休暇 Lac Rossi Canoe-camping 二日目

夜半、母が起き出してきた。せっかくだから星を眺めますか、と湖畔に行く。北極星を中心に広がる満天の星空。ここは空気が美味しくて、呼吸がすごく楽だとのこと。確かに空気は美味しい。そして満天の星空を眺められて良かった。
朝は6時半に目がさめた。静かな鏡のような湖面が広がる。美しい。天気が良くてホッとした。

今回母に寝てもらった1人用テントは、僕がまだ中学生だった1995年の8月に買ったものだ。初めてJリーグの試合を見に行くことになって、名古屋に出かけたのだけど、そのついでにIBS石井というアウトドアショップで当時3万2千円ほど出して買ったものだ。IBS石井のオリジナルモデルだけど、構造・スペックは、アライテントのエアライズ1とほぼ同じだ。軽量化のために1m×2mの一人用のテントにこだわる僕に対して、小さなテントは一人だと思われると危険だ、もう少し大きいせめて2−3人用を買うべし、と強く主張していたのが母だったのだけど、結局母が折れて、1人用を買った。それから来月で20年。今回初めてこのテントに寝てみた母は、小さなテントかなーと思っていたけど、一人で寝る分にはぴったりの大きさでとても良かった!と高評価。それを聞いて、あの時こんな話をしたよねーと話をした。ただ、懐かしい。そして、その時に買ったテントを使い続けている。
朝食は、焚き火でパンをトーストし、他には果物(リンゴやブルーベリー)、オリーブ、チーズ、スモークミート、サーモンミルクスープ等々。ギリシャヨーグルトも持ってきたのに、なぜかカビが生えていて残念ながら捨てることになった。こんなの初めて。朝食は美味しかった。


その後は、甥っ子のリクエストで追いかけっこをして遊ぶ。
テントを撤収し、SUPを畳み、11:20にようやく出発。近くの島を回り、ビーバーの巣を眺めつつ、出発地点に戻る。


のんびりと進みたいのにもう一隻のカヌーに追いつき追い越したい甥っ子は、とにかく速く漕いで!のリクエストが強かった。この子が、渋くのんびりとカヌーを漕ぐようになるのは、あと何年先かなー。

11:45に出発地点に到着。片付け、カヌーを元の位置に戻して鍵をし、車に荷物を積み込んで、お義兄さんの運転で出発。途中レンタルカヌーセンターに寄って、ライフジャケット、パドル、鍵等を返す。
天気は良くて、気持ちよい道が続く。途中のサービスエリアで、お義兄さんから僕に運転を交代して、モントリオールに戻ってきた。
帰宅後はシャワー・洗濯・片付け。夜ご飯は僕の家でのんびりと食べた。

今回は、甥っ子二人のカヌーデビューということで、たとえ多少雨に降られようとも大丈夫な、簡単なところを選んだつもり。そして、それほど遠くには出かけず、ごくごくのんびりしたものだった。でもとてもとても静かで素敵なお気に入りの湖なので、そんな場所でゆったりと過ごせて、さらに親孝行もできた気がして、とても嬉しかった。ただ、客観的に振り返ってみると、(カヌーが初めての)甥っ子2人に(特に安全面で)気を取られ、写真はいつもより圧倒的に少ないのが自分としてはかなり印象的だった。甥っ子たちが自然の美しさと同時にちゃんとその怖さも知って、いざという時の対処方法も身につけられるように、伯父さんとしては何らかの貢献ができればいいなーと、自分が叔父さん方から鮎や鰻の捕り方や林業の技術、犬の扱い方、懸垂下降の方法等々を教えてもらった楽しかった思い出を思い出しながら、世代間のつながりを感じたひとときでもあった。