休日 Diable River Kayak-camping 初日

この土日は、モントリオールから車で北西方向に2時間行ったところにあるモントランブラン州立公園(Parc national du Mont-Tremblant)で川下りすることになった。場所は、Lac aux HerbesからLac Laplanteまでの25kmの区間で一泊二日のコースになっている。何度も訪れている自然公園だけど、ディアブル川のこの上流部分で川下りをするのは初めてだ。地図はこちら(PDF)

6時前にモントリオールを出ると、モントランブラン州立公園の入口には7時20分には着いてしまった。8時に受付が開くのでそれまで待つ。受付を済ませて、そこから10km先にあるLac Monroeのサービスセンターに向かい、そこでさらに手続きをする。僕は自分のカヤックを持っているので借りないけど、カヌー・カヤックを借りる人はここで免許証等を預けることになる。4ドルで地図を購入。ウェブサイトでダウンロードできるものと同じ。最後のNo.15の瀬だけはくれぐれも気をつけてください、と話をされた後、駐車場を出て、左に行き500mほどのところで右手にある駐車場に行くように指示された。そのLa Roche登山の入口の駐車場に行くと、出発地点まで運んでくれるバスがいて、さらにこれからその川を下る方々が20−30名ほどいた。

バスの出発時間は9時。ちなみにモンロー湖畔のサービスセンターには8時30分には来るように指示されていた。通常ここに車をデポしていくことになるのだけど、バスの運転手さん曰く、自分のカヌー・カヤックを持っている方は、川下り終了後にすぐに帰路につけるよう、終点のLac Laplanteまで自分の車で行っても良いという。それは名案、とそうすることにした。バスより一足先に出発して、Lac Laplanteに向かう。

Lac Laplanteの駐車場で待っているとカヌーを満載したバスがやってきて、ピックアップしてくれた。ここからさらに1時間ほどバスに乗る。

途中、5月にカヤックキャンピングをしたサバンナ湖の横を通って行った。懐かしい。昨日のことのように思い出せはするけど、既に何年も前のような気もしていた。10時15分にLac aux Herbesに到着。キャンプしている人もいて、思ったよりも賑やかなところだった。ここでビニール袋に入った薪を受け取り、バスの同乗者は次々とカヌーに乗って出発して行った。僕はカヤックを組み立て、準備を済ませ、10:45に出発。

天気は最高にいい。
Lac aux Herbesは水草の多い湖だ。途中の水草地帯は、カヤックの底を水草で擦りながら進む。

右手には大きなビーバーの巣。途中の島には早速上陸して休憩しているパーティーがいる(鳥類保護のため島への上陸は禁止)。いつものことだけど。
湖を30分ほど進むと、川に入っていく。さてさて、どんな瀬が出てくるか、少々の武者震い。
最初のNo.1の瀬は、うん?これが?と思うほどあっけなく終わった。確かに1級の瀬で15mと書いてあるのだから、そんなものなのだろう。

続くNo.2の瀬は「ホワイトウォーター50m」とあるのだけど、最初こそ少し浅めで慎重に通り過ぎたがその後はさらさらと穏やかに流れる中をただ素直に漕ぎ抜けるだけ!それが終わるとものすごくゆったりとした流れに戻る。イメージしていたのは、瀬の表記がないところもそれなりに流れがあって、瀬の表記があるところは結構な瀬なんだろう、ということなのだけど、どうやら瀬の表記の無いところは本当に穏やからしい。
さてNo.3の瀬(1−2級)。ここの手間には8隻のカヌーが停まっていて、瀬の途中にずらりと並んで瀬を偵察している。僕は上陸せずに先行する3艇のカヌーの様子を水の上から眺める。ところどころ岩の出た流れだけど、流れ自体はまっすぐ素直なもの。ガイドには左のラインと書いてあるのだけど、真ん中のラインを漕ぐ。そして素直に漕ぎ抜けることができた。

No.4のホワイトウォーター100mの瀬は、森の中の素直な流れをただ素直に気持ち良く漕ぎ抜けるだけ。とても気持ちいい。
No.5の瀬(1級 100m)は、左側を行く。

が、入口と出口の部分が非常に浅く、スタックしたのでカヤックを降りてカヤックを引っ張った。もう少し水位が高い時なら素直な流れだろうと思う。

この瀬を過ぎるとLac Montcourtに入る。出発地点から1時間。

この湖を20分程かけて通過する。喉が渇いてレッドブルのブルーベリー味を飲んだ。湖の上にはハシグロアビと2隻のカヌー。再び川に入ると、のんびりとした美しい風景が広がる。

ゆらゆらと揺らめく水面下の水草。群れる小魚。水際にひっそりと佇む水鳥。その中を蛇行しながらゆったりと進む。出発地点から7.2kmの距離にあるLa Draveのキャンプサイトは12:30に通過。前後のカヌー隊と距離を取って視界に入らないようにして、その中をゆったりと流れていく。
その先にはNo.6の瀬(1−2級 100m)。12:45。ガイドには、要偵察。水路は二本あるがそのうちの一つの狭くて深い水路を通行可、とある。ここは出発地点から8.4kmのLa Barqueのキャンプサイトの場所でもある。上陸して偵察。

先に来ていた一隻のカヌーが漕ぎ抜けていく様子を目に焼き付けた。さて出発。

いきなり左右に分かれる流れは、右側を行く。入口付近が狭くて、隠れ岩もあって、最初の部分は慎重に進む。一段越えると一旦流れは緩やかになり、その先は手前の細くて深い水路に入る。その入口が少々浅いので要注意。一旦流れに乗ってしまえば、あとは素直に流れにのって漕ぎ抜けていける。スピードもあって爽快感は抜群だ。No.7の瀬(1級 50m)は気がつかなかった。ひょっとしたら、No.6の瀬に続いていた長い瀬のことなのかもしれない。とにかく問題は無し。
さて、No.7の瀬に気がつかなかったことで、No.8の瀬(2級 50m)に偵察無しで飛び込むことになった(二級の瀬と知っていれば偵察したのだろけど…)。瀬の最初は岩の間を縫うがそれほど難しくはない。割とスリリングな瀬だなぁと思いながら進むと瀬の最後は結構段差があって、正面に岩、ルートは右寄り。そこで右にターンしたものの、流れに乗り切れずに岩に張り付きスタックした。カヤックを降りて岩に張り付いたカヤックを引きずり出すが、流れは強いので再乗船は難しい。瀬の最後の部分は水の中を歩きながら越える。漕ぎ抜ければ気持ち良さそうな場所だったのに。ちょっと残念だ。

なお、後続のカヌーも同じところでスタックしていた。
9.5kmの地点にあるLe Lac-Alexのキャンプサイトを13:10に通過した。のんびりとした流れを下る。右岸の倒木の上にリスを発見!なんとその後水に入って泳ぎ始めた!すごい!とシャッターを切る。僕のカヤックに気がついたリスは慌てて引き返して倒木に戻り、そして森の中へと逃げていった。

No.9の瀬(2級 100m)は事前に偵察した。13:30。ポーテージルートに沿って瀬の出口まで歩き、じっくりと流れを見極める。出口付近に隠れ岩と幾つかの岩があって、ルートをしっかりと取る必要がある場所だ。ポーテージルート沿いにはブルーベリーがたわわに実り、いくつか摘み取っていただく。美味しい。

さて、出発。最初の部分は隠れ岩があるので慎重に漕ぎ抜ける。少し緩やかな区間があって、その後この瀬で難しい部分がやってくる。右側を行き、その後左側に移るところで右の流れに乗りかけていたので少し後退して左側の流れに乗る。その先は素直だった。

くねくねとした流れをのんびりと行く。

14時に11.8kmのところにあるLe Beaulieuのキャンプサイトを通過。当初ここでキャンプをする予定だったのだけど、いっぱいで予約できなかったサイトだ。先行していたカヌーがここで上陸。おかげでその先しばらくは静かになる。美しい森の中をゆったりと、ゆったりと流れていく。幸せなひととき。


No.10のホワイトウォーターは素直な流れだけど一部浅いところがあって一箇所引っかかった。

No.11の瀬(1級 50m)は楽勝と思いきや、途中で引っかかってカヤックから足を出してずりずりと進む。

瀬の先は大きな淵になっていて、釣りをしている方がいる。
そのすぐ先が、今宵のキャンプサイトのLa Gaffe。


出発地点からの距離は15km。14:50。ここまで約4時間。既に何組か到着していた。一番いいサイトは9−10番の川沿いの場所だけど、既に取られてしまっている。5−8番は非常に開放感がある場所だ。僕は1番のサイトを確保した。森の中で眺めはそれほどだけど、木に囲まれていてプライバシーは一番保たれる場所だった。
カヤックを陸にあげた後、荷物を運び出し、テント・タープを張った。

今回は軽量化のために折りたたみ椅子もハンモックも持ってこなかったので、備え付けのピクニックテーブルに銀マットを敷いて座り、本を読みながらのんびりと過ごす。
17時半を過ぎてビールを開け、サーモンナゲットやチーズを食べながら悦に浸る。

18時を過ぎて焚き火を開始する。焚き火は楽しい。ビールの後はワインを飲みながらのんびりだらだらと時間を過ごす。マシュマロを焼いて食べる。好きだなこういう遊び。
隣のキャンプサイトでは、家族で来ているパーティーが森の中からたくさんの薪を集めていた。バキバキと枝や木を運ぶ音が夜の森に木霊する。
焚き火に照らされた木々の間からは満天の星空が見える。美しい。同じ星空を眺めた過去のたくさんの旅に思いを馳せた。

22時頃テントに入って眠りについた。