休日 La Mauricie National Park snow hiking

今日は金曜日だけどイースター(復活祭)4連休の初日で職場は休み。天気も良く、気温も暖かい。天候に恵まれた一日だ。
車に乗って、モントリオールから車で2時間半(距離約200km)にあるモリシー国立公園(La Mauricie National Park) を目指す。この公園に訪れるのは今日が3回目。本当はせっかくの連休なので、Mont-TremblantかMauricie National Parkで、山スキーをしつつ、キャンプをしようかと思っていたのだけど、なんとスキーシーズンが終わっていて、スキーツアー用の山小屋やキャンプ場が閉鎖されている。そう、ちょうど季節の変わり目の時は、そうした設備が全て閉鎖になってしまうのが何とも言えず歯がゆい。それに気がついたのは、実は直前だったので、少し凹んだものの、代わりに日帰りでスノーハイキングに行くことにした。
出発したのが遅かったので、モリシー国立公園のRivière à la Pêche Service Centreにたどり着いた時は10時15分を過ぎていた。2月下旬に来た際にはクロスカントリースキー客が多数いて非常に混み合っていたのだけど(イベントがあった)、今日はひっそりとしている。手早く準備を進め、10時20分過ぎに出発。

今回選んだのは、合計距離が17kmあるこの国立公園で最も長いトレイルであるDeux-Criques(地図はこちら(PDF))。途中までは、2度歩いた道と同じ道を行く。入口の受付で入場料を払った際に、受付のレンジャーの方に「今日はスノーシュー要りますかね?」と尋ねると、今日は要らないよ、とのこと。それもあって、スノーシューは車の中に置いてきている。見上げると青い空。梢に引っかかったように多数ある苔がどこか素敵だ。

入口から1.9kmのHHの分岐に到着して、先へと進む。この先を歩くのは初めて。今日僕より前に歩いた人はいないよう。森の中をすたすたと歩いていく。

途中、橋がかかり、川の中を覗く。後で気がついたのだけど、落葉だまりにはトビイロトビケラの幼虫が多数いた

かつて自分が向かい合っていた渓流の落葉を分解する水生昆虫をみるとやっぱり心がほんのりとした気分になった。
その後は登りも始まる。運動不足を痛感。ストックをつきながらちょっと息を切らしながら先へと進む。大きな岩にはツララがあって、そこから雫がポタポタと溢れている。春だ。お気に入りの短歌、式子内親王の「山ふかみ 春ともしらぬ 松の戸に たえだえかかる 雪の玉水」を思い浮かべながら歩いて行った。
地点C(3.3km)の200m先に地点Dの岩の展望台がある。森の眺めが素晴らしい。眼下にのっぺりと広がる森を眺める。


ふと人の声が聞こえた気がして、探していると、岩の下にハイカーを発見。のんびりしていると追いつかれるなーと思いながら展望台を後にした。
地点Cに戻り、その先の地点E(4.1km)の展望ポイントはさっさと通り過ぎて、どんどん雰囲気の良くなる森の中を駆け足で進む。森の中の木陰と日向のコントラストがドンドン強くなっている。

トイレもある地点F(6.6km)に到着。50m先に湖に降りるポイントがあって、湖面に立つ(まだ凍っていました)。真っ白な湖面を駆け抜けていく雲の影がなかなか素敵だった。

引き返すと、先ほど見かけたハイカー2名がやってきた。どうも、と話をして先へと進む。川沿いの地点G(7.1km)を過ぎて少し先に進むと、森の雰囲気がさらに良くなる。適度な密度の森と、静けさ。優しい陽の光。

頭の中に思い浮かんだのは、巨樹が乱立しているわけではないけど、落葉を踏みしめる静けさが良く似合う屋久島の栗生歩道の下部のイメージ。でも、屋久島もしばらく行っていないのでだいぶ記憶が抜けてきているのが寂しいところだ。
地点H(8.2km)の展望ポイントを過ぎて、その先地点I(9.0km)の展望台に到着。ここはとても良かった。切り立った崖の上で眼下そう遠くないところに凍った湖、その奥に広がるたおやかな森。

ここで少し長く休憩。出発するときに先ほどのハイカーが追いついてきて、また後ほど、と挨拶して先へと進む。
トレイルも後半に入り、だいぶ疲労感もたまってきていた。思えば、何も食べていない。次の場所でアミノバイタルを補給しよう、ということをずっと考えながら歩いていた。
地点K(11.0km)から横道に逸れて、Rosoy湖の展望台へと向かう。展望台は二箇所あって、最初の展望台が、今日歩いてきた森を全て見渡せる素敵な場所、

もう一つの展望台は、公園の外へと連なる大きな川沿いに遠くまで見渡せる場所だ。

前者で少々長めに休憩。空をゆったりと流れる雲が素敵だ。ここは展望ポイントとしては地点Iと並んで素晴らしい。喉が渇いて、紅茶に雪を溶かしてゴクゴク飲んだ。今日の失敗はテルモスしか持ってこなかったこと。気温が高いので喉が乾く。普通の水筒も持ってくるべきだった、と思いながら、何度も紅茶に真っ白な雪を溶かして飲んだ。
地点L(11.6km)を越えて、森の中を進む。一箇所倒木がトレイルを覆っていて、回避しようと回り道をしたところ、腰まで雪に埋まって苦労した。最後の展望ポイントである地点M(13.4km)で長めに休憩。ここで、何度か追いつかれては先に進んでいたハイカー2名が追い抜いて行った。先週購入したハンモックをザックから取り出して、木に固定する。その上に座ってのんびりと過ごす。


お腹が空いていたので保温容器に入れてきたビーフシチューを景色を眺めながらいただく。ただ贅沢な時間だ。
ゴールまであと3.6km。ご飯を食べたので幾分元気になってサクサクと歩く。そして、16時過ぎに無事入口に戻ってきた。

所要時間は休憩込みで5時間40分。
今日の様子をまとめた動画はこちら(YouTube、5分)

車に乗って、モントリオールを目指す。直線が続く高速道路の上空には、何組ものV字型に編隊を組んだ渡り鳥の群れが通り過ぎて行った。春なんだなぁとつくづくと思った。途中のサービスエリアでトイレ休憩をした後、ハイウェイに戻るところで何と逆方面に入ってしまった(サービスエリアは上り下り共通)。すぐ近くのインターで降りてモントリオール方面に戻る。ハイウェイがタダなのがなせる技。
19時前に無事自宅に到着。本日の歩数は28,844歩。よく歩いた。

このDeux-Criquesのトレイルは、 森がとても美しく、変化に富んでいて、ビューポイントがたくさんあって、スプルースの爽やかな香りが溢れ、穏やかな静かな場所が続く、本当に素敵なところだった。この国立公園では3箇所目となるトレイルだったけど、雰囲気はここが一番いいなと思える場所だった。また、少し運動不足の身には半分修行のような旅でもあったのだけど、とても充実した時をおくれて満足だった1日だった。