西部半山

先日は一人で彷徨った西部地域の半山を今回テヅカさんに案内してもらった。エコツー関係の業務をやっているのだけど、現場を回って話をしないとわからないということで、今回は矢原先生にもついてきてもらって話をする。
西部の照葉樹の見通しのいい森の中を歩いていく。普段はシカをたくさん見かけるのに、こんな日に限って出てこない。
ガジュマル、アコウの大木を眺める。この木に前に登った時に、木の上でサルの骨を見つけてね、とテヅカさんが話をする。この西部の照葉樹の森から、海に沈む夕日を見ながら死んでいったサルがいて、彼(彼女)はどんな気分で沈む夕日を見ていたんだろうなぁ、と続けた。その情景が目の前にありありと思い浮かぶ。美しい風景を見て、動物は何を感じるのだろうか。
前回訪れた時は、どこにあるのかわからなかったものも、今回の案内で全て場所がわかった。これまで事務所ではここの調査・巡視はほとんどしてこなかったが、今後対象地域に入れようと考えている。
現在、この登山道のない西部の森を対象としたエコツアーが行われている。今は利用による特段の影響はないと考えているが、将来的に利用者が増加した際には影響が出る可能性がある。そのため、ガイドが行うツアーについて予めルールを定め、利用人数を制限しよう、という話を進めているが、そのガイドに野生動物の目撃頭数や植生の変化、過剰利用による荒廃等、自然状況・利用状況のモニタリングを行えないかと考えている。その意見をもらうのも今回の目的だった。
海岸にある大岩まで行き、そこから別ルートを通って戻ってきた。照葉樹の森の解説は難しい。相当な知識の裏付けがないと、この森の持つ意味を伝えきれないと思う。それはしばしば文明論にまで及ぶことにもなるのだと思う。
そんなことを考えながら、西部の森を歩き、戻ってきた。
矢原先生やテヅカさんと別れ、事務所に戻ってきて、デスクワーク。遅くない時間に家に帰って寝た。