巻機山 山スキー 初日

昨年日帰りでトライしたが、悪天候のため7合目で引き返した巻機山に今年は1泊2日で行くことになった。ここ巻機山は部活では何度も訪れた山だが、知れば知るほど、いい山だな、と思う。そう、僕の初めての雪山登山は巻機山だった。
そして今回は、今年度一緒に何度も山に行ったコイケ君*1が4月に転勤で遠くに行ってしまうので、その送別も兼ねた山行、と思っていたのだけど、残念ながらコイケ君は引越し準備等等で不参加になってしまった。結果、参加者は、よく山に行っているカナハナさんツージーさんエナさん、そして僕、というなっなななななななななーんと男女比1:3というパーティー構成になってしまった。まぁ、2人だけで行くというよりはマシなのかもしれないけど。おかげ様でいつもの山行企画者としての責任に加え、共同装備の荷物をたっぷり背負うことになった。
上野発6:26発の各駅停車で上越に向かう。高崎、水上で乗り換えて六日町駅へ。新幹線を使ってのアプローチ組には越後湯沢駅で合流した。電車の中ではエナさんの兼用靴へのアイゼンの調整等をやった。
10:50六日町駅到着。予約しておいたスキーキャリア付きのタクシーに乗る。天候は今日は午前中雪のちミゾレ、午後曇りのち晴れという予報だったのだけど、六日町駅周辺では雨が降っていて凹む。
清水集落の山の宿 雲天の手前の林道入口でタクシーを降りる。4,620円なり。スキーと大きなザックがあるにもかかわらず1台に4人が乗れたのはありがたかった。林道入口には車は二台停まっていた。登山届を出して、準備を整え、余計な荷物を近くの木の根元にデポしてから出発。11:50。ここの標高は580m。
幸いにして雨にはなっていないが、やや湿り気のある細かい雪が舞っている。そして一面ガスに包まれていた。今回はエナさんはMy山スキーのデビュー戦で、かつ本格的に山スキーをやるのは乗鞍岳の切り開きコースを除けばこれが初めて、という状況。後ろ姿を見ていると、自分のスキーを履いている、という喜びが湧き上がっているのが何となくわかる。テクテクと歩く(YouTube)。皆仕事にそこそこ疲れているのに加え、泊り装備で荷物が重いこともあり、ゆっくりと進む。690mのところにかかる橋は通り過ぎて725mの橋を渡る。近くでは子供たちがソリ遊びをしていた。
桜坂の駐車場(標高735m)には12:35に到着。小休止。相変わらずガスがかかって周りは見渡せない。12:45に出発。
森の中を大体の方向を見定めて自由に登っていく(上の写真)。山スキーの醍醐味は登山道に縛られずに森の中を歩けること。滑りも楽しいが、森の中を歩くのもかなり好きだ。歩く先に動物の足跡があると心がときめく。小さな頃に、椋鳩十戸川幸夫の動物小説を読んで心ときめかせたことを思い出す。でもこの日は全然動物の足跡は見つからなかった。
標高900mで休憩。13:15。この先には井戸壁という名の急斜がある。少しだけ休んでから出発。次第に傾斜がきつくなる。雪質的にもクトーを付けたくなる斜面。クトー持ってきたんだっけ?と訊くと2人はそもそも持っていません、とのことだったので、無しでも行けるようにしっかりとトレースを付けながら登っていく。時々ガリガリ、とスキー板が滑って冷やりとする。1050m付近までだましだましスキーを付けながら登ってきたのだが、消耗し始めたのでこの先はスキーを担いで登ることにした。キックステップを繰り返して後続のためにステップを作りながら斜面を登っていく。我ながら美しいステップ(写真)。

ツージーさんは結構バテていて、ゆっくりと登ってきた。結構疲れてそうだったので、僕は空身で降りて行って、わずかな距離だけれどもツージーさんのザックを担いで登り返した。標高1120mで休憩。ここまで結構時間がかかった。14:55に再出発。この先は傾斜が緩くなるのでホッとする。
相変わらずガスの中で遠くは何も見えなかった(写真)。

ゆっくりと登って、15:50に標高1320mの6合目付近でサイト。平らでほとんど整地しなくていいのが助かる。風も全然なかった。二回目の使用となる4人用テントを張って、中にもぐりこむ。やっぱりテントは楽だな、と思った(写真)。

晩御飯は、ポークチリビーンズの改良版とアルファ米。まずワインで乾杯。ご飯は美味しかった。差し入れで僕は成城石井のベリーのチーズケーキとホウレン草のテリーヌを持ってきたのだが、ケーキは荷物につぶされ半壊していた。いやはや。でも切って食べたら美味しかった。他にはゆず酒・梅酒も出てきた。ポカポカと温まる。水作りも行いながら、いろいろな話に花を咲かせながら、ゆったりと過ごす。新しく買ったガスストーブは、カートリッジが冷えて少し火力が落ちてきた後に液出し燃焼にトライしたら火力が回復した。なかなか。そして、新しく買ったLEDランタンは明るくてテントを優しく照らしている。なかなか。
20時を過ぎて宴会はお開きになった。外に出ると相変わらずガスがかかっていて何も見えない。寝る準備を整え、20時半過ぎにシュラフに包まって就寝。