屋久島シンポジウム

夜、環境省予算で昨年度までの3年間シカによる植生の影響等、生態系の動態を調べた矢原プロジェクトの公開シンポジウムがあったので話を聞きに行った。
昨年度お世話になったヒライさんの専門学校の同級生の方が横に座り、先日はどうも、と話をする。意外なところで繋がっているものだと思う。
九大の矢原教授よる植生調査の結果、鈴木さんによる春先のシカ被害の全島的なアンケート調査の結果発表、横国大の松田教授によるヤクシカ三分割管理案が示される。アンケート結果の解釈が難しいなと思った。そして、三分割管理案も、捕獲努力の増大の部分を配慮しないと思うようには取れないのだろうなと考えていた。世界遺産地域でもある西部地域は頭数が増え過ぎて既に手のつけようがないというのはちょっとショックが大きい。プレデターとしての人間を除いてしまった区域。自然の調和なんていうけど、実際はかなり動的に変化し続けているもの。人間のインパクトは巨大で、人為的な作用による変化はこれまで大問題だったけど、逆に人の手が加わり続けていた場所が、今度は自然の調和だけで上手くいくなんて思っていない。それも時間スケールの問題があるけど。その大きなスケールの中で不可逆的なのか、可逆的なのか。気候変動という新たな要素。既に切り開かれてしまった森。知床の時は少なくとも過去百年で最も大きな変化だったけど、屋久島でも同様なのだろうか?
二時間半ほどでシンポジウムが終わり、家に帰って寝た。