何でもない夜の呟き

スーパーに歩いて買い物に行き、野菜、豚ホルモン、鶏肉のハーブ焼、オレンジジュース、スゴイダイズ、といろいろ買って、帰路につく。武蔵野の雑木林の小さな公園の横を通り過ぎる。草木は夏の生い茂り。月がきれいだった。その月に照らされた木の葉の暗さ。
家では先日買った中華鍋で焼そばを作り、ホルモンを炒めた。懐かしさあって、ホルモンを買った。秩父ではホルモンが名物で、秩父の調査のときはよく買っていって、調査が終わって、濡れて帰ってきた後、一人宿舎で食べていたんだ。一年前、僕は何をしていたんだろう、と日記を読み返すと、秩父で調査の準備をしていたことが書かれていた。あの日は崩れてきていた岩を一緒にどけたぞ。他にも数箇所崩れていたなぁ。増水進む川の中で一日中来週の実験の準備をしていた。あの時はまだ、今こんな生活になるなんて、夢にも思わず、ただ、ぼんやりと先を見つめていた。いろいろな夢があったさ。今ももちろんあるさ。大きな目標は昔からシンプルだ。それを少しでも叶えたく、これからも過ごしていくのさ。
先週の研修中は一滴も酒を飲まなかったのに、帰ってきて家で飲んでしまった。気の緩んだ体に、すぐに染み渡って、わずかな量で程よく酔っぱらった。よくないな。ぼんやりいろいろなことを考えていると、早くも山積みになったプリント類の下から、昨年の面接カードが見えて、そこに書かれていることを読み直してみる。自分の性格について書く欄に、三つ、書いてある言葉があった。それは自分で考えたわけではなくて、多分、僕のことをよく知っているだろうと思われる人に聞いたとき、その三つがすぐに返ってきた。それを書いただけ。自分自身、ひねくれている所もあるのだけど、他人から見て、自分がそんな風にも評価してもらえるのかと思ったときは、なんだか非常に嬉しかった気がする。それを他の友人に見せるて、確かにお前の性格を要約すればそうかもしれない、と言われたときは、さらに嬉しかったっけ。そんなこと、いろんなこと考えていると、頭がぼんやりしてきて混乱し、仕方がないのでもう一本、ビールをあけてみた。
深夜、研究室の後輩と久々話をした。みんなそれぞれの場所で元気にしているみたい。よかった。
疲れていたのか、途中から記憶がない。いつの間にか畳の上で、何も被らず、寝てしまっていた。