休日 Parc-nature de la Pointe-aux-Prairiesへ

6時半に目覚ましをかけていたのに、二度寝して起きたら8時を回っていた。窓の外を眺める。天気はすごくいい。モソモソとベッドから這い出て、冷凍庫に凍らせてあるトマトスープをレンジに入れて、準備を進める。
今日目指す公園は、モントリオール島のほぼ北端に位置するParc-nature de la Pointe-aux-Prairiesという公園。Wikipediaこちら。事前情報はあまりなし。ただ、公園のウェブサイト(フランス語なので全然理解できないのですが…)を見ると割と自然豊かな公園のようだ。自宅からの距離は約26km。でも出発時刻が遅くなったこともあって、往路は一部地下鉄を使ってショートカットすることにした。
さて、出発。最寄りの地下鉄駅に自転車を持ち込む。

モントリオールの地下鉄は平日の朝と夕方の通勤時間を除き、自転車がそのまま載せられるようになっている(先頭車両に6台のみに限られはするが)。でも実際に載せてみるのは初めて。改札の通り方がわからずにいたが、駅員さんがこっちから入って、と指示してくれた。
地下鉄に乗って、グリーンライン終着駅のHonoré-Beaugrand駅に向かう。駅から先は自転車に乗って進む。

Parc-nature de la Pointe-aux-Prairiesまでの距離は約13km。天気がよく日差しがきつい。旧鉄道敷の横に付けられた自転車道を進む。

時々港町の猫の通路のように細い場所もあるのだけど、快適そのもの。
公園に到着後、案内標識に沿って進むが、最初の分岐を右側に進むと墓地に迷い込んでしまった。森の中の静かな墓地で、平和な雰囲気そのもので素敵だった。引き返して先へと進む。
すぐにビジターセンター(Chalet d'accueil Heritage)が出てきて、中に入って地図を貰う。

公園の地図はこちら。

展示はカタツムリやナメクジを飼育している展示があって面白かった。
ビジターセンターの外に出ると、自転車に乗った男性がフランス語で話しかけてきた。すみません、フランス語わからないのですが…と話をする。この公園に詳しい方(とても美しくていい公園だよと話されていた)で、鳥を見るならやっぱり4月〜6月かなぁと教えてくれる。鳥を見るのにはここがいいよ、といろいろポイントを教えてくれた。三ヶ月前からモントリオールに住んでいて、しばらくこちらにいる予定ですと話をすると、じゃあフランス語を覚えなきゃね、と話されていた。アドバイスありがとうございます。
ビジターセンターのすぐ横には、歩行者専用のトレイルもあって少しだけ歩く。森の雰囲気はすごくいい。
戻って、自転車に乗って出発!と5分も進まないうちに、鹿の鳴き声のようなものが聞こえて立ち止まる。

近くの藪の中だ。でもほ乳類がいるようには見えないが…どこだろう…と、思っていると、目に飛び込んできた光景にびっくりする。なんとトレイルの横でヘビがカエルを飲み込もうとしていて、その絶体絶命状態にあるカエルの叫び声が、先ほど聞いた鳴き声だった!可哀想な気もしたが、これは自然の摂理。手を出さず、でも10日前に買ったズームカメラを持って何枚も写真を撮る。カエルを咥えながら、こちらを睨みつけているヘビ。徐々にカエルが口の中へと入って行く。

動画はこちら(YouTube)

少し距離を撮って撮影していたのだけど、突然カエルが放たれ、苦々しそうな表情とともにヘビは薮の中へと消えて行った。カメラのレンズに長時間さらされて危険を感じたのだろうか。一方のカエルはあっという間にトレイルをぴょんぴょんと飛び跳ねながら横切り、5m程離れた反対側の藪の中へと消えた。どちらも一瞬の出来事だった。ただ、一つだけ言えているのは、絶体絶命状態のカエルはヘビに食べられずに生き延びたということ。
その先の雰囲気のよい森の中を進む。途中に湿地があって、トンボが遊んでいた。



さらにしばらく進むとトレイルの側で大型動物の気配を感じて急停車。シカがいた。シッポが長いのがかわいい。カナダに来てから初めてみた大型の野生動物(これまではせいぜいアライグマを見たぐらい)。

プレリー川沿いの公園に行く前に、Secteur du Bois-de-la-Reparationという公園の一画へと進む。ここもなかなか素敵な森がある。

高速道路を越えて、プレリー川沿いの公園に向かう。見晴らしの良い草原では、小鳥をたくさん見ることが出来た。



プレリー川沿いに少し進んで、Secteur des Maraisと名付けられた一画に到着。ここには大きな池があって、湿原・湿地好きな人にはなかなかたまらない場所だと思う。



すぐ近くに別のビジターセンター(Pacillon des Marais)があって、中を見学。

展示は壊れているものも結構あった(ボタンを押しても音が出ない、レンズが外れている、等)が、昆虫展示が割と面白い。この二階は展望台になっている。特に池が見えるでもなくただ森が広がっているだけで、しかも解説板も何も無いのだけど、何となく雰囲気はいい。
この先は間もなく公園の終わり。プレリー川の川辺近くの道路に出る。せっかくなのでモントリオール島の最北端にある公園に行きたくなった。シャルル=ド・ゴール橋を左手に眺めつつ、自転車道を走り、その先で内陸部に入って行く。自転車道が続いて快適。やがてセントローレンス川沿いに着いて、そのまま北上。広い庭を持つ住宅街を少し走って、無事ブ=ド=リル公園(Parc du Bout-de-l'Île)に到着。小さな公園だけど、ベンチ・テーブルが割と豊富で、くつろいでいるサイクリストが何組もいた。特に北端を記念するようなオブジェも何もなかったのだけど、眼前に広がる川面を眺めながら、不思議としばし感慨に浸っていた。

さて、その後は、帰路につく。線路沿いの猫の通り道のような自転車道を抜ける。車が近寄れないその雰囲気が良い。途中で日本の三光鳥のような鳴き声で鳴く鳥を見つけたのだけど、写真に捉えられず。残念無念。線路沿いには朝顔がたくさん咲いていた。Parc-nature de la Pointe-aux-Prairiesの東側の一画に接するところで、シマリスクロリスを見つけて写真と動画に納める。よしよし。

その先の公園の最東端(セントローレンス川側)に来ると、テーブルとベンチがある広場になっていたので、ここで休憩して、家から持参した昼食(トマトスープとご飯)を食べた。日差しがきつく木陰が気持ちいい。でもボーッとしていたらいつの間にかやってきた蚊に刺されてしまった。いやはや。
その後は、約26km先の自宅を目指してセントローレンス川の左岸を南下する。先月イル=ド=ブッシュビル州立公園(Îles-de-Boucherville National Park)に行く際にフェリーに乗ったカプチュール=デタン=アラン公園(Parc de la Capture-d'Ethan-Allen)の先は、知った道となる。そうそう、所々の大きめの交差点で、歩行者用の信号機が青にならずにサイクリストが増えて行く交差点があるのだけど、そうしたところではわかりにくく、信号を変える押しボタンがあることに最近になってようやく気がついた。今日も随分とサイクリストが集まってしまっている信号があって、皆どうやって渡ろうかとキョロキョロしていたのだけど、僕がボタンを押したら10秒もしないうちに信号が変わって、人が掃けて行った交差点もあった。少しずつこの街の掟(?)に慣れつつあるところ。

今回訪れた公園の様子をまとめた動画はこちら(YouTube)

森の雰囲気もよく、湿地もきれいで、素敵な公園だった。ただ、ダウンタウンの中心から見れば、割と遠いところになるので、マイナーと言えば比較的マイナーなのかもしれない。春先の鳥が多い季節に再訪したい公園だった。