自転車購入

金曜日の深夜から随分と悩み、土曜日の朝、おもむろに家を出た。向かう先はLa Cordeeという名のアウトドアショップ。お目当ては、シクロクロスと呼ばれる種類のロードバイク
小学校3年生の終わりにマウンテンバイクを買ってもらって以来、ずっとマウンテンバイクに乗ってきた。初代はFUJIのマウンテンバイク、その後中学生の時はTsunodaのマウンテンバイクで、高校生の時にSpecializedのRockhopperのクロモリフレームのモデルを手に入れ、以降、釧路に行くまでの間、10年近くそれを愛車としてきた。このバイクは本当に素敵で、少なくとも1万5千km以上はこいでいた。ペダリングの軽いバイクに乗るなら10万円以上のバイクに、という言葉が当時あって、そんなもの手に入る訳がないと諦めていたのだけど、型落ちして12万円のマウンテンバイクが9万5千円となっていて、何をどう感じたのか突然両親がそのマウンテンバイクを買っていいよ、と言ってくれたのは、その後の人生に大きな影響があったことだと思う。その後、オートバイ・車メインの暮らしをしていたのでしばらく自転車に乗っていなかったのだけど、屋久島から東京に戻ってきて、都心に住み始めてから通勤用にSpecializedのSirrusという名のクロスバイク(正確にはマウンテンバイクではないですね…でも似ています)に乗っていた。良い自転車だったのだけど7万円ほどだったためか、ブレーキ・変速機のグレードがやや見劣りして、長時間乗っていたいと思うようなモデルではなかった。
モントリオールに来る前には、ここが自転車が盛んだとか、自転車道が相当整備されているとか、そんな予備知識は特になく、ここに来て、溢れる自転車と自転車道に感動し、前任者から引き継いだ女性向けのクロスバイクはあるものの、せっかくだったら良いものが欲しいなぁ…という思いにかられ始めていたところ、先週モントリオールに遊びにきてくれた相方が、”買えばいいじゃん、新しいの”と言ってくれたことですっかり気が大きくなって、金曜日の深夜にはいてもたってもいられなくなり、土曜日の朝からアウトドアショップに向かうことになった。
お目当ては、TREKのCrossrip Eleteの2014年モデル。このシクロクロスと呼ばれるバイクは、(それほど荒れていない)オフロードを走るためのロードバイクで、要はロードバイクに少しだけ太いタイヤを付けられるようになっているモノだ。ハンドルはドロップハンドル。モントリオールは舗装路がデコボコのところも割と多いし、荷物をたくさん積みたいこともあるだろうから、ロードバイクよりもよりツーリングに適したこのシクロクロスが最適な気がしていた。そして、このモデルは、ドロップハンドルだけどブレーキが別途ついていて普通の自転車のように乗ることも出来る。その点も気に入っていた。もっともフレームはクロモリが好き。アルミは堅くてその点はいまいちなのだけど、でも色が気に入ったからいいや。あとTREKにしようと思ったのは、先々週に立ち寄った別の自転車屋さんで結構かっこいいなぁと思ったから。他に、GiantやScott、Bianchiあたりも気になっていたのだけど、直感を大事にしたいと思って、まずはTREKを目指してやってきた。
店に入ると、店員さんが、いらっしゃいませ、ご用件は?と声をかけてくれ、新しい自転車が欲しいのだけど、TREKのCrossripを買いたいなぁと思っている、と話をするとすぐにCrossripのところに連れて行ってくれた。かっこいい!すっかりこれを購入する気満々になった。
このCrossripは3種類置いてあって、日本円で9万5千円ほどのノーマルモデル、続いて10万5千円程のCompモデル、そして12万円強のEleteモデル。カラーを考えても、変速機・ブレーキのグレードを考えてもせっかくだったらEleteが欲しいなぁと思いつつ、ここはまず店員さんの意見を聞く。と、フレームは一緒で違いは変速機・ブレーキ等。まぁEleteはシクロクロス用のかなり頑丈・丈夫な部品を使っていて、普段使い中心でたまに遠出するぐらいなら、ノーマルモデルで十分ですよ、とのこと。ほぅ、と思いながら聞く。ところでサイズは?ということで足の短い日本人の足の長さを測ったところ、一番小さな49cmで良いですね、とのこと。が、ノーマルモデル・Compモデルはこのサイズがもうないらしい。本命はEleteながら、ないんですかぁ、そうですかぁと少し残念そうにつぶやいていたところ、ノーマルモデルと同じ値段には出来ないが、マネージャーに掛け合って、Eleteを安くできるか相談してみるとのこと。その結果、何と2014年モデルにも関わらず、10%引きしてくれることになった。やったぁ!
ところで、Eleteのサイズはすぐに手に入るのですか、と聞いたところ、1から組み立てるので早くて2日後、いや、明日、いや今日中に出来るかどうかは聞いてみます…と仰ってくれていたところ、どこから出てきたのかわからないが、組み立ててあったものがあったらしく、すぐに手に入ることが判明した。
もはや断る理由はどこにもない。
そうはいいつつ、まずは試乗させてもらえることに。IDカードを預けて、店の周りをぐるりと回る。うん、いい。戻ってきて、空気ポンプやパンク修理セット、サイクルコンピューターやミラー、頑丈な鍵等等を合わせて購入し、さらに15%の消費税を加えて、日本円で15万円強の散財。でもいいんだ、大事にするから。

午後は、Junkoさんのお手伝い?でAtwaterマーケットに行き、パスタを食べた後、植木鉢とセットになった花を買って、それをJunkoさんのご自宅まで運ぶ。その後は、Junkoさんの知り合いの息子さんでモントリオール大学に通っているという方とも交えて、ディナーまでお世話になった。ごちそうさまでした。
帰宅後、前任者から引き継いだクロスバイクを、欲しいと言ってくれる方がいるらしく、それを渡すべく、クロスバイクに乗って自宅を出た。夜の八時を過ぎているのにライトが必要ないぐらい明るい。大事に使ってもらえそう。ほ。噴水を眺めてから帰ってきた。
そうそう、金曜日の深夜には、もう一つ大きな買い物をしてしまった。しばらく遠のいていたカヌーに再び手を出そうと思っていて(カナダで一人で沢登りは、沢登り文化がない故、ちょっとハードルが高すぎる気がすることもあり…)、いろいろ検討した結果、FeathercraftのNew model のAironautという流線型の形をしたインフレータブルカヤックを買いたいという衝動に駆られていた。このモデルは、軽く(なんと9kg)、組み立てが早く済み(6分)、インフレータブルカヤックに見られるような鈍重さがない、とのこと。もちろん、アルミフレーム+布のモデルと比べてしまえば船のスピードは遅いのだろうけど、それを考慮しても、大きな可能性を感じられる船だ。日本にはフォールディングカヤック2隻(ただし1隻は故障中)、インフレータブルカヌー1隻があるが、新たに1隻増えることになった。ただ、注文が殺到していて、届くのは早くて6週間後、とのこと。実は木曜日にようやくクレジットカードを手に入れたこともあり(銀行には5月上旬に届いていたそうですが、連絡が来なく、ようやく受け取る)、ようやく注文出来るようになっていた。それにしてもとりあえず5,000ドル上限のカードを作ったのだけど、自転車とカヌーを合わせて早くも4,700ドルも払ってしまったので、しばらくは大きな買い物は出来ない見込み。
夜遅く、マンションのドアマン(入り口にいる管理人さん)に来月分の家賃の小切手を渡した。小切手を書くのは2回目。日本ではなかなか使う機会がないから、間違えないように慎重に記載した。五月も今日で終わり。あっという間の5月だった。