月曜日

七時過ぎのバスに乗って朝七時半に職場に行く。今日の夕方から出張なのにまだ資料が出来ていない。ナカヤマさんも早くやってきた。八時を過ぎてからは新聞の切り抜き、そのうちみんな集まり始める。
十一時から今年度二回目の管内会議。所長から半時間ほど説明を受ける。話の持って行き方、話し方が上手いなと思う。
昼は時間がないので1階にある食堂で食べた。
午後作った資料を次長に渡し、その後直しをして、四時に職場を出る。明日函館である打ち合わせに出るために今夜出発。経費削減のため、電車で行く。釧路⇔函館は飛行機も一日一便しかなくて、どちらにせよ一泊する必要があるのだが、飛行機の片道代金+1,000円ほどの金額で、往復+ホテル代が同じぐらい。ただし、往復13時間を超えるので、体にはそんなに優しくない。その分、本がたくさん読めるが。
ニセコの雪崩対策+知床のシーカヤックツアーで有名な新谷暁生さんの書いた「バトル・オブ・アリューシャン」を読む。ケープホーン(南米の先端)や、アリューシャン列島のシーカヤックの話なのだが、冒険の中にある孤独感・不安感・緊張感、そうしたものがひしひしと伝わってきて、また、そこにある大地の持つ記憶に深い感銘を受ける。
旅の初めはやたらと緊張するもの、でもいざ旅に出てしまうとそうした不安は去り、旅がやがて、日常となる、昔はそう思っていたし、実際そうだった。が、昨年の三月にやった大峰山の単独縦走は旅の中にあって緊張感に押し潰されそうになっていた。これまでも短期間(1〜2日間)であれば強い緊張感に包まれるものがあったが、まるまる一週間緊張の中にいて、歩きながら胸に手を置いて緊張感をほぐしたのはあの時が初めてだった。その時の感情と被るものがこの本には書かれていて、そこにある光景・小宇宙に思いを馳せる。
僕にはいきなり大冒険が出来る力はない。一歩一歩経験を積み重ねて、その上でほんのちょびっと冒険をして、一段上のレベルにたどり着き、それ繰り返していくだけ。亀のように歩みは遅いけど、外に頼ることなく自らの手でレベルを上げてきたのは楽しかったの一言。昔やった冒険、それは山一つ超えた海岸に一人で行ったことであり、初めての自転車旅行であり、キャンプ道具を背負っての初めてのトレッキングであったが、今では何でもないことなのだけど、その時は本当に大冒険だった。
のんびりしていてはいつの間にか想像以上に歳をとってしまっていずれ動けなくなりそうだが、これからもじっくり経験を重ねて、そしてその時々の冒険していくだけ。楽しい冒険がこれからも出来ればいいな。
一人自然の中に身を置き、そこにある自然の大きさと己の小ささに触れ、緊張感に押し潰されそうになったことのある方なら是非読んでみてください。
夜の十時四十分過ぎにようやく函館到着。ビジネスホテルが意外と遠くて、でものんびり歩いていった。函館は暖かく、春の香りがした。
ホテルに荷物を置いてから「しお屋」というラーメン屋さんに行き、塩ラーメンを食べる。どんな特徴があるのか、と言われると良くわからないのだけど、あっさりしていて、麺も美味しく、どこか懐かしい味で美味しかった。
おやすみなさい。