東黒沢・ウツボギ沢 沢登り二日目

朝4:40に起きた。まだ真っ暗。星空が見える。良く寝た。一度目が覚めたぐらい。
起きて焚き火の準備。暗い中、メラメラと炎が上がる。ホッとするなぁ。5時に二人を起こして、食事の準備を始める。今朝はスープパスタ。そして昨晩の残りのご飯と大根おろし、そして食べきれなかった紅鮭の干物を使ったほうじ茶のお茶漬けを作る。朝から焚き火で鮭を焼く。美味しそう。そして美味しかった。
豪華な朝食を済ませて、出発の準備を整える。日差しが差し込む。今日もいい天気。7:15にようやく出発。
今日も水が冷たい。最初はゴーロ歩き。昨日ウツボギ沢の上流に泊っていたパーティーは既に出発していたみたい。12年前にここは歩いているのに全く覚えていない。大滝手前の小滝地帯では、朝一で体がやや強ばっていたツージーさんに手がかりを出す。くの字(または逆くの字)の15m滝には7:50に到着。陽があたって美しい。

まずは左岸の太いバンドを辿って一段登り、その先は左岸に入るゴクゴク小さな沢に沿って登る。ここもツージーさんは念のため確保した。沢に入ると適当に藪をかき分けて滝の上に巻き下りる。最後のところはお助け紐で手がかりとした。
8:10に滝の上を出発。ほどなく、標高1250mの二俣に到着。8:15。左俣へと進む。
この辺りから、ひたすらナメ・岩盤となる。簡単な小滝・ナメをどんどん越えていく。太陽の位置はちょっと低くて、直接陽は差し込まないのだけど、樹林も低いので沢は明るい。劇的に美しい、というほどのところはないのだけど、ひたすら続く安心して歩けるナメ・小滝にただ、ただ心が癒される。
水は冷たいので、あまり濡れないように進んでいくのだけど、一度ツージーさんがバランスを崩して腰上まで濡れて悲鳴を上げていた。
上流に進むと時折陽が射しこんできた。小滝を進む。


1380mの沢を9:25に通過する。エメラルドグリーンの淵がきれいな小滝(左から巻き気味に登る)では、出来始めたポットホールがあった。これが発達していつかは立派なポットホールになるんだろうなぁ。その先もいくつもの小滝を越えていく。ただ、癒される。

標高1450mの二俣には10:05に到着した。12年前にここまで来て引き返した場所だ。ラジオを聴きながら沢を登っていたのだけど、この場所で広島の原爆投下時刻に黙とうした記憶がある(つまり2001年8月6日の8時過ぎにこの場所にいた。)懐かしいなぁ。休憩。朝茹でてきたソーセージを食べる。美味しい。
空は少し雲が出てきて寒々しい。この先はゴーロの場所も多くなる。4、5m程度の滝が出てきて、念のためツージーさんはザハくんがロープで確保した(難しくはない)。

風が吹き抜けると寒い。稜線が大分近くなった。
11:00に標高1540mの奥ノ二俣に到着。沢は源流ムードを醸し出している。左俣を進み、11:15に1590mの奥ノ奥ノ二俣に到着。その少し先の1600mで水を汲む。その後急に涸れるので、この辺で汲んでおいたほうがいい。
1620mの分岐は、水が流れている左俣に入る。この少し先はすぐに藪漕ぎになる。

15分ほど藪漕ぎをすると1700mで登山道に合流。無事沢は終了。登山道を歩く登山客は結構たくさんいた。
沢装を解いて、12:10に下山開始。紅葉の稜線を歩く。左手に今日詰め上がってきたウツボギ沢を見降ろし、右手には谷川岳東面の荒々しい谷が見渡せた。美しい。
ゆっくり歩いて白毛門山頂には12:45に到着。振り返ると霧から顔を出した笠ヶ岳が横たわっている。
白毛門からは慎重に下る。ジジ岩(左の小さい方)、ババ岩(右の大きい方)が迫力を持って迫ってくる。昨日遡行した東黒沢の流域はまだたくさんの葉が茂っている。電車の時間を気にしながらも、割とゆっくりと下った。
15:05に白毛門登山口の東黒沢出合に降りてきて、沢タビ等を洗った。そして15:15に出発し、15:25に土合駅に到着!デポ品を回収し、15:31の水上行の電車に無事乗り込んだ。

沢登りの様子をまとめた動画はこちら(YouTube、9分)


■全部入りのロングバージョンはこちら(YouTube、19分!)

明日は仕事もあるし、ということで、温泉に入ることもなくすぐに帰ることになった。持って行ったが呑まなかったワインを開けて電車の中でプチ打ち上げ。三岳やウィスキーも頂いて、程良く酔っ払いながら高崎へと向かった。
高崎で解散。僕は新幹線に乗って東京に向かう。おかげで家には18時半には戻ってくることが出来た。
家では相方が晩御飯を作ってくれた。ありがとう。
何度も訪れている上越の癒しの沢、そして久々訪れた上越の癒しの沢。沢のスリリングさはないけれど、ブナの森に抱かれながら、清らかな水と遊びながら、楽しい時を過ごせる沢だ。秋が深まる中、この沢を再訪出来たことが嬉しかった。そして、晩御飯は豪華で美味しかった。またいつか、この地を再訪したいと思う。


※写真付き記録はこちら(お散歩観察会のページ)