八ヶ岳雪訓初日

雪山登山に興味のある面々を誘って雪上訓練(雪訓)をすることになった。集まったのはカナハナさんツージーさん、まりりんエナさんニッタくんコイケくん、ザハさん、僕の計8名。うちアイゼン・ピッケルを使った雪山登山は全くの初めてだというのは2名。場所は八ヶ岳谷川岳か悩んだのだが、天候が割と安定している八ヶ岳にすることにした。が、案外予報は良くない。天候にヤキモキしながら一週間を過ごしたが、少なくとも日曜日は大丈夫そうだ、という確信を抱きながら準備を進めた。
朝は7時新宿発のスーパーあずさに乗る。二か月前に八ヶ岳に行った際にはすごい人だったが、今日はそれほどではない。天候は曇り。朝は雨が降っていた。どんよりとした雲を眺めながら先へと進む。雪山登山をするであろうパーティーがチラホラ。さてどんな山行になるのだろうか。
茅野駅には9:08に到着。特急組はこの時間に集合して、各駅停車に乗ってきた方々は少ししてからやってきた。バス停に並ぶが、結構大きな荷物を持った登山客がそこそこ並んでいる。はたして全員バスに乗れるのだろうかと思っていたが、バスの収納力は偉大なもので、全員無事バスに詰め込まれて、時間どおりの9:35に無事出発した。
天気が悪い。小雨が降り始める。美濃戸口に到着したがすぐにカッパを着た。準備を整え、10:40に美濃戸口を出発した。おニューの登山靴の感触を確かめながら歩く。ごく弱い雨が降っているものの、歩いていると暑くなった。途中で休憩し上着を脱ぐ。最初のピッチのペースは速かったようで、みなそこそこ疲れた表情をしていた。
美濃戸山荘に11:35に到着。休憩。美濃戸口は雪は少なめだったが、この先は割とたくさんあってホッとする。ダラダラと歩きつづけて12:35に林道終点。ようやく登山道に入る。
この先はストックを持っている人はストックを、ピッケルを持っている人はピッケルを持って歩いた。アイゼンは付けていない。横岳西壁を望めるポイントに来てもガスがかかっていて何も見えない。晴れていれば素晴らしい景色なのに残念だなぁと思いながら歩く。今回僕とエナさんだけはテント泊でそれぞれがテントを背負っているので他の人よりも若干荷物が大きい。後ろからダラダラ付いて行った(写真)のだが、段々と疲れてきてしんどかった。日頃の運動不足を痛感する。一度休憩して、13:50に赤岳鉱泉に到着。
まず受付を済ませる。小屋伯の6名は、+4000円で個室を取ることが出来た。素晴らしい。とりあえずテントを立てる。雪訓は一度しかやったことがない(2年前に八ヶ岳に一緒に来てイロハを教えた)が独学で雪山にどんどん挑戦しているエナさんに、捨て綱の使い方を教える。既に硫黄岳→横岳→赤岳の縦走は終えたらしい。すごいなぁと思う。
随分とまったりしてしまったのだが14:40に赤岳鉱泉を出発。行者小屋との間にある雪訓ポイントに向かう。わずかな距離で荷物も軽いのに案外しんどい。辿りついた雪訓ポイントは、雪がグサグサで太ももラッセルが出来るような雪質で、正直あまり練習にならなさそう。まあでもしょうがない、と気を取り直して雪訓開始!
まずはアイゼンの着脱。その後アイゼン・ピッケルを使った登下降、斜上・斜下(ダイヤモンド)、耐風姿勢、滑落停止、とこなす。アイゼン歩行で爪を引っかけるのは、トラバース時に横爪を引っかけること、そしてラッセル時が多い。特に前者はシビアな場面だと致命的なので、その際の歩行の注意点を伝えていく。途中で少し霧が晴れ、横岳西壁の岩壁を望む事が出来た。美しい。耐風姿勢の訓練は毎度のことながら盛り上がる。滑落停止でニッタくんは早速新品のヤッケを破いていた。いやはや。でもこうした積み重ねが確実な技術につながるはず。
薄暗くなる17時前まで雪訓をした後、赤岳鉱泉に戻る。下りとあって速かった。小屋では自炊室でサーモンミルクスープ&シチューとご飯を炊いた。それに先立って、先週のBBQで学んだホットワインを早速作る。沸騰させないように温めてからテルモスに詰めて食事を作っているみなさまに回すと、大好評。ポカポカと暖まる。美味しかった。ご飯も美味しい。しかし一人一合は少し多過ぎた。反省。部活にいた際には晩御飯は一人1.5合だった。それも足りずに2.5合は食べていた時期があった。でもそんなのは昔の話。今後は一人0.6合ぐらいで十分な気がした。
晩御飯後は個室でお酒を飲みつつ、ケーキやつまみを食し、ゆったりと過ごす。こたつまであるなんてなんて贅沢なんだろと思う。コタツに入っていると早々に寝付くお姉さまもいた。お疲れさま。21時頃までワイワイと飲んでから解散。僕はテントに戻って寝る準備。空は曇り、少し湿った空気があたりを包んでいた。服が頭のてっぺんからつま先まで全て乾いているので全然寒くない。若干無謀かなと思いつつもシュラフはジッパーを半分開けたまま眠りに就いた。