた。
今朝は朝4時に起きて準備を整え、家を出る。6:11に航空公園駅に集合。ナカザワさんの車に荷物を積んで出発。上越に向かう。関越道には、三芳SAのスマートICから乗った。車は多いが渋滞にはなっていない。天候は晴れ。気持ちが高なる。赤城高原SAで休憩。パンを買って、朝ご飯代わりにした。
越後湯沢駅で、寝坊して新幹線でリカバリーしたミナミさんが合流(山スキーではなく、スキー場でスキー練習)し、みつまたステーションに向かう。と、満車で、田代ステーションに向かって下さい、とのこと。あららららら。昨日雪が降ってさらに今日の天気は晴れという好コンディションの中、滑り収めをしようという人が多かったのか。それにしてもこんなに混んでいるとは思わなかった。これだと入山がかなり遅くなるので、大丈夫かなぁ、間に合うかなぁという気持ちが沸々と芽生えてきた。
9:10に田代ステーションに到着。こちらもかなりの車が入っている。準備を整え、リフト券を買うのに並び、さらに田代ロープウェーに乗るのにかなり並んで、10:15ようやくスキー場に到着。
田代エリアからかぐらエリアの最上部に向かう。田代第1ゲレンデで下り、第3ロマンスリフトに乗る。のんびりしたリフトにやきもきするが、晴天下の景色はすばらしい。しらかばコースを下る。途中何でもないところで板が引っ掛かって大転倒。こんな緩いコースでこけるなんて10年以上なかったかも。いやはや。その後田代第1高速リフトに乗る。田代湖コースを下って、田代第6ロマンスリフトに乗る。かもしかコースを下って、田代第8ロマンスリフトに乗る。そしてかぐら連絡コースを下って、パノラマコースからジャイアントコースの途中に出るショートカットをつないで、かぐら第1高速リフトに到着。リフトの途中から見える沢には雪崩の跡が目立つ。さらにかぐら第5ロマンスリフトに乗る。そして11:45ごろようやくかぐらエリアの最上部に到着した。乗り継いだリフトの数は6つ。既に十分滑った気になった。そして、出発時間が遅くなったことへの不安が募る。途中ショートカットで時間短縮できたのは助かったと思った。ゲレンデマップはこちら(PDF)
さて、第5ロマンスリフトの終点にはゲートがあって、登山届ボックスもある。「この先って登山エリアなの?」「歩くのやだよ」「みんな入っているから大丈夫」「俺はいつでも自己責任だと思っている」「登山届の紙もう残っていないよ」等という声が多数聞こえ、身一つでゲートを越えていくスキーヤースノーボーダーが多数いる中、こちらは重厚な(?)準備を整え、登山届を出した後、11:55にようやく出発。

天気がよく、眺めは最高!谷川岳上越国境の山々が全て見渡せる。先月行った日白山も、巻機山も良く見えている。雪質については、昨日雪が降ったことから表面の10cm程はサラサラとした雪に覆われている。でもトレースもしっかりと出来ていて、中は締まっているのでつぼ足でもさほど埋まらない雪質だった。出発時間が遅くなったこともあって、神楽ヶ峰へのピストンは諦め、1984mの小ピークに向かう。12:25到着。ここから滑り降りていくスキーヤースノーボーダーはたくさんいた。
1984mの小ピークから先は人数が減る。すぐに登り返すのでシールを貼ったまま滑り出す。12:35。斜面が細かく波打っていて滑りにくい。そして何人も滑っているのでガリガリのところもあった。他パーティーの人が板を解放していたが、幸い板はすぐ下で突き刺さって止まる。刺さなければどこまで行っただろうか。慎重に下って1880mのコルまで下り、ここから急斜面を2010mのピークまで登り返す(一番上の写真)。雪は柔らかいので、シールを付けたまま登りきることが出来た。ただ途中で一度ツージーさんが雪が崩れた際にバランスを崩して、ズルズルと2mほど滑る。2010mピークの南東斜面を並んで横切っている4人組パーティーがいたが、雪崩、怖くないのだろうか。同じ斜面をスノーボードで下るパーティーもいたが、雪崩の危険のあるところは間隔をあけながら一人ずつ滑っていたので、これはリスクの低減を図っているのだろう。13:35に2010mピークに到着。
2010mピークでは、プリムス ランチジャグに入れてきたオニオンスープ(市販のオニオンスープに玉ねぎを一つ追加した具だくさんスープ)を飲み、成城石井で買ったチーズケーキを食べた。美味しい。本当にいい天気で360°の大パノラマに見とれる。素晴らしいなぁ。ただ時間はあまりないので、休憩もそこそこに準備を開始。シールを剥がして、サングラスからゴーグルに変え、靴ひもを締め直し、日焼け止めを塗り直す。と、カナハナさんのビンディングが壊れているらしく踵が固定できないと聞いて肝を冷やす。壊れていない方のビンディングと見比べていていると、修理(と言うほどではないですが)方法がわかったので力を入れて試す。上手く行って無事修理完了。ホッと胸をなでおろした。スキー板を履いて、これから滑り出す斜面を見ていると、4名ほど引き連れたガイドの方が話しかけてきた。一緒のコースを下るとのこと。いくつかアドバイスを頂く。また後ほど、と言ってこちらは出発。14:15。
やや硬いがそれほど悪くない雪質の中を滑りこむ。この先はぐっと人数が減っていて、まだ荒らされていない斜面に各々のシュプールを刻み込む。楽しい!でもちょっと油断すると足をとられそうにもなるので、慎重にバランスを取った。急斜面の先はオオシラビソの樹林帯に入り、黒岩ノ平に向かうにつれて傾斜が緩くなる。

黒岩ノ平は左に落ちてしまわないように平原の右側を行くのがいい。1770mで東に延びる尾根に引き込まれそうになるがここはコンパスを切りつつ、トレースを辿りつつ北に向かう。雁ヶ峰に向かう尾根筋は、雪庇が出ているので、尾根の左手を緩々と進む。樹林帯の中だが滑りにくいわけではない。2人組のパーティーの方と抜きつ抜かれつ進む。沢を挟んで反対側の斜面にはシュプールがたくさん刻み込まれていて、こんなところも滑る人がいるもんだと思った。
雁ヶ峰手前の1630mのコルには15:10頃到着。少し休憩した後、ツージーさんとカナハナさんはスキーにシールを貼って、僕はスキーを担いで1667mの雁ヶ峰ピークに向かう。15:25に雁ヶ峰に到着。滑降の準備をする。ガイドさんも追い付いてきて話をしていると「関西のどこから来たんですか」と訊かれたので、「三人とも関西出身ですが、今は東京です」とツージーさんが答えていた。お名前を伺うと「タローです」と仰っていた。この人かなぁ?親しみやすい方だった。
さて、15:35に出発。最初は疎林帯を行く。何人も滑っている斜面はガリガリになっていて板がばたついた。さらに雪の表面が硬くなってきていて、外は硬いけど中はグサグサで足を取られる所謂モナカ雪になっていた。この雪質は滑るには難しくて、特に登山靴で滑るのはかなり難しい。幸い、僕の今使っているスキー板は、昨シーズンまで使っていたスキーと比べると幅が増えたのでもぐりこみにくくはなっているのだけど、それでも何度か足を取られて冷やりとした。コンパスを切りながら進むが、ピンクテープもたくさん付いていて、これを辿れば迷うことはない。
1500m〜1480mのところは急傾斜になっていて、ガリガリと雪を削りながら慎重に進む。先月の巻機山で滑り落ちたツージーさんはトラウマ復活でスキーを外して降りていく。ガイドのタローさん率いる一行はここで追い抜いていった。ここから少し先の1400m〜1300mはさらに急な斜面となる。時刻は16:05。スキー場の終了が17時なのであまり時間はない。ここを消耗しながら下るよりは、スキーを脱いでサクッと下った方がいいだろうという判断になり、ザックにスキーをくくりつけてつぼ足で下る。急斜面だが、キックステップはよく効いて、さっくりと下る。そして再びスキーを履くと既に時刻は16:25を回っていた。眼下のスキー場のスキー客が段々と減っていく様子がよくわかった。
この先はすんなり下って、1160mのところで右にぐるりと回り込んで、1110mでゴンドラコースに合流。16:35。無事間に合って本当にホッとした。タイミング良くナカザワさんから電話があって、ようやくスキー場までたどり着いたことと、みつまたステーションに降りることを連絡した。
スキー場を下ってみつまた第3ロマンスリフトに乗り、さらにファミリーコースを下る。その先の下山コースへの進入は16:30までとのことで、仕方なくみつまたロープウェーに乗って無事みつまたステーションにたどり着いた。無事怪我もなく終わって本当にホッとした。
今回の滑りをまとめた動画はこちら(YouTube)
30分ほどして、田代ステーションからみつまたステーションに迎えに来てくれた(感謝m(_ _)m)ナカザワさんの車に乗って、苗場の雪ささの湯に行く。茶褐色のにごり湯でポカポカと温まる。下部の悪雪に力を入れ続けた足の筋肉をゆったりとほぐしていく。気持ちがいい。鉄分を含んだお湯も良かったし、露天風呂もなかなか素敵だった。温泉を出た後は、瓶牛乳を飲んだ。うまい!
19:40を過ぎてようやく帰京の途につく。三国峠を越えて月夜野ICから関越道に乗る。昨年1年間復活していたプリンセスプリンセスのコンサートのDVDを観ながら東京に向かう。そして、所沢駅に下ろしてもらった。ありがとうございました。電車を乗り継いで都心に向かう。
晩御飯を食べていなかったので、帰宅後はコンビニで買った蕎麦を食べた。朝4時に起きてから全然寝ていなかったので、流石に眠くて、最低限の片づけをした後、早々に就寝。
前から一度行ってみたいなぁと思っていた、かぐらスキー場から雁ヶ峰に向かうツアーコース。登る距離はさほどないので全然疲れないし、適度な斜面で滑りも面白かった。でも悪天候下で初めてならばちょっと怖いコースかもしれない。また、リフトの乗り継ぎにあれだけ時間がかかって、出発が正午になってしまったのは想定外だった。スキー場は7:30には開くので、このコースに行く際には、雪質の事も考えると出来るだけ早く行った方がいいと思う。いずれにせよ、何はともあれ、天気は最高で眺めもすっごく良くて、その点は大満足。怪我も事故も何もなくて無事終わったのもホッとした。また機会があれば訪れてみたいコースだと思った。
※「リフトで登る日帰り山スキー特選ガイドの掲載コースを参考にした。
※写真付きの記録はこちら(お散歩観察会のページ)