秋川 軍刀利沢遡行 熊倉沢下降 沢登り

今シーズンの沢始めとして、昨年一昨年も訪れて、沢の要素がコンパクトにまとまって練習に最適な軍刀利沢(ぐんだりさわ)を遡行し、熊倉沢左俣を下降するプランを立てた。いや、正直に話すと、仕事が立て込んでいるので新規の沢ルートを設定する余裕がなく、とりあえず体を慣らすために沢に行くべく、このルートを選んだというのが本音のところ。そうは言ってもなかなか素敵なところなので、何度か訪れている沢とは言え、楽しみにしていた。
今回のメンバーは、先月尾瀬に一緒に行ったカナハナさん、ザハくんに加え、新メンバーのハラサワくん。学生時代には沢登りを相当やっていたという期待の新人で、早く一緒に行ってみたいなぁと思っていたところだった。
朝は4時半に起きて準備を済ませ、家を出る。曇天だが雨は降らない予報だった。6:16に立川駅に到着し、五日市線に乗り換える。6:30発の武蔵五日市往きに乗っているとカナハナさんから連絡が入り、1本乗り過ごして30分ほど遅れるとのこと。いやはや。武蔵五日市駅に7時集合で無事到着していたザハくん、ハラサワくんと30分ほどのんびりと駄弁っていた。
カナハナさんが無事到着して、7:40に武蔵五日市駅を出発。ザハくんの愛車FIAT Pandaに乗って奥へと進む。矢沢林道に入り落合橋の100mほど手前の広場に駐車。準備を済ませて、8時10分過ぎに出発した。
林道をテクテクと歩く。思いの外肌寒い。途中皆伐の横を歩く。8:45に軍刀利沢の入渓点に到着。後から男女2人の1パーティーが追い付いてくる。入渓の準備を済ませて、8:55に出発した。
水量はさほど多くはない。ヒタヒタと沢を歩く。緑のトンネル。やっぱり沢はいいなぁと思いながら先へと進む。入口早々のミニゴルジュを越えて、2mの小滝を越えると、3×4m滝、2条4m滝が出てくる。3×4m滝は左から簡単に越えて、2条4m滝は右から巻き気味に登る。簡単。ただ、結構岩が滑っているのが気になった。
先に進む。7月に歩くとクモの巣だらけだったが、今日は何もなくて快適。足跡を見るに、先行者が1〜2名いるようなので、ひょっとしたらクモの巣を除けてくれていのかもしれない。9:10に5m逆くの字滝に到着。左から登る。念のため木を支点にして手がかりロープを出したが、誰も使わなかった。
のんびりとした渓相の中を進むとチョックストーン滝が出てくる。9:20。先頭を行くザハくんがさっくりと越える。若干のっこしに苦労していたカナハナさんにはハーケン支点で手がかりロープを出した。続く8mナメ滝は難しい滝ではないけれど、それなりに高さはあるので念のためロープを出して確保することにした。今月買ったロープの初使用!残置ハーケンとカムを支点に久々の確保をやった。
すぐ上に大滝手前の3m滝、そして2段15m大滝と続く。9:40。ここの標高は680m。大滝は登れないので、左岸を巻き、上部のトラバースは残置ロープにカラビナをかけて慎重に進む。
その先に出てくる5×6m滝も念のためカナハナさんはお助け紐で確保することにした。左から取りついて最後はフリクションを活かしながら登る滝なのだけど、最後の最後で少し苦労していたので、手がかりスリングを出した。
滝が続く。すぐ上のチョックウッドの5m滝も、カナハナさんだけ確保する。最初のところは突っ張り気味に上がり、上段は左から巻き気味に登った。10:10。
その先にある4m滝はちょっと難しいので、僕とカナハナさんは巻いて、上からロープを出してハラサワくんとザハくんがトライする。ハラサワくんはさっくりとクリアー。さすが。ザハくんは中段のところで一度テンションをかけていた。ギュインとお助け紐が伸びる。二度目のトライで無事クリアー。
続いて、6m滝。10:20。割と立っていて高度感を感じる滝だ。まず僕が登る。取りつきのところで滑った岩に足を滑らせてヒヤリとする。でも特に問題なく登り終えて、カナハナさん、ザハくんにはロープを出した。ハラサワくんは要らないだろうと出さなかったけど、やっぱり問題ない模様。これを越えるとへつりの練習に最適な淵が現れる。みなサクサクと越える中、落ちて濡れることを嫌ったカナハナさんは右岸を巻いていた。
古いロープが右壁にかかっている4m滝を越えて、最後の10m滝に到着した。10:45。この滝は難しいので、またまた僕とカナハナさんは右から巻いて、ロープを出して、ハラサワくん、ザハくんにトライしてもらう。結構難儀しているが、細かいホールドを拾いながら二人とも登り切る(写真)。ほ。いい練習になったはず。11:00。
その先は平凡な渓相となって、のんびりと進む。これまであんまり地図を読んでこなかった(?)カナハナさんも地図を熟読して現在地の把握に努めている。なかなか。途中で水を汲む。時々陽が射しこんで沢がまぶしくなる。落ち葉がザクザクした源頭を詰め上がる。12:05に三国峠すぐ横の登山道に出た。軍刀利沢無事終了。
三国峠で昼ごはんにする。お茶を沸かし、成城石井で買ったオレンジケーキを頂く。美味しい。遠くは霞んでいて残念ながら富士山は見えなかった。
12:45に出発。熊倉山方面に向かう。軍刀利神社のあるピークとその先のピークを越えて、熊倉沢左俣東沢の下降点に到着。13時に下降開始。
最初は尾根伝いに歩く。フカフカの落ち葉が気持ちいい。770mの沢の合流点の手前で右側の沢に降り立った。水の涸れた沢を下っていく。標高700mで水が湧きだす。ここで休憩。13:25。その先はスリップに気を付けながら下る。640mで右から沢が合流して沢が大きくなる。その少し先の2段4m滝は左からクライムダウン。ここは何も出さなかった。
その先5m滝は懸垂下降で降りる。ハラサワくんにセッティングをしてもらって、ハラサワくん(YouTube)カナハナさん(YouTube)ザハくん(YouTube)、僕の順で下る。懸垂下降は簡単な技術だけど、支点が抜けたら確実に重症以上の結果につながる技術。そのあたりを解説した。
そのすぐ先に5m滝8m滝が連なる。右岸を巻き下りることも可能だけど、せっかくだからと両方まとめて懸垂下降で降りることにした。まず僕が降りて、その後カナハナさん(YouTube)、ザハくん、ハラサワくん(YouTube)と続く。ロープの長さが足りるかなぁと思っていたけど、まだ十分余っていた。さすが50mあると長いなと思う。
その先は1か所手がかりロープを出した以外はサクサクと下る。途中一か所で足を滑らせて右足から右腕までを強打した。反省。西沢と合流した先にある木道は新しくなっていた。ここで遡行終了。14:55。山道を歩いて下る。林道に出る手前で靴に履き替え、沢タビを洗った。無事遡下降が終了してホッとした。
今回の沢の記録をまとめた動画はこちら(YouTube)
15:10に林道に出て、テクテクと下る。横に流れる沢を除くとヤマメがチラホラ(YouTube)。大きくはないけど結構たくさんいるものだと思った。15:35に落合橋の先の車に戻ってきた。
車に乗って瀬音の湯を目指す。今日はそんなに混んでいなくて特に待たされることなく温泉に浸かる。久々の沢でギシギシ言っていた体をほぐした。山帰りの温泉はやっぱりいいなぁ。
武蔵五日市駅まで車で送ってもらい、解散。みなさんお疲れさまでした。17:44の電車に乗る。立川駅から中央特快に乗ったが、爆睡していて危うく寝過ごすところだった。
家では相方がご飯を作って待っていてくれた。ありがとう。さすがに疲れていて、ご飯を食べたらすぐに眠くなってパタリと倒れる。そこには疲労感とともに今年の沢始めに言ったぞ、という充実感が横たわっていた。


※写真付き記録はこちら(お散歩観察会のページ)