年末の買物(プリムス ランチジャグ)

この1年の疲れが溜まってか、午前中は寝ていた。結構たくさん寝たと思う。午後は一か月ほど前に注文したまま取りに行き損ねていたKATACHIのグラスを取りに池袋の東部百貨店に行く。シンプルで軽いグラス。自宅用に使うつもり。無事受け取ってから、池袋西口にある好日山荘に向かう。
雪山での昼食について、いろいろ考えていた。
山での昼食は、大学の部活をしていた頃から長らくの間、昼食を食べるということはなくて、行動食で済ませ続けていた。かつて、山を本格的に始める前は“美味しい昼ご飯も山の楽しさの一つだろう”と勝手に想像を膨らませていたのだけど、実際の山では、行動が長いこと、昼食を作るには時間がかかること、早朝から行動するので昼過ぎには行動が終わってしまうことも結構あったことなどなどの理由によって、そうした時間はなきものとなっていて、そのことに最初は違和感があったものの次第に抵抗がなくなり、昼ごはんを食べるなんてことは全く行わなくなっていた。それは効率的な行動に非常に貢献していたと思う。
転機は、屋久島時代。巡視で山に行くと、一緒に行った人はみな買ったお弁当を持ってきていたので、やや長い休憩をどうしても取る事になった。最初は無駄な時間だなぁと思っていたのだが、そういった落ち着いた時間もありなのだろう、と思うようになり、単独ではなく複数で行動するときは、弁当タイムを設定するようになった。
さらに東京に戻ってきてから、複数名で山に行くことも増えたのだが、その際には積極的にお昼ご飯の時間を設定して、ストーブでお湯を沸かしてスープやら、お茶やら作っていた。山道具好きになったのは、刃物と機能的なストーブに惹かれたのがきっかけ(小学4年生ぐらいの頃ですが・・・)という僕は、アウトドアショップに行くたびにストーブコーナーは必ず寄っていろいろなストーブをみてはうっとりしているのだけど、そんな好みを持つものだから、野外でストーブで料理を作る、ということ自体はすごく気に入っている。そんなこんなで、雪山でものんびりしたスノーシュートレッキングでは、昼ごはんにチーズフォンデューをしたり、山スキーではおでんを作ったりと、ストーブを活用した昼食は何度も行ってきた。
でも、その考えに疑問を抱き始めたのは、昨年の2月。乗鞍岳山スキーをしたのだが、その日は天候・展望には非常に恵まれたものの、乗鞍山頂直下は−25℃と極寒でかつ強い風が吹いていた。滑り始める前に荷物を軽くするためにも昼食にしよう、と風を避けてストーブを出しておでんを作り始めたのだが、風は避けきれず、あまりの寒さにストーブも凍りついていった。そんなこんなしているうちに、手の感覚が無くなりました、凍傷になりそうです、と訴える女性が出てきて、これはヤバいと中途半端に温めたおでんをポリタンクに詰めて急ぎ撤収した。この時、凍傷が危惧された方にはオーバーグローブをより保温力の高い3本指のミトンを貸して換えてもらって、特にそれ以上のことはなくて心底ホッとしたのだが、一方でいろいろと作業していて痛いほどに冷えていた自分の指を見ると、なんと既に紫色に変色しかけていたのでゾッとしたのをよく覚えている。いくらお楽しみの昼食を食べようにも、コンディションの悪い中でそんなことをしていては、命取りになりかねない、ということを強く認識することになった。
そんなコンディションに備えて、まず購入したのは、モノポールシェルター。ツェルトでも同じことができるのだけど、ツェルトよりも広く、スキーを真ん中の支柱にして、周りをスキーで固定すれば素早く素晴らしい風よけになる簡易テントだ。モノポールシェルターに初めて興味を持ったのは、2009年の冬に加藤則芳さん屋久島の花山歩道を歩いた際に、雪山にも関わらず雨が降ってきたので食事を小さなテントの中でごった返しながら行うことになった。その際、屋久島随一の山道具好きで、その山行にも同行してくれた吉原さんが、モノポールシェルターを持ってくればよかったなぁ、と呟いたことによる。それまでは興味の対象外だったのだけど、特に雨の日の食事の際等に力を発揮する道具らしいということで興味が沸いた。それ以降モノポールシェルターはずっと心の中に残っていたのだけど、乗鞍の一件があって、欲しいなぁとあらためて思い始めて、今年の3月に思い切って購入。今年4月の初めに3名でパーティーを組んで行った平標山の山スキーでは、最初は好天だったものの、予報通り昼前から天候が悪化し、山頂到着直前には雪が降りガスにも巻かれた。山頂到着後にすぐに帰路についたのだけど、最初は視界20〜30m、その後樹林限界下にまで下ってきたころには吹雪に変わり始めた。樹林帯に入ってから昼食としたのだけど、その際モノポールシェルターを手早く立てて、降りしきる雪、そして強風を防ぐことができた。おかげでラーメンを作りホッと一息つくことが出来て、本当に買ってよかったぁと思ったものだった。モノポールシェルターがなければあの状況では落ち着いた休憩はできなかったと思う。
さて、ようやく本題なのだけど、雪山の昼食はコンディションのいいところ(テントの中や、出発前)で調理して、食べる時はストーブ等出すことなくすぐに食べられるのがいいのではないかという思いを強く持っていた。それもあって先日買ってしまったのがサーモスの山専ボトル。ただし、これは基本的には飲み物専用なので、食事用のテルモスもあってもいいなぁという思いもず〜っと持っていた。家ではサーモスの270ccのフードコンテナー(スープ用)を持っているのだけど、もう少し容量の大きいものを、と思い、目を付けていたのがプリムスのランチジャグ。先日銀座の好日山荘で見て手にとっていいなぁと思っていたのだが、今日も手に取ってみる。黒色のシンプルな作りがなかなかかっこいい。物欲が沸々と湧いてきてこの際と思って買ってしまった。
500cc入るので、大きくても380cc程度のサーモスやタイガー、象印の製品よりも容量は大きくて、口もそこそこ大きくて使いやすそうだ。重さはまあまあ。もっと軽い方が嬉しいけれど、軽い部類には入ると思う。ただ、サーモスやタイガーなどと違い、口の部分までステンレスにはなっていない(樹脂製)ので、洗いやすさや衛生面では、一歩劣るのかもしれない。今度、山専ボトルにお茶を入れて、プリムスのランチジャグにおでんかスープを入れて雪山を歩いてみよう。
そうそうテルモスと言えば、スノーピークのテルモス「システムボトル」は缶がそのまま入るということで面白い作りになっている。また容量も大きく(500cc缶対応のサイズのものは550cc)、さらに蓋が3種類付いていて、その時々の状況に応じて使い分けられるので興味がないわけではないのだけど、値段が倍以上することもあり、今回はプリムスにしてみた。
帰宅後は、どうもやる気が起きず、今日中にはと思っていた年賀状作りも停滞し続ける。晩御飯は相方と一緒に外食した。その後、三省堂書店、さかいやスポーツに寄ってから家に帰ってきた。山スキーのルートガイドの本を探したのだけど、探していた本は見つからず。残念無念。
夜遅くはようやく動き出して年賀状の住所録を打ち込み、久々ブログサイトのメンテをしてから寝た。