巡視一日目(淀川登山口〜宮之浦岳〜(平石)〜永田岳〜鹿之沢小屋)

朝四時に起きて準備を済ませ、四時半過ぎに事務所に行く。五時に出発。今回は登山道の設計業務の同行ということで山に行くヤマザキさんとヤナギサワさん(熊本の事務所)、そしていつもの直轄整備の区間(平石〜宮之浦岳〜淀川登山口)の巡視に行くフカダさん、ナガオカさん、僕の5名で登山口に向かった。登山口で設計を請け負った業者2名と合流。設計箇所(登山道が荒れているところ)を確認しながら進む。エコツーガイドの方が女性ばかり7〜8名引き連れたパーティーに遭遇して、羨ましそうですねというコメントをナガオカさんからいただいた。
設計位置を確認しながら進んでいると思いの他時間がかかったので、淀川小屋を過ぎて、標高1500mを過ぎた先から、別れて先に進むことにした。登山道の問題箇所がないか確認しながら歩く。この登山道も、春から何回歩いただろうか。花之江河の先で、トイレットペーパーが散乱。その下には新鮮なブツがあった。今朝のことだろうか?してしまうのは仕方がないにしても、野糞の仕方(処理の仕方)は学んでから来てほしいなと思う。トイレットペーパーはつまみ上げ焼却して、ブツは土の中に埋めてきた。登山道横にはツルリンドウの花が咲き、美しい。
途中、ヤクシマシオガマが点在するところで、切られた個体がいくつも見つかった。種子を採りたいプロの仕業だろう。悲しい。捕まえたら吊るし上げてやるのに。なかなか目が届かないのが悲しい。
宮之浦岳山頂に十一時半前に着いて、昼飯。雲が出てきたが、まだ視界はいい。昼飯後、平石(看板は「平石岩屋」と書いてある)まで行って、焼野三叉路まで戻ってくる。今日は弁当のパック・パンの袋のゴミが多かった。落し物も多かった。別の場所でまたトイレットペーパーを焼いた。団体さんが入り込む秋。マナーの宜しくない登山客が増えているのだろうか?
今回は、永田歩道の巡視もメインターゲット。焼野三叉路から永田岳に登る。三回目の永田岳。岩の隙間に祠があり、その先から眼下に永田の集落、そして永田浜が見下ろせる。ガスが掛かりはしたが、時折障子岳の岩壁も望むことができ、素晴らしい。永田岳の山頂にも行き、展望を独占する。ここから見た宮之浦岳のマントを広げたような堂々たる姿が好きだ。
その先、鹿之沢小屋に続く道は僕には初めてのルート。結構登山道が荒れている。途中、ロウソク岩を望む。ガスが掛かってきていたので、見えたのはラッキーだった。山肌と、岩肌と。その急峻な様子、特徴的な岩峰が、岩質は全然違うけど、生えている樹木も違うけどどこか大峰山に通じるものを感じた。
鹿之沢小屋には四時前に到着した。割と小奇麗な小屋だった。小屋を入ると左右にロフトがあって、合計四つのフロアーがあり、詰め込めば20人は寝られるよう(相当狭いが)。小屋から少し離れると、地中に埋まるはゴミの山。昔、ゴミは持ち帰らず近くに埋めていった時代の遺物。掘り起こすと地形が変わりそうなぐらい埋まっている。ちょっと前まではこれで許されたのだから、時代は変わるのだなと思った。
まだ明るいので外でサイトをする。背負ってきたビール、日本酒、焼酎で乾杯。美味しかった。食事はレトルトカレーで簡単に済ませたが、つまみがいっぱいあって胃袋的には大満足だった。小屋に泊まるのは三人だけで、一人ワンフロアーずつ占領して、快適な眠りについた。