休日 Parc national des Îles-de-Boucherville Cycling and Hiking

朝7時過ぎに起きて準備を進める。木曜日にカーシェアリングのCommunautoから連絡があった件を書いたのだけど、その後はレンタカーを週末借りるかどうかで逡巡していた。先週の日曜日にやってしまった怪我がまだ直らず、あんまり無理は出来ないという気持ち反面、モントリオール近郊(と言っても200kmぐらいは離れていますが)の国立公園に足を延ばしてみたいという気持ち反面で悩んでいるうちに、金曜日の朝一には最寄りのレンタカーショップのレンタカーは全て予約済みになってしまった。いやはや。
そんなこんなで、7月に訪れた際にいつか歩いてみたいと思っていたイル=ド=ブッシュビル州立公園(Parc national des Îles-de-Boucherville)のブドウ島(Île-aux-Raisins)のトレイルルートに行こうということになった。ちなみにイル=ド=ブッシュビル州立公園は先週カヤックで来たばかりこの中州に渡る船を調べると、今年は9月1日の後は、Longueuilの船着場セントローレンス川の右岸側)からしか出ていないらしい。ルート取りに寄るのだけど、自宅からは約19kmの距離。ちょうどいい運動になる。
8:20過ぎに家を出て地下の駐輪場に行く。チェーンにオイルを注したり、忘れ物に気がつき戻ったりしているうちにどんどん時間が過ぎて、8:40にようやく出発。船の出航時間は10時なので気持ち少し焦り気味で黙々とペダルをこいだ。
Atwater Marketからラシーヌ運河沿いに進み、コンコルド橋を渡ってサンテレーヌ島(Île Sainte-Hélène)を通り抜けジャックス=カルティエ橋を渡ってセントローレンス川の右岸に到着。そのまま北上して、途中自転車道橋で高速道路を渡ったりしながらLongueuilを目指す。結構一生懸命こいだこともあってか、9時半過ぎにはLongueuilの船着場に到着。釣り人が一人釣りをしていた。
10時の船まで待つが、他に誰も来る気配がない。流石にこの時期は人が少ないんだなぁ…と思っていたのだけど、9:55を過ぎても船が来る気配もなく、ひょっとしてこのルートも既にシーズンが過ぎてしまっているのではないか?とかなり不安になった。時刻表のところに貼られた貼紙も気になる。でもフランス語なので何を書いてあるのかわからない。

が、10時ギリギリになって、一隻のボートがこちらに颯爽と向かって来た。客がいないと思われては何なので、自転車も船着場まで運んで来た。無事ボートがやって来てホッとする。乗客は他にはいない。

船長さんから、速く行くのとゆっくり行くのとどちらが良い?と聞かれ、速くでお願いします、と言ったところ、ものの5分でシャロン島(Île Charron)の船着場に到着。ハンティングの季節なのか、船着場の近くにはボートに乗ったハンターの方が何組もいた。ボートは普通のモーターボートから、周りを藁で覆ってカムフラージュしたものまで様々。
さて、船着場で船長さんとしばらく話をする。Simonさんという方なのだけど、ロッククライミングをされるそうで、オーストラリアに行った話等を聞く。日本語の挨拶も知っていた!今日はボートに乗る人はほとんどいないから、戻って来たら電話をください、すぐに迎えに行くよ、プライベート・ボートみたいなもんだよ、今日は。とのこと。感謝。

さて、出発。船着場から、イル=ド=ブッシュビル州立公園の入口へと向かう。本当に人が少ない。天候は曇り。止まっていると少々肌寒い。公園の入り口では船のレシートを見せて、地図をいただく。そのまま自転車道を進む。Île à Pinardに渡るはしけの手前ではオジロジカの親子がいて、逃げる様子もなく1mの至近距離でじっくりと観察することが出来た。

はしけに乗って、Île à Pinardへ(前回までの記録では間違えてサン=ジャン島と書いていました)。少し走って、さらに木橋をわたり Île de la Communeへ。ここの自転車道を時計回りに向かうと、今回の目的のブドウ島(Île-aux-Raisins)のトレイルがある。トレイルの入口の横には展望台があって、まずはしばし眺めを楽しんだ。
さて、このÎle-aux-Raisinsのトレイルは、長さ3.5kmで一時間半のコース。

時刻は11時。リュックを背負って出発する。トレイルは広く歩きやすい。出発して早々何故ブドウ島と呼ばれるのか解説した標識があって、なんでもヤマブドウだらけらしいとのこと。見上げるとそこにはたくさんのブドウの葉っぱがあった。
湿原地帯を越えてブドウ島に到着。

この先は時計回りに島を一周する。所々に島の動植物等の解説標識があって、英語・仏語で表記されていて割とわかりやすくて良かったと思う。島の中は大抵の木にはブドウが絡み付いていて、たくさんの実がなっていた。見た目すっごく美味しそう!でもヤマブドウってなかなか酸っぱいので…しかも公園内なので…手は出さず。

時々ベンチもあって、歩きやすい道が続く。少し天気が良くなって時折日が射すようになった。風は強くて常に木の葉の揺れる音で満ちていた。そして割とヘリコプターや飛行機の音もよく聞こえて、人は入口付近で二人組の1パーティーとすれ違っただけだったのだけど、その意味ではあまり静けさは感じられなかった。
途中、キツツキを何羽も見かけた(Yellow-shafted northern flicker?)。こんな水玉模様の入ったキツツキを見るのは初めて。かわいい。空高くには猛禽類が舞い(種類はわからず)、また南へと渡って行く渡り鳥が何羽もいた。

トレイルを歩いて行くとそのうちカエルがたくさん出てくる区間になった。2m毎にカエルがいてピョンピョン跳ねている。これならそこそこたくさんの野生動物が暮らしていけそうな気がした。


さて、森を歩き湿原の横を歩きながら、時間通り一時間半程で入口に戻って来た。今の時期はブドウの実が色付きその意味で美しい時期だ。でももう少し秋が進んでからか、春先の鳥が多い時期に来た方がもっと楽しそうな場所だった。
その後は、自転車に乗って、イル=ド=ブッシュビル州立公園の北端を目指す。木橋を渡ってグロボア島(Île Grosbois)へ。この水路は先週カヤックで通過したところだ。
グロボア島の北端は、7月に来た際にはたくさんのサイクリストで賑わっていたが、今日は誰もいなくて閑散としていた。自転車を降りて岸辺に降りる。

空を何組もの渡り鳥が通り過ぎていく。秋なんだ。そうモントリオール市内の木々も少しずつ色づき始めている。

ここで昼食をとることにした。持って来たのはカレーライス。

食後はエスプレッソコーヒーを入れてその香りを楽しむ。しばらくのんびりと過ごす。贅沢な時間だ。大きな猛禽類が近くを舞っていたのだけど、カメラのフレームにうまく入れられず撮り逃した。残念無念。
その後は、南下して入口へと向かう。木橋をわたり、はしけに乗ってシャロン島に戻って来た。

途中立ち寄ったトイレの近くにはウッドチャック(マーモットの仲間)がいてややふてぶてしい顔つきがまた何とも素敵だった。この州立公園内に生息している動物の一覧はこちら(PDF)

さて、シャロン島の船着場には14:10に戻って来た。船長のSimonさんに電話すると、ものの5分で船は到着。


そのまましばらくお喋りしているうちに、定刻の14:30になり、さらに2人のサイクリストもやって来て、計4名で出航。サービスなのか、まっすぐとLongueuilの船着場には戻らず、セントローレンス川をしばらくの間ジグザグとクルージングしてくれた。遠くにやや霞んで見えるモントリオールダウンタウンの遠望をカメラに納める。

そして、Longueuilの船着場に到着。Simonさんは、クライミングに行きたいなら適宜連絡頂戴、とのこと。またどこかで宜しくです。
さて、自転車に乗って自宅を目指す。行きとは違う経路で進むと距離は16km。セントローレンス川の川縁には鳥がたくさん集まっていた。それはなかなか素敵な風景だった。
16時前に自宅に到着。今日の走行距離は59km。歩きもしたし、そこそこいい運動になったはず。
今回のサイクリング・トレッキングをまとめた動画はこちら(YouTube)

夏の間はセントローレンス川の左岸側(モントリオール側)から船が出ているので便利だけど、この時期になると右岸側からしか出ないので、ちょっと遠くなってしまう。しかもその船も10月半ばまでだ。雪が降る前にこの州立公園に行くのはこれが最後だろう。サイクリングをするには快適な場所。ただ飛虫が多いので、眼鏡をかけていない人はサングラスはあった方がいい。

その後は、買い物に行ったりしていたが、疲れて早々と寝てしまった。土曜日が終わった。