3月6日午後のこと

思うところがいろいろあった。具体的には何も書けない。
でも、様々な感情と様々な思惑、そして複雑に絡み合った現実世界の混沌とした事象がそこにはあった。
結局、人を相手に仕事をしていく中で、大切なことは、信頼、なのだと思う。あまりにもありふれた言葉だけど。
そしてその信頼があってこそ物事は動かしていける。困難であればあるほど、信頼があってこそ物事は進めていける。
その信頼を作りだすことができるかどうか。
信頼を勝ち得ていくために、どう動くのか。
そして勝ち得た信頼を守るために、どう動けるのか。
もちろん、信頼だけで物事が動いているわけではない。
客観的な分析と、筋の通った理屈、確かな価値観、そして進むべき道筋。それらは何よりも大切。
それらがなければただの独りよがりにもなりかねない。
でも、人が関わり、人が動かしていく仕事をしている以上、物事を進めるためには、それらに足して、信頼、がいるのだと思う。
そして、曲がりなりにもそうしたモノを積み上げて行って、物事が進んでいくことはやりがいのあることだ。
でも、そうして進めていく中で、もし信頼が喪失したならば、それは時に激しい怒りにもつながるものだ。
気を付けないといけないのは、その怒りに目がくらむあまり、目的を忘れてしまうこと。目的を歪めてしまうこと。
忘れてはいけないのは、目的。何をしたかったのか。何をしなければいけないのか。そのために何をどうすべきなのか。
忘れてはいけないことを、忘れては、いけない。
物事を進めて行く際には、大抵はいろいろなことがあって、大抵は順調に真直ぐ進むわけではない。
それで時に辛い思いにさらされることもある。
でも、つまずいたときこそ、試される。
その時、どう動くのか。どう動けるのか。
それが人生をいっそう味わいのあるものに変えていく。
そんなことを思いながら、頭の中にずっしりと居座った怒りとやるせなさを、ゆっくりと落ち着かせていくひととき。

それにしても、自然と文化と人々の暮らしを末長く残こしていくための仕事を、俺は今、出来ているのだろうか。
を、俺は忘れていないだろうか。
そんなことを考えながら、過ごす、夜更けの静かなひととき。