山古志村、錦鯉

朝は4時半に起きた。外は既に明るい。テントのジッパーを開けると外から冷気が入り込んできた。結構気温は下がったみたい。
ガスバーナーに火を付けて、昨晩作ったトマト煮込みスープを温めなおす。パンを齧り、お茶を飲み、スープをすすりながら朝の渓流を眺めていた。
テントの撤収をして、7時前に出発。行き先をどうしようかと話していたのだけど、里山の風景に出会いたくて、また中越地震で大きな被害があったことから以前から一度訪れてみたいと思っていた旧・山古志村(現・長岡市)に行くことになった。
関越道に乗って、堀之内ICで降りる。そして、県道23号線を進んだ。山間の中を進む。山菜採りの人がチラホラ。沢筋にはまだ残雪が残っている。
しばらく行くと、2004年の中越地震の際の土砂崩れで川が堰き止められて水が溜まって水没した木籠集落に辿りついた。車を降りて、地震の爪痕を眺める。眼下に土砂に埋まった倒壊した家屋。カッコウがカッコウ、と鳴き、カエルが大合唱し、小鳥たちのさえづりが木霊する中(YouTube)で、かつて生じた災害に想いを馳せる。
さらに旧・山古志村の中へと進む。山間の村だが、あちこちに堰堤・コンクリート構造物があった。その一方で棚田や錦鯉の養殖に使った溜池もあちこちにあって、日本の里山の原風景とも言えそうな風景も広がっている。
道路は山間を縫って結構高いところまで行くことが出来て、途中の丘で旧・山古志村を一望することができた。眼下に広がる棚田・溜池。山古志村の集落。そして後方に霞んで見えるのは残雪をたたえた越後駒ヶ岳・中岳・八海山の連なり。美しい風景がそこにはあった(YouTube、上の写真)。
せっかく錦鯉の発祥の地に来たのだからと、小千谷市にある錦鯉の里に行った。錦鯉の詳しい解説に加え、色鮮やかな優秀鯉を眺めることが出来る(YouTube)。あんまり意識したことがなかったのだけど、錦鯉の色合いには系統があって、その視点で見ると奥深さの一端を感じることが出来た気がした。

施設の出口のところでは、歩道からわずか1mのところでカルガモが卵を抱いていて、覗き込むと卵を抱いた親鳥がこちらをじっと見つめていた。
まだ午前中。でも関越道の渋滞を嫌って帰京の途に着いた。小千谷ICから高速道路に乗る。堂々と横たわる越後駒ヶ岳・中岳・八海山が美しい。今度登ってみたいな。
前橋の手前で工事渋滞で抜けるのに30分ほど要した。他はスムーズに流れていた。高坂SAで昼ごはんを食べて、東京都心に戻ってきた。そして、晩御飯では残っていたコゴミをおひたしにして頂いた。
上越に出かけ、山菜を取り、キャンプをして、山古志村を訪ねるという駆け足な企画だったけど、そこそこ楽しかった。また来年も雪国の春を感じる旅に出かけたいな、と思った。