朝風呂

空知川上流部

今回乗ったフェリーでは朝六時から風呂に入れるので、朝一で風呂に入りに行った。研究室で風邪をひいていた人がいたのだけど、うつされたのか、昨夜から喉が痛い。サウナに入って喉の痛みを和らげたかった。浴場は朝日が差し込み明るく、何だか非常に嬉しかった。横にいたおじさんに「朝から風呂に入れるなんて幸せですねぇ」と話したりしてみる。大洋を眺めながら風呂に入っているとさっきのおじさんが話し掛けてきた。仲良くなり、そのまま朝食をご馳走になる。どこそこの会社の取締り役をやっているのだけど、船室は二等で、僕が二等寝台で寝ているというと、贅沢だなぁ、と言っていた。いろいろ話をする。政治の話(田中角栄とか)から、日本の自然、旅、そして中国の経済のことまで。なかなか面白いおじさんだった。なんだかんだで昼食もご馳走になる。ご馳走様です。昼食は他にそのおじさんと話をしていた若者一人も加わる。16歳から北海道をバイクで周る。諸事情あって高校は三回変わった。逞しいな、そう思った。僕とは違う生き方だけど、面白そうな生き方だ。
何だかんだであっという間にお昼になり、フェリーは苫小牧港に入港し、旅人はそれぞれの場所へと旅立っていく。