久々、はっきりと夢を見ていた。不思議な世界だった。淡々とした日常と、非現実の狭間に自分はいた。夢の最後が強い印象を残していた。大切なものがそこにはあった。この手の中にあった。それがいつの間にか摩り替わってしまっていた。自分も気がつかない。記憶も書き換わっていた。その前にある記憶が徐々にゆっくりと書き換わっていく。目が覚め、しばらく考えた後でようやく摩り替わっていたことに気がつく。もしかしたらそれは別々のものではなく、元をたどれば同じものだったのかもしれない。書き換わっていく記憶の中では、異なるものへの変化というより、一体だった。そして変化していたものもまた大切なものであった。
はっきりと目を覚まし、自分の今見ていた世界を振り返る。いろいろな感情が錯綜して、少々の混乱。それは、願望なのだろうか?内面の葛藤?不思議な気分に浸る。時刻は朝の七時前。起きねば、寒い朝の空気に身を引き締め、さっさと着替えて家を出た。