4月

釧路から屋久島へ。直線距離にして1860km。鉄道距離(一部換算)で約3500km。旅費法上、1800km以上の引越し代は一律(そもそもそんな大移動が想定されていない・・・)なので、引越し代が大幅な赤字が必須ということで、少しでも負担を減らすべく、車は自分で持って行くことにした。屋久島に着き、初めは雨ばかりで「月に35日雨が降る・・・」を痛感した。仕事上は時間の流れの違いを感じたが、これから。やるべきことをしっかりやりたい。

4/1 がらんとした部屋。写真をたくさん撮っておいた。二度と見ることのない風景。切ないな。車に荷物を積み込む。いっぱいだ。カヌーショップヒライワに行き、カヌーを受け取る。平岩さんいろいろありがとう。後任も宜しく。家のすぐ横にあった「若草」に行く。釧路湿原のパークボランティアの初代会長のおばちゃんが来ていて隣の席になったので話をした。うどんは美味しかった。ご馳走様です。午後、職場へ。仕事をする。終わらない。でも頑張る。結局寝たのは朝の五時過ぎだった。
4/2 朝七時前に起きた。二時間睡眠。残してある仕事を片付ける。机も片付ける。机は何とか渡せる状態まできれいにしたぞ。雪降り続く。九時半に職場を出る。最後に写真を撮った。ありがとうございました。雪降り続く釧路。レガシィに乗って、いざ出発。目指すは屋久島!今日は苫小牧港まで。道すがら、懐かしさに溢れた。道の駅恋問でチーズを買って食べる。美味しかった。ずっと考え事をしながら運転していた。ここ三ヶ月あまりは、いろいろ家族のことを考えさせられる時だった。浦幌を過ぎ、大樹町、雪景色の天馬街道を通り、浦河へと抜け、苫小牧へ。何度か通ったことのある道。過去はバイクでばっかりだったな。その時々の自分を、景色の中に描く。あの頃思い描いた自分であるのだろうか?苫小牧には三時過ぎに着いた。今回、大洗行きの便が取れなくて、仙台行きのフェリーに乗る。待ち時間は引継ぎ書を書く。同じく転勤となったモリカワ補佐も一緒の便で、フェリーでは一杯やった。いい気分で酔うことが出来た。さようなら北海道。また来る日まで。
4/3 朝食付きのチケットを買っていたので、豪華な朝食を頂く。太平洋フェリーは小奇麗で快適で好印象。ただし、二等寝台にはコンセントがなかった。携帯の充電が寝ている部屋で出来ないのが唯一の難点か?仙台港に朝到着。本州上陸。意外と寒かった。それから高速道路に乗って東京へ。遠かった。川口Jctから首都高に乗って、王子北ICで降りた。大学の研究室に顔を出す。加賀谷先生はいなかった。残念。会いたかった人が何人かいたが、みんな学会等で外に出てしまっていた。残念無念。ワンゲルの同輩のハヤシは連絡がついて、羅臼海洋深層水焼酎をお土産としてプレゼントした。その後はさかいやスポーツで買い物。山道具を買い込む。時間を見て、先に進む。霞ヶ関の職場のあるビルの横を通った。良くも悪くも四月からはここだと思っていたのだけどなぁ、屋久島に行けるのは無茶苦茶嬉しいけど。夜は筑前煮を食べた。美味しかった。
4/4 早朝五時半に出発した。東名高速に乗り、レガシィを快適に飛ばす。富士川SAで最初の休憩。寝不足か、若干フラフラしている。ガムを噛み、コーヒーを飲む。その後も運転し続け、大阪に到着。姉に会った。職場のビルを見上げた。大きかった。昼食を一緒に食べる。美味しかった。大阪の土地勘はまったくないので、高速道路の姉貴ナビは助かった。大阪港の南港のカモメフェリーターミナルに行く。1999年、18歳の秋、宗谷岬佐多岬の日本列島縦断自転車旅行(総走行距離3200km、3週間強)を終え、鹿児島県の志布志港からフェリーに乗って戻ってきたのがここかもめフェリーターミナルだった。懐かしさで一杯になる。今日はここから宮崎行きのフェリーに乗る。姉貴見送りThanks! 日が暮れてから出港。広がる夜景。またね、本州。夕食はパンとカップラーメンで済ませた。
4/5 朝宮崎に到着。晴れ渡る。広がる九州の大地。流石に暖かい。宮崎から、高速道路に乗って、熊本へ。熊本にある事務所に挨拶に行く。昼食を一緒に食べた後、午後打ち合わせ。仕事の概要を聞く。なるほど。面白そうだ。夕方出発。途中、熊本スバルに寄りレガシィのエンジンオイル交換。高かった。釧路スバルは安かったのにな。その後は鹿児島へ。フェリー埠頭に車を入れてしまって良いものか悩んでいたが、近くの駐車場を管理しているおじさんに聞いたら、券をくれた。これがあると中に入れてしまっても外に出られるらしい。近くのラーメン屋さんでラーメン・餃子を食べる。車に戻り、引継ぎ書を書く。書き終わらん。そして、寝る間際、ビールで乾杯。明日いよいよ屋久島へ。
4/6 朝から引継ぎ書を書いていた。前方には堂々たる桜島。八時半出港のフェリーに乗り、屋久島へ。佐多岬通過の時は懐かしさに浸った。天候は曇り。行く先に、突き上がる大きな島があった。屋久島。左に見える種子島の平坦さと対照的だった。海面を見ているとトビウオが時々飛んでいる。風が強かった。いよいよ屋久島に近づいた。十二時半に入港。屋久島、初上陸。島の車は安全運転だった。世界遺産センターへ。これからしばらく(1年?2年?)お世話になるところだ。この日はガス屋、電気屋いろいろ教えてもらい、転入届、免許住所変更等いろいろやった。夜は、新居で一人乾杯!
4/7 どんよりとした天気。時折雨ぱらつく。朝から片付けをやった。午後、引越しの荷物が届く。はるばる遠くからやってきた荷物。長いものは中学一年生からの付き合いだ。これで生活感が出る。夕方から歓迎会をやってくれた。二次会はカラオケ。最後にヤマザキさんの家に行き、みんなコタツで就寝。
4/8 二日酔いで頭が痛かった。片付け。買出し。午後、雨は降っていたが、早速安房川にカヌーに行った。どんよりとした空。深い淵。不気味だった。しばらく上がって、松峰大橋をくぐりその先まで。なるほど。戻ってきて片付け。生活感が出るにはまだしばらくかかりそう。
4/9 挨拶回り。モッチョム岳の岩肌、永田浜白い砂の美しさに感動。
4/12 熊本の事務所から所長とハヤミズさんがやってきた。夜、ささやかな懇親会。
4/13 早速宮之浦岳に行くことになった。所長、ハヤミズさん、ナガオカさん、僕の四人で淀川登山口から出発。木が太い。森の美しさ。曇天だったが、森は素晴らしかった。屋久島の高標高地域はナウシカに出てきそうな景色。巨神兵の化石というか、そういうイメージが沸きそうな花崗岩の巨石・奇石がゴロゴロしている。七時に登山口を出発して、十時半に山頂到着。帰りものんびり歩き、戻ってくる。夕方から、安房区の歓迎会。区で歓迎会があるなんてすごいな。参加。警察の方々を見て、今日山頂であったことを思い出す。山岳訓練をしていたよう。解散後、所長達と合流。行った店で屋久杉の携帯ストラップを頂いた。
4/14 3/30に霧島屋久国立公園編入された口永良島の記念式典に出席するため、口永良島へ。フェリーで向かうはずだったが、東京から来る課長が飛行機トラブルのため前日来れなかったので、僕と課長は永田港からチャーターした漁船で向かうことになった。漁船は揺れた。楽しくもあり、海水を思いっきり被り、それは大変だった。途中イルカの群に会う。口永良島はほのぼのとした島。のんびり感が漂う。港には迎えの軽トラが来ていて、その荷台に乗って式典会場の体育館に行った。島の伝統芸能の後、式典、祝辞、記念講演。式典後は祝賀会で島の料理をたらふくいただく。ご馳走様でした。帰りも漁船(フェリーが一日一便のため、漁船を使わないと日帰りできない)。行きと違って随分穏やかになっていた。永田集落からは、秀峰、永田岳、その岩壁が良く見えた。歩道を一箇所見学してから、空港に送り、そして事務所に戻ってきた。
4/15 雨降る中、屋久島を車で一周した。ウミガメ館では、二時間半も話をしてくれた。夕方、届いたバイクを取りに宮之浦に行った。愛車セローは、一発でエンジンがかかった。よしよし。屋久島でバイクに乗れるなんて嬉しいな。
4/17 事務所職員計4名で宮之浦縦走。淀川登山口から宮之浦岳を越えて新高塚小屋で一泊し、翌日縄文杉を経て荒川登山口へ。初日は天気がよく素晴らしかった。永田岳にも行く。永田集落を望む谷は雲がかかり、何も見えず。残念。うっすらと見える障子岳。ワンゲルの後輩が行った山だ。いつか行ってみたいなと思う。新高塚小屋では、三重県在住で熊野古道をよく歩いているという中高年グループに遭遇した。夜はレトルトカレーとつまみ多数。鼾が煩くて快適には眠れず。夜、雨が降り始める。
4/18 雨の中出発。いよいよ縄文杉とご対面。雨の中。周囲が刈り払われてなんだか寂しい。雨のウィルソン株。歩き続けて荒川登山口へ。縄文杉との初対面は、思っていたほどの感動がなかった。天気が悪すぎたせいかもしれない。でも圧倒的長寿の生命への畏敬の前に、飼い慣らされた自然への醒めた目線があった。
4/19 事務補佐さんから、生のタケノコをいただく。釧路にいた時に買った巨大ステンレス鍋にとぎ汁とタカノツメを入れ、煮込む。茹で上がったタケノコを味噌汁にして食べたが美味しくて、一度で全部平らげた。
4/20 自然保護官3人で夜飲みに行った。夜一時まで飲んでフラフラのまま帰宅する。
4/21 二日酔いの中、モッチョム岳に登りに行く。一緒に行ったフジイ君が自身汗をタラタラかきながら速いペースで登ってくれたので、二日酔いの僕にはそれはそれはきつかった。山頂は霧雨の中。展望が売りの山頂で何も見えない。カップラーメンを食べてから下山。登り2時間弱、下り1時間半の山だった。午後は屋久島の田代海岸と春田浜にバイクで出掛けた。
4/22 自然に親しむ集いで、栗生歩道にいった。参加者がバスに乗って道の悪い林道の奥へ。天気悪く、奥岳の眺望が売りなのに何も見えなかったのは残念無念。ヒカゲノカズラという植物がかわいかった。
4/23-24 熊本に出張に行く。ジェットフォイルに乗り、歩き、路面電車に乗り、新幹線に乗り、特急電車に乗り継ぎ、バスに乗ってようやく熊本の事務所につく。九州新幹線はそのデザイン、特にインテリアが秀逸。和の新幹線。乗る価値あり。夜は懇親会。帰りは鹿児島で好日山荘に寄ってから、帰ってきた。
4/28 ゴールデンウィークダイエット登山第一弾として、愛子岳に行く。登り一時間45分、下り一時間半。標高差1000mを一気に登り詰める。昔はもっと速かったのにな。照葉樹の森が美しい。標高100mごとに看板があって励みになる。ちょっとした岩場を過ぎ、山頂に立つ。山頂からは360度の展望。素晴らしい。しばしぼんやり過ごす。午後は中間にあるフルーツガーデンに行き、熱帯植物の解説を先日自然に親しむ集いで講師をしてもらった方にしてもらった。その後、屋久島にあるマングローブを見る。消え行くマングローブ林。そりゃ川の左岸にあったものを右岸に移したらなくなるだろうな。これが現実。
4/29 ゴールデンウィークダイエット登山第二弾として、太忠岳に行く。屋久杉ランドから入り、途中、天文の森が美しい。ガシガシ登って、天柱石と呼ばれる高さ40mの花崗岩の石柱の下の山頂にたどり着く。登り一時間半チョイ、下りは少し回り道をして2時間。そこから見える森の美しさ、小鳥たちのさえずり、流れていく霧雲。いい所だった。夜はアップルポークシチューなるメニューに挑戦し、惨敗するのであった。
4/30 白菜豚肉煮鍋に挑戦し成功裏に終わる。美味しかった。