奥多摩 水根沢 沢登り


お散歩観察会の今年の沢登り第3弾として、一昨年昨年と行った水根沢に今年も行くことになった。今回の参加者は、まりりん旦那さんザハくん、ハラサワくんに加え、初参加となるハットリくん、イワノさん、チシキくん、そして僕の計8名。ハットリくんは5.11cを登ったことがあるというクライマーで渓流釣りもするが所謂沢登りは初めてとのこと。またイワノさんとチシキくんは沢は初めてとのこと。場所は毎度のことながらいろいろ迷ったが、初回者もいることと、そして蒸し暑さが続く中、涼を求めたく、初心者向けの泳ぎの沢として水根沢が選ばれた。
8:30に奥多摩駅に集合。みな8:29着の電車で来る。電車は登山客で非常に混んでいた。奥多摩の天気はカラッと晴れてはいなくて、雲に覆われている。8:35の鴨沢西行のバスに乗る。バスも混んでいて増便が出ていた。15分ほど乗って8:50に水根バス停で下車。駐車場でトイレを済ませて、水根沢キャンプ場の奥へと向かう。準備を済ませて、9:25に出発。イワノさん、チシキくんの新品の装備がピカピカと光っている。
さて、沢水に足を入れて、冷たいなぁと思った。そして先日来の雨で増水していた。曇っていて、泳ぎ始めると寒そうだ。半袖で来たのは失敗かも。木々に覆われた沢を進んでいく。
最初に出てくる2m程の小滝は、イワノさんには念のためロープを出してもらった。今回はロープワークを教えるべくメインロープや確保用具はザハくんに持ってもらっていて、まずは彼から出してもらう。続くCS(チョックストーン)3m滝。手前5m程に淵があって、左からへつり登る滝。淵をへつりながら泳ぎ、ズリズリと這い上がる。増水している分這い上がりやすかった気がする。先頭を行ったザハくんがさっさと上に登ってしまったのだけど、これは流石に初めての人にはきついだろう、と思って、挟まった岩にスリングを通して手がかり用のお助け紐を出す。手前を見ると残置ハーケンもあったので、この際とアブミも出した。その先の滝の上段はなにも無しでよじ登ってもらう。早速みなずぶ濡れになって和気あいあいとした(?)雰囲気となった。

沢を横断する橋をくぐり、先に進む。2条3mCS滝は、腰の深さの淵を進み、真ん中の岩を登り、右の水流を登る。今日は水量が多く水流を乗り越すところが滑りやすいので、木の根をアンカーにしてチシキくん、イワノさんは確保した。

その後、最初のゴルジュ帯の始まり。10:00。最初の2m程の滝は、滝の左岸を1.5mほど手前からトラバース気味に登るとすんなり行く。念のためチシキくん、イワノさんにロープを出す。ザハくんに確保してもらったのだけど、途中でロープがこんがらがってうまく確保されていない。ヤバいヤバいと絡まったところを無視してその先からグリップビレイに切り替えた。とイワノさんがテンションをかけていた。ほ。その後、無事登り切る。ほ。
続く3mちょっとの高さのあるCS滝は腰まで水に浸かって淵を進み左壁を登る。簡単だけど高さがあるので、カム×2でアンカーを作って、チシキくんとイワノさんをザハくんに確保してもらう。続く小滝は左から簡単に登る。途中で水に浸かって寒くなったイワノさんがカッパを着こんでいた。

さて、その先にある4mナメ滝。足が付かないぐらいの深さの淵を3〜4mほど泳いで取りつき、水流右を這い上がる。後続にはカムを効かせて手がかりスリングを出した。上は僕は滝の水流沿いを行ったけど、水流がきつくて滑りやすかった。右の乾いたところを登った方が安全だろう。僕の登ったところが滑りやすかったので念のためロープを出したのだけど、皆乾いたところを登っていたので、要らなかったなぁという感想。

さて、大滝へと続くゴルジュ帯に入る。10:40。早速CSトイ状4m滝が出てくる。この沢のハイライトの一つ。泳いで取りつき、突っ張りでズリズリと上がる。まずザハくんがトライ。今日は増水しているので取りつくのに苦労している。でも無事突破(写真)。僕はGoProにスイッチを入れて取りつく(YouTube)。寒かったけど、はしゃぎたくなる水流で楽しかった。残置ハーケンとカム#0.5をアンカーにしてザハくんにロープを出してもらう。そして念のためお助け紐+アブミで手がかり・足がかりを作ったが、激しい水流に隠れて見えていない。まずチシキくん。水流がきついので、そこそこ手こずりながら登っている。ちなみにハットリくんには今回ロープを出すことは一度もなかった。続いてイワノさん。突っ張り途中で足場が滑ってワンテンション。水流に隠れているお助け紐を引っ張りだして、それに掴まってもらいながら、引き上げる気持ちでズリズリと登ってもらう。なかなか水流がきつかった。他はさっくりとクリアー。ほ。ここで追い付いてきた全身をネオプレンに身を包んだ2人組に先に行ってもらった。
続く2段3+5mの大滝は、右壁を登る。ここも念のためチシキくんとイワノさんにはロープを出して確保した。大滝のゴルジュ帯が終わってホッとする。11:10。

この先は易しい小滝・淵が連続する。2m程のウォータースライダー滝は今日は水流があって楽しそうだったのだけど、ちょうど釣り人がいたので遊ぶのを断念した。そして、ワサビ田跡のところで休憩した。11:30。

10分ほど休憩後、先へと進む。小滝、へつり、淵泳ぎを繰り返す。へつりポイントで、残置スリングを使わずに11クライマーのハットリくんと、ハラサワくんが無事突破していた。流石。2分半に及ぶハラサワくんのへつりの様子はこちら(YouTube)。そしてイワノさんが寒い寒いと言いながらも淵が出てくると積極的に泳いでいる(YouTube)。やっぱり若いってこういうことなんだなぁと、まりりん+旦那さんと僕で盛り上がっていた。

さて、気が付けば半円ノ滝6mに到着。12:25。半円ノ滝は、突っ張って直登する楽しい滝。今日は水量が多くいつもよりも迫力がある。ザハくん、セキグチさん、僕、ハットリくんとまず登る。ここもGoProのスイッチを入れて登ってみた(YouTube)。滝の上部で置いた左足のスタンスが遠めだったので、最後のところは真直ぐに伸ばした状態の突っ張りになった。無事登れてホッとする。先行パーティーの二人組がベンチに使っていた倒木をアンカーにして、メインロープ(8.2mm×50m)を出してザハくんに確保してもらう。チシキくんはさっくりと登る。イワノさんはズリズリと登る。まりりんは一度足を滑らせていたが、その後はサクサクと登ってきた。後続パーティもくる中最後に登ったハラサワくんは足を滑らせ釜に浸かる。気を取り直して再度登る。

そして、間もなくのところにある遡行終了点に到着。時刻は12:45。無事終わってホッとした。でもはしゃぎ足りない(?)若者はその後水かけをしてはしゃいでいた(YouTube)

遡行終了点ではガスコンロ・鍋を出してソーメンを作る。夏の涼味!冷えた体ではあったけど、やっぱりソーメンは美味しかった。

14:16のバスに乗るべく、13:25に遡行終了点を出発する。尾根沿いの急な斜面にジグザグと続く踏み跡を登る。冷えていた体がポカポカと温まり始める。5分ほどすると登山道(水根林道)に出る。途中の標識のあるところで登山道を離れて民家の軒先を通過して、入渓点には13:40過ぎに戻ってきた。デポした着替え・靴を回収し沢タビを洗う。そして14:16の奥多摩駅行きのバスに乗った。

今回の沢をまとめた動画はこちら(YouTube:7分半)

ロングバージョンはこちら(YouTube:11分半)

奥多摩駅で先に帰宅することになったハラサワくんと別れ、残りは歩いて10分のもえぎの湯に行く。温泉ではポカポカと温まる。その後、ビール+つまみで乾杯!やっぱり美味しいなぁ、と幸せな気分に浸った。

16:23のホリデー快速に乗るべく、15:50にもえぎの湯を出て駅へと向かう。途中の橋ではカップルがシャボン玉を飛ばしていて、それはほのぼのとしていて、また胸がキュンとなるような素敵な絵だった(YouTube)。でも、川を抜きぬける風に乗って流れていくしゃぼん玉を遠くから眺めていると、シャボン玉が生まれ飛んでいくその瞬間がググっと迫ってきて、どこか刹那的というか切なさを感じる風景でもあった。最後の最後に財布をもえぎの湯に忘れたハットリくんが取りに戻るというハプニングがあったものの、残りのメンバーは無事電車に乗って都心へと向かう。途中ではいつも通り爆睡していた。都心の駅を降り立つと、外はかなり蒸し暑くて、そのむっとするような熱気を吸い込むほど、涼を求めて沢に遊んだ今日の山行への満足感がこみ上げきた。

今回の水根沢は、水量が多くて、ゴルジュ入門の沢としてはいつもより迫力があって面白かったと思う。沢が初めてというイワノさん・チシキくんの2人は、足運びや登りは結構しっかりしていて感心。是非怪我しないように沢や岩の知識を身につけて楽しんでもらいたいなぁと思った。ハットリくんは何も心配しなかった。また、ロープワークを覚えるべくザハくんには奮闘してもらったが、帰りの電車で支点をどう取れるかがポイントなんですねと聞いて、そうなんだよ、という話をした。そう、支点をどう取れるのか。取った支点はどの程度信頼できそうなものなのか。安全にも直結することで、なかなか奥が深くまた面白い部分だと思う。まりりんと旦那さんはいつもながらありがとうございました。
そして、夜のテレビニュースから、関東地方が本日梅雨明けしたことを知った。ワイワイガヤガヤと沢を楽しんだ梅雨明けの一日は満足感に包まれて幕を閉じた。

※遡行図は「東京起点沢登りルート120」を使用。でも水根沢に関してはあんまり詳しくない。

※写真付きの記録はこちら(お散歩観察会のページ)