研修初日

朝早く起きて研修所に向かう。早かったおかげで混雑の程度も知れていて、ホッとした。東京の満員電車。18歳から25歳までこの街に住んでいたけど、そんなに好きになれるもんじゃない。
朝からカラマーゾフの兄弟を読む。第一巻を読み終える。まだまだ先は長い。
航空公園駅で降り、研修所まで歩く。約一年半ぶりだったから、道のりがうろ覚えで、最初の交差点でどちらに歩いていくのか悩み、その先の覚えていた建物を見つけたときはホッとした。
研修所。就職して最初の年に、三回ほど研修で訪れた場所。まだそんなに月日が流れているわけじゃないのに懐かしく思えるのは、場所というより、今回集まる面子のせいかもしれない。
屋久島に何代か前にいたサヤマさんが今この研修所の次長になっていて、開校式では挨拶を聞く。その後オリエンテーション、そして講義に移る。
クロダさんの講義は、組織の体系、仕事の概要について、これまでの経緯を振り返りながらの話だったのだけど、結構わかりやすく、興味を持って話を聞く。これまでにも何度も組織の変革があって、それを見る限り今後もまた変わっていくのだろう。就職してから半年後に地方支分部局ができた。次の大きな動きはいつ来るか。
次のシモムラ先生は大学の時にも講義を受けたことがあるのだけど、わかりにくかった。言葉不足で流れもいまいち掴めない。まあ一時間半なら仕方がないのだけど。そして、一番聞きたかった地域との連携した自然環境管理については触れないまま終わってしまった。
いろいろな方が、地域との連携と観光客・利用者の参加した自然環境管理についての提案をしている。でもそれは本当に大きな枠の話だけで、その先の具体化には至らない。その先を聞きたいのが行政官だと思う。概念・理想はわかった。でもその先が進めずにみんな苦しむ。そこの現状打破のための何かいいアイディアはないのか、といつも考え、こうした講義があると期待するのだけど、空振りに終わる。まあ、それを研究者に問うのは酷なのかもしれない。それこそその理想の具体化は行政官の仕事だしね。がんばろ。
カワシマさんの話は、面白いのだけど、講義の仕方がそんなにうまくないなと思った。いや、もっともっと少人数の講義か、もしくはもっともっと大人数の講義であればうまく行ったのだろうと思う。でもお互い知らない中、今回の人数の中で、部屋の広さの中での講義では、そのやり方だとどうしても話が滑ってしまうのだ。講義の中で「相手理解」のことを話されていた。「反省会」のことも話されていた。それをこの方の授業方法にどうフィードバックしていくか、そのためにはどんな意見を言えばいいだろうか、そんなことを考えていた。最後に質問ありませんか、とのことで、講義の仕方について簡単に意見を述べさせていただいた。僭越だけどより今後楽しい講義になれば幸い。
夕方の懇親会後、朝早かったこともあり19時から21時まで部屋で熟睡。21時過ぎに部屋から降りていって、みんなと飲んだ。
それぞれの場所で、それぞれに思うことがあるのだなと思う。その立場で求められているものは何か、その立場で自分が出来ることは何か、そしてその立場でしか出来ないこと、言えない意見は何か、そして自分達は一体何をしていきたいのか、その理想は示せているのか(示せていないんじゃない)、そんなことをサクラバスとずっと話をしていた。
日付が変わって1時過ぎに片付け、部屋に戻り、就寝。