6月

雨多き6月の季節。ウミガメ調査を開始する。

6/1 九州弁護士連合会の方が、ラムサール条約湿地である永田浜について話を聞きたいということで、ヤマザキさんと参加して話をし、質問に答える。宮之浦から見える前衛の山を見て、「あれが宮之浦岳ですか?」と質問されていたのが印象的だった。夜は、大澤研の学生さんたちと懇親会。親父キャラをほしいままにしてしまった…気をつけねば…
6/3 環境の日屋久島パークボランティアの会も後援となり、永田四つ瀬浜の清掃を行った。NPO法人屋久島うみがめ館主催で、地元の方々、小中学生、キリンビールの他、24時間TVの撮影もしていて、「愛は地球を救う」と英語で書いた記念Tシャツをもらった。屋久島の登山道のゴミは少ない。でも、海岸は流れ着くゴミがたくさんあって、掃除し甲斐がある。午前中掃除をして午後は一人で春田浜、安房港を彷徨う。
6/6 行政監査のヒアリングがあり、一日中話をする。夜、熊本から来たニシムラ課長にウミガメ調査の話をして、やっていいという了解を取る。
6/7 行政監査のヒアリング二日目。流石に二日間続くとしんどいものがある。
6/9 屋久島パークボランティアの会で黒味岳に至る登山道の清掃を行った。山頂で、今度結婚式がある友人へのビデオレターを作成した。黒味岳にちなんで、あいうえお作文をする。「くろみだけ、く、苦しい時も、ろ、ロマンチックを忘れずに、み、みんなで手を取り合って、だ、誰よりも幸せに、け、結婚おめでとう!!」おめでとう!!夜はヤマザキさんの家で職場の面子が集まりパーティー。奥さんの作った素敵な料理を頂き、ナガオカさんの誕生日を祝い、楽しく過ごす。屋久島は6月に入り、地元の人がナガレムシと呼んでいるシロアリが大量に発生してきた。いっぱいいるので、家が大丈夫かなと思ってしまう。
6/10 一人で塚崎に行き、シュノーケリングを楽しむ。今度結婚する別の友人宛のビデオレターを作成した。職場の隣の建物に勤めているトウゴウさんがダイビングに来ていて、鈍い動きのまま水面下8mを横切っていく。そのまま永田に移動してシーカヤックをするつもりだったが、ライフジャケットを忘れたことに気がついて、一端家に戻り、永田へ。が、波高く風強く、永田川から海岸に出てすぐに永田川に引き返した。永田川を遡り、奥で一人エスキモーロールの練習。これがなかなか出来るもんじゃない。10回ぐらい挑戦したけど、うまくいかなかった。川で漕いでいる時は興味がなかったのだけど、シーカヤックを始めてから是非身に着けたいと考えている技術。しばらく水と戯れてから帰路につく。
6/12 ガイド登録認定の作業部会に出た。議論の内容と進展のなさに、今の屋久島の持つ難しさと闇を見た気がした。
6/13 昼はマイカー規制に関する作業部会があり、夜はガイド部会臨時総会に出た。中傷誹謗の嵐に愕然とした。まとまらない人々の集まり、そう揶揄されるのが理解できる気がした。冷静に聞くと、何が問題なのかが見えてくる。面白いなと思った。そして、このパワーを上手く活かして、屋久島の未来につなげたいとも強く思った夜だった。
6/14 屋久島、雨、降り続く…
6/15 ウミガメのタグ確認+装着調査のノウハウを身に着けるべく、永田浜でうみがめ館の調査に参加した。宮之浦で夕方ご飯を食べた後、永田へ。20時過ぎから調査開始。歩き始めて早々一匹のアカウミガメが産卵していた。初めて見る産卵のために上陸してきた母ガメ。素直に感動した。そして、タグを打ち込む。夜中中歩き回り、ウミガメを探し、タグを確認し、オオムタさんと話をし、堤防から落ちてひっくり返ったままじたばたしていたカメを救出し、としていると気がつけば朝。朝方上陸してきた一頭のウミガメを見送った後、解散。事務所にたどり着くと朝7時。24時間以上覚醒し、一睡もしていないので流石にフラフラ。家に帰ってから熟睡。
6/16 屋久島では磯で採れるトコブシタカラガイ、ジンガサ、カメノテ等を「いそもん(磯物)」と言って、みんなが自由に取って食生活に彩を与えている。大潮の今日、家の近くの春田浜に採りに行く。探すとあったあった、トコブシ。嬉しい。他では潜らないとなかなかいない貝なのに、歩き回って採れるところがすごい。随分減ったらしいが、それでも採れるのは屋久島の宝そのものだと思う。タカラガイを食するのは初めて来た時はびっくりした。殻を割るのにコツが要るが、これもなかなか美味しい貝だ。採った貝はたっぷりのネギと一緒に味噌汁にして食べた。幸せな時。
6/17 朝、ヤマザキさんご夫妻とナガオカさんを誘って、安房川でカヌーをした。ヤマザキご夫妻には二人乗りのカヤックに乗ってもらったのだけど、「1、2」と声をかけながら漕ぐのは横から見ても照れてしまう程幸せな光景だった。午後はナガオカさんを誘って一緒にいそもんを採りに行った。小一時間探して、トコブシを二十数匹採った。味噌汁にして食べる。美味しかった。
6/22 ウィルソン株の手前で登山道を塞ぐように木が倒れている、との連絡を受け、十時を過ぎてから見に行った。雨降る中、8km続くトロッコ道を一時間半で歩き、大株歩道入り口からウィルソン株までも足早に行く。直径25cm程のモミの木が倒れていた。この木は来週処分されることになる。その先、夫婦杉のところまで、バテたフジイ君をウィルソン株に残して走って見に行く。縄文杉まで二時間半のペースだ。なかなか。帰りも足早に戻る。突然のスクランブル巡視だった。
6/23 田代海岸にシーカヤッキングに行った。照りつける太陽がきつく、とにかく暑い。枕状溶岩の横の川から出航し、岩礁をぬって北上する。波は高いわけではないが、穏やかなわけではない。大きなうねりと波に時折肝を冷やしながら進む。愛用のシーカヤックであるアルフェックのエルズミア480はようやくかなり慣れて来て、ふらつくこともなくなり、うねりの中でも安心して乗っていられるようになった。暑くて水を飲むが、デッキの上のペットボトルはすぐに飲み干してしまった。しまった。田代海岸を過ぎ、少し行ったところで引き返す。今の自分では、今日の海模様でまだ先に進むことはできないなと思っていた。戻ってきてから、浜辺でシュノーケリング。川の水が入るところだから上層は靄がかかって全然見通しが効かない。潜って海水だけの層に達すると途端にクリアーな視界となる。丸い岩が転がっている、あまり面白くない海岸だった。帰ってきてから、体重計を買った。釧路にいたときから5kg軽くなっていた。近頃動きやすいわけだ。大分足が軽くなったなと思う。
6/26 エコツー推進協議会として、ガイドの方々を集めて説明し、意見を聞く会議を持った。様々な意見。的を得た意見から筋違いな意見まで。若い方の中に向上心高く持った意見の方がいて、それが救いだった。このパワーを上手く活かせたらな。終わってから、八重岳(ビアガーデン)に行き、事務所員+αで懇親会。ビールが五臓六腑に沁みわったった。
6/27 事務所のファイルの共有化が全然なされていなかった。データはそれぞれの個人パソコンに保存され、データのやり取りはUSBメモリで受け渡し、というひどい状態だったのだが、それを改善すべくLAN接続HDD(NAS)を購入してもらい、そのセッティングをやった。これでようやくデータの共有化がスムーズに図られる。よかったよかった。夜はガイド登録認定の作業部会。いろいろな問題点が自分の中で見え、湧き上がってきて唖然とした。それは至極自然な考え方だと思う。根幹部分、そこをコントロール出来ないまま検討が続けられてしまった二年間。悲しいかな、空白の二年。失礼ながらそう感じた。修正は大変。でも何とかしないと悲しいものとなる。改善私案を会議中に書き上げた。今後要検討。とりあえずこの後これまでの三十数回の議事録を全部読み返した。
6/28 観光協会の総会にオブザーバーで出席。新旧会長の交代。前会長のシバさんは、哲学の人だ。屋久島の自然保護に深く関わり、話をしているとその思想がひしひしと伝わってくる。思うこといろいろ。その答えが見えるのはいつだろうか?
6/30 昼はいそもんを採りに行き、大満足。夕方は早崎に行き、釣り場の下見をしてきた。夜はウミガメ調査の下見として、田代海岸に事務所員で見に行く。満月の夜中。田代海岸は街灯等がなく、砂浜は狭いものの良好な産卵環境が保たれている。潮がひくと岩が出てくるため、産卵は満潮前後2時間程度に限られると言われている。事務所からも近いので、うみがめ館と相談し、ここの調査をやることにしたのだった。この日は19時の満潮だったので、21時過ぎまでいたがウミガメは上陸せず。下見ということで、それも良しということで帰ることになった。県から(町を経由して)調査監視委託を受けている周辺集落の監視員の方と知り合いになった。