Lac Rossi Canoe Camping 初日

ザックを前後に背負い、両手に荷物を持って家を出る。朝9時過ぎにレンタカーを借りて、出発。目指すは先週も訪れたモントランブラン州立公園(Parc national du Mont-Tremblant)。先週はキャンプをしてちょこちょこっとカヤックに乗っただけだったけど、今週はカヌーキャンピングといって、カヌーでしか行けない場所でキャンプをする予定。場所はロッシ湖(Lac Rossi)という湖で、カヌーキャンピング用の区画が5つのキャンプサイトに分かれて合計28区画ある。ネットでは予約できずに、先週電話で予約しておいたもの。カヌーキャンプ+相方が来ているということでかなりテンションが高いことに加えて、先週と打って変わって天気がよい。素晴らしい。
出発早々、GPSを誤操作して目的地を消してしまい、高速道路に入る直前に案内が終了してしまった…ちょっと焦ったが、道を覚えていたのでそのまま進む。いやはや、先週きちんと考えながら運転しておいて良かった。モントリオール島を抜け、北へと向かう。途中一カ所休憩してGPSをセットし直した。天気が良くて暑かった。
Mont-Tremblantの手前の集落のMetroというスーパーで買い出しをする。野菜・果物・そしてキノコにソーセージ、サーモン等を購入した。
既に昼前になっていたので、トリップアドバイザーで高評価だったMille Pâtesというパスタの店に行く。テラス席に座る。本日のシェフのお勧めのセットを頼もうと思い、量を聞くとそこそこあるよ、とのことだったので、パスタはシェアすることにして、サラダ・スープを二人分持って来てもらえるようにお願いした。上品な味わい、味付けは薄めなのだけど、トッピングされているチーズの塩味がアクセントになってちょうど良くなる。さらにしっとりとした舌触り。美味しかった。サンサンと陽が照る中、のんびりと過ごす。
さて、その後ようやくモントランブラン州立公園に向けて出発。森の中の道路を走り、入口に到着。入口にある受付で手続きを済ませる。対応してくださったスタッフの方は、英語がややスムーズでなくて、食料を動物に奪われないようにロープで吊らくることを説明する際に、How do I say in English...と話されていて、Yes, I know it, to prevent animal attackと話すと、そうそう、そうですよ、と話されていた。妙に親近感がわいた。
さて、そこから10km離れたモンロー湖(Lac Monroe)の側にあるビジターセンターに向かい、そこで運転免許証を出してカヌーの鍵、そしてパドル・ライフジャケットを受け取る。さらに、中の売店で薪を一束いただいた。このカヌーキャンピングのパッケージプランにはこれらが全部セットになっているのがいい。ここモントランブラン州立公園のカヌーキャンピングの地図・パンフレットはこちら()を参照。
さて、さらに10km以上進み、細い林道を通って、Rossi湖(Lac Rossi)の入口に到着した。入口にはカヌーがたくさん置かれていて、鍵を外して使う。このペリカン社のカナディアンカヌーがなかなか重くて(Explorer 16.6DLX、ウェブサイトには14.6DLXが出ていますが…これで40kgなので、16.6DLXはおそらく40kg以上)運ぶのに一苦労した。その分頑丈なのだと思う。
荷物を積み込んでいざ出航!非常に安定していて何も怖さは感じない。入り江の奥からロッシ湖の本体へと向かう。水は茶色く有機酸の色が着色されているが透明感はある。ウグイに似た小魚がたくさん泳いでいた。

見渡せば、眼前にはただだだっ広く広がる湖面とたおやかな森。ウィルダネス。気持ちがいいなぁ。目に入る人工物はほとんどない。湖面を吹き抜けるそよ風、パドリングの音、そして鳥の鳴き声だけが響いている。
1km程進んで右手に予約したサイトを発見。ロッシ湖には5カ所のサイトがあって、一番近いものが出発地点から約1km、その次が1.3km、1.5km、そして4km付近に2カ所サイトがある。この一番近いサイトには4区画のスペースがあって、幸いNo.2の予約した区画は、他の区画からは見えなくなっている。

上陸して、荷物を降ろし、テント・タープを張った。わずか4日前に購入したばかりのタープは非常に素早く張ることが出来て感動。これはいいかも!
まだまだ遊ぶ時間はあるので、カヌーに乗って、湖面に漕ぎ出した。不思議な鳴き声が湖面に響き渡る。そう、湖面はどこまでも静かだった。遥か遠くの人の会話も取り囲まれた山に反射してか、しっかりと聞こえてくるぐらいだった。相方の吹く口笛を聴いたりしながらのんびりと過ごす。空にはハクトウワシが舞っていた。そこには平和な時間が流れていた。
戻って来てからは、晩ご飯の準備。今日は家から凍らせて持って来たトマト煮込みスープとBBQがメインディッシュ。焚き火台がセットされているので、そこで焚き火を始める。ビールで乾杯した後、ソーセージ、パプリカ、キノコ等を焚き火で焼いていく。美味しい!
やがて陽が随分と傾いて来た。湖面に立ってそれを眺める。本当に静かな時間だ。同じサイトにはオンタリオ州から来られた少し年配のご夫婦の方がいるだけで、その意味でも本当に静かだ。夕焼けが織りなす黒とオレンジと水色と白の混ざり合った美しい風景を、ただ、ただ眺めていた。

焚き火をしながら、食材を焚き火で焼きながら、ワインを飲んでのんびりと過ごす。寝る前にもう一度湖畔に立つ。信じられないぐらい静かな時間。何も音がしない。鏡のように静まり返ったベタ凪の湖面には、夜空の星々がそのままそっくり映り込んでいて、不思議な浮遊感すら感じることが出来た。西の空にはまさに沈もうとしている蠍座が横たわっている。

こんな星空を観るのはいつ以来だろうか。
夜22時半を過ぎてから眠りに付いた。