朝起きて

六時に行動観察終了。急いで片付け、七時半前に宿舎に戻り、八時二十分ぐらいに宿舎を飛び出す。雁坂トンネルを越えて塩山を目指す。もっと早い時間に出発しても良かったのだけど、財布の中にお金が全然入っていなくて、とりあえず九時に塩山市の駅前の郵便局のATMでお金を下ろすという計画を立て、それに合わせて行動した。
天気は非常にいい。雁坂トンネルはひたすら真直ぐだ。バイクで560円なり。財布にはもう千円も入っていなかった。塩山市の郵便局に九時五分に着く。お金を下ろして、ガソリンを入れ、コンビニでおにぎりとパンと飲み物を買って、青梅街道を走る。柳沢峠越え、後方には富士山。夏の空気。そして多摩川最源流域へ。今回は以前やっていた多地点調査の続き。
一之瀬方面の沢を見に行く。なかなか道も細くて、閉ざされた集落だった。この辺は花崗岩地帯なのだけど、最近加賀谷先生に花崗岩地帯の沢の落葉リター動態は独特だ、と話を聞いていて、そういう視点で沢を見ると、その独特さに驚き、そして面白いと思った。一地点目を回り、次の地点へ。張ってあるロープをくぐり抜け、荒れた道を進む。セロー(バイク、オフロード車)に乗っていて良かった、と思える瞬間。そういえば昨日、一昨日は、林道で少々バイクを飛ばし過ぎていて、カーブでの減速がぎりぎりでひやりとしたのを思い出す。
二地点目に調査道具を忘れつつ、三地点目に向かう。今度は泉水谷の奥に向かう。同じく泉水谷で四地点目のサンプリング。今までオンダケトビケラというのは見ていなかったのだけど、花崗岩の風化物であるマサ(真砂)の黄鉄鉱の破片と石英をまとった小さなトビケラたちは、木々が生い茂りどんよりとした沢の片隅で、きらきらときらめきながら動き、その美しさに見とれてしまった。
泉水谷の林道の最奥に近い場所を18時半過ぎに出発した。少しばかり荒れた林道を走り、三条新橋、丹波山村奥多摩湖奥多摩、青梅とバイクを走らせて、そして新宿経由、大学に九時を過ぎて戻ってくる。いろいろあった、そして考え事、悩み事多き一週間だった。
大学では同学科の友人を誘ってハンバーガーを食べに行く。戻ってきて、家に帰ると、倒れるようにして寝た。