屈斜路湖、和琴半島

和琴半島にて。オッターに乗る。パドル

起きるとひどい二日酔いだった。そしてもう九時過ぎだった。カヌーに行くのをやめようか悩んだが、車に既に積んであったのでせっかくだからと行くことにした。
昨晩は、僕の家で鍋パーティーをやった。11/23に一念発起して部屋を片付けた。僕の家が片付かないのは、収納ボックスがあまりないことだ、との指摘を受け、BeBoxという名の大きめのメッシュボックスを9つ買ってきた。さらに小さいBeBoxも8個買ってきた。それでとにかく整理していくと、何とか片付いた。そして大変きれいになった。部屋がきれいって素晴らしい!家にいるのが急に楽しくなる。
さらには先日22日に購入したばかりのプリンター(Canon Pixus iP90)も開けて、お気に入りの写真を何枚かプリント。これまでプリンターを持っていなかった。家でそんなにプリントアウトすることはないと思うのだけど、たまにプリントアウトしたくなる時があった。あと、出張先でプリントアウトしたくなる時が結構あった。それで今回購入したプリンターはモバイル仕様。重量1.8kgで非常に小さい。これで検討会の資料作りを検討会ギリギリまで作成可能となる。はっはっは。買ってきたプリンターを見て、所長は「仕事し過ぎないように」と笑っていっていた。ほどほどに頑張ります。
そんな何だかんだで、最近は家にいることが楽しくなった。残業していてあまり家にはいないのだけど。
そんな何だかんだでウキウキしていたので、職場の方々を呼んでパーティーをしたのだった。牡蠣鍋会を考えていたのだけど、参加者の一人が牡蠣が苦手と聞き、悩んだ末、常夜(じょうや)鍋会となった。一人当たり、150gの豚肉と一束のほうれん草を買ってくる。ポカポカと温まり美味しかった。夕方から始まったその平和な鍋会はなんと深夜二時まで続き、ビールに加え、ワイン、焼酎、ウィスキーと少々飲み過ぎた。翌日カヌーに行く気でいたからセーブしておけばよかったものの、自分の家ということもあり、油断していた。
最近、飲んだ翌日に残っていたアルコールで飲酒運転で捕まったというニュースをよく聞く。酔っているわけではないのだけど、今検査されればちょっとやばいかも・・・そんなことを考えつつ、屈斜路湖に向かった。
昼ごろ屈斜路湖畔に着く。今回持ってきたカヌーは、オールドタウンのオッターというレジャーカヌーだ。ポリエチレン製の全長290cm、幅72cmの小柄なカヌーだが安定性と直進性はいい。僕のものだが、自分ではほとんど漕いでいない。このカヌーは「餌」として7月に4万円で購入したものだ。「餌」というのは、本州と違い北海道にいると、川下りの際線路沿いに川があるわけではないので、一緒に行ってくれる人がいないと車の回収が面倒になる。それで、誰かしら車で一緒に来てもらうために、その「餌」として購入したもの。以降、結構な回数が使われているのだけど、僕自身が使ったことはまだほとんどない。
毎回、組み立てカヌーを持って行っていて、これは慣れてしまうとそれほどでもないのだけど、やっぱり組み立ては面倒だ。特に寒くなってきたので、ファルトは硬くなって組み立て辛い。そんなことで、今回は一人のんびりゆったりまったり過ごすために、オッターを持ってきたのだった。
屈斜路湖の和琴半島の湖畔にカヌーを下ろす。岸際に夏場は人が溢れているが、今日はほとんどいなかった。水遊びしている人は皆無で釣り人が何名か。後は温泉の見物+入りに来た人ぐらい。二日酔いで気持ち悪かったのだが、ようやく回復してきていた。ドライスーツを着たりすることもなく、靴も普段履いているもののまま、カヌーに乗って、半島先端のオヤコツ地獄を目指す。
湖面には白鳥がいた。かなりの距離があるものの、漕いでいると進行方向にいた群れは逃げていった。晴れた天気。でも正午過ぎだというのに日差しが弱い。まだ湖畔や周辺の山は白くなっていないが、斜面の日陰には少し雪が残っている。屈斜路湖の透明感は健在だった。空気はひんやりしているが、日差しは弱いが、それでもポカポカした気分になる。ひっそりとした湖面。モータボートに乗っている人もいなかった。時折白鳥の鳴き声が響く。和琴半島の森もすっかり葉が落ち、灰色っぽい森に、針葉樹の緑がアクセントを加えている。高く舞う猛禽はオジロワシだ。その下にはカラスがあたふたと飛んでいる。2/3進んだところで、マスが1m跳ねた。静かだった湖面に、1輪の波紋が広がる。
いいなぁ。
遠くを見ると真っ白い山。名峰斜里岳。この山は7月の初めに登ったが、いい山だった。朝四時十五分に出て、休憩なしで六時三十分に山頂に到着。30分のんびりした後、9時前に帰ってきた。沢沿いのコースで楽しい。しばらく沢登りしていないなぁ。また沢に行きたい。
今回使ったパドルは、10月に購入したニンバスのスクアミッシュ(235cm)。アンフェザー(左右のブレードに角度を付けない)で漕いだ。シャキッ、シャキッと漕いでいく。漕ぎやすいし、一漕ぎ一漕ぎが軽快で疲れないから、のんびりとした時を過ごすにはいいパドルだと思う。鼻歌を歌いながら、先端を目指す。
先端部のオヤコツ地獄では、足湯に浸かろうと思っていたのだけど、今日の屈斜路湖の水位は高く、露天風呂部分が水の中だった。代わりに前はガスが噴いていたところが、お湯も勢い良く飛ばしていた。水位が変わるとこうなるのだなと思った。足湯は諦めたが、しばらくその地熱豊かな場所でのんびり過ごす。贅沢な時間だ。水中からボコボコ沸いているところがあって、動画に収める。大地の脈動。感じるにはいい場所だ。阿寒国立公園は昭和9年に指定された最も古い国立公園の一つだが、噛み締めれば噛み締めるほど、やっぱりいい場所だなと思う。屈斜路湖畔の建物の少なさも、本州から来た人間にしてみれば感動的だ。昔良く選んだなと思う。ただ、古いだけあって長い年月を通した様々な問題も持つ。そこを見据えながらも、この自然は残していきたい。
帰りはまた来た道を戻った。途中、一つ隣の湾による。そこで久々のセルフポートレート。カメラをセットしてセルフタイマーにして、カヌーを漕いでいる自分の写真と動画を撮る。割とうまくいった。
帰り道は、ちょうど太陽光に向かうこととなったので、眩しかった。岸際には釣り人が2名。そして和琴半島の探勝路を歩く家族連れの方が一組いた。
戻ってきて、カヌーを車のキャリアに積み込み、それから美幌峠に行った。きれいなところだから行くべし、と聞きながら、まだ行ったことがなかった。美幌峠からの眺めはなかなかのものだった。パラグライダーが空を舞う。後方には屈斜路湖の中島、和琴半島。そして奥には、摩周湖の外輪山、左手には雪を湛えた斜里岳、海別岳(うなべつだけ)。反対側に広がる木のまばらな草原もなかなかのものだった。
満足。
帰りは鶴居村経由で帰ってきた。
翌日、やっていない仕事の量に唖然とし、まだ真っ暗の3時に飛び起きてしまった。焦っても仕方がない、そう思いながら起きて、仕事をやったが、全然何も進まなかった。眠い頭のまま、朝5時半に職場に行き、6時半に職場を出て、斜里町へ出張に出掛けた。