休日 Diable River Kayak-camping ふたたび 二日目

気がつけば6時半を過ぎていた。外は曇っているが雨は降っていない。7時を過ぎてもまだNico家テントは静かだった。やがてみな起きてきて、朝一でみなで目の前の川に泳ぎに行く。

僕は水中眼鏡とシュノーケルをつけて、近くの淵(水深3.5mほど)に潜る。砂利の川底からは時々泡がプクプクと出てきていた。水は透明感はあるが茶色で、魚は見当たらなかった。
せっかくなのでのんびりと出発したいというNicoの意向を受けて(この辺り、野外ではとにかく朝早く行動することを基本としている僕とは全く逆なのだけど)、焚き火をしてのんびりと朝ごはんをいただく。
キャンプサイトは川に面しているので、流れていく方々が挨拶していく。女性ばかりのパーティーもいて逞しい。カワアイサの群れが現れて、一斉に水面を走るように逃げていく様子がなかなかすごかった。


撤収を済ませ、10時にNico家が先に出発。

僕は5分遅れて出発したけど、10分ほどで追い付いた。静かな川を流れていく。
10:25にNo.12の瀬(2級 75m、Le Pont-Brûléのキャンプサイトがある場所)に到着。

上陸して偵察。10:35に出発。
流れは基本的にはまっすぐなのだけど後半に避けるべき岩があってその間を抜けていく必要がある。Nicoカヌーも僕のカヤックもうまくすり抜けて無事通過。

この先はLac Escalierまで緩やかな流れが続く。蛇行区間をのんびりのんびりと進む。途中の水草がびっしりの三日月湖に寄ったりもした。

11:30にLac Escalierに到着。どんよりとした雲、少々の風。

この湖の横断は、GPSでカヌーのスピードを測ったりしながら進む。子供たちはこういうスピード計測といったことが大好き。おかげで、かなり早く湖を横断することができた。Nicoはうまく動機付けしながらコントロールしているなぁと感心した。

12:40に湖から川に入るNo.13の瀬のポーテージポイントに到着(カヤックを担いで運ぶこと)。ここは岩だらけなのでそのままは下れない。ここで何と昨年秋まで一緒の職場(二つ隣の部屋)にいたDidierにバッタリと出くわした!ご家族で遊びに来たらしい。話に花が咲いた。

しばし昼食休憩。パンを頬張る。この間、ギンヤンマの仲間がてんとう虫をバグバグ食べているシーンに出くわした。びっくり。

50mほどカヤック・カヌーを運んで、13:00にNo.13の瀬の下を出発。

橋の下の瀬がNo.14の瀬なのだろうか?
そして、13:05にNo.15のこの区間で一番難しい瀬(2級 350m)に到着した。上陸して偵察。
岩のゴツゴツした白く波打った瀬を見て、これはちょっと子供達を乗せていくのは厳しいかもしれない…とNicoは顔をしかめている。あの場所を越えたらすぐに方向を変えて…といろいろ打ち合わせる。いろいろ話をした結果、最初の区間をまず僕が越えて見本を見せることになった。13:20、スタート。
岩の間を縫って4箇所ほどの白い落ち込みを越えたところで右岸に回り込んでストップ。うまくいった。

その後、別のカヌーが偵察なしでやってきて左岸よりを時々カヌーを降りて押したりもしながら無理やり通り抜ける。すごい。
意を決したNico艇も出発することになった。ただ、Toonは乗り込まなかった。だって危ないし、頭打ったら死ぬかもしれないでしょ、と僕に話してくれる。Nico曰く、アウトドアではどんな状況でも必ずついてくるのはMariekeとのこと。彼女は本当に逞しんだよ、と娘のことを語る父親姿はとても素敵だ。

岩の間をうまくすり抜けて無事通過!

そのすぐ下で岸にカヌーを付けて、その後はToonも乗り込んで出発。
僕もカヤックに再乗船して出発。
瀬が続く。岩の間をすり抜けていく。時々カヤックの底を擦った。最後の淵に出る直前は流れを一つ間違えてスタックしてカヤックから足を出してずりずりと進んだ。前回は問題なくすり抜けたのに…一方、Nicoカヌーはうまく全部切り抜けたようだ。素晴らしい。

この淵の先にさらに少し瀬が続く。手前で上陸してじっくり偵察する。前回は偵察なしですり抜けたところだ。何隻かカヌー・カヤックが流れてきてそれも参考にもした。
14時にNicoカヌーが意を決して突入。無事降って誇らしげ。

僕も続く。一箇所スタック仕掛けたが、手でゴリゴリ岩を押して切り抜けた。

これで難しいところは全部終わった。ほ。
その先はゴールに向かってのんびりと漕ぐのだけど、雨が降り始め、パドリングが自然に早まった。

そして14:25に無事ゴール地点のLac Laplanteに到着。

怪我なく事故なく無事たどり着いてホッとした。
カヤックを畳み、Nicoのカヌー以外の荷物(キャンプ道具、僕のカヤック)は全部車に積み込んで(セダンなのに意外とたくさん入るものです)、皆を乗せて14:50に出発。Lac aux Herbesに停めてあるNicoの車の回収にいく。先ほどカヌーで通過していったカップルの車がスリップして道路横の藪の中に車で突っ込んでいて、ちょうど救助に来るところを目撃した。そう、ここの砂利道は少し滑りやすいので気をつけて運転した。
一時間近くかかってLac aux Herbesに到着。僕の車が気に入った(?)Toonは僕の車に残って、再度Lac Laplanteに向かう。そして、Nicoのカヌーを車の上に積んでから、モンロー湖のカヌーレンタルセンターに向かった。トイレ休憩を済ませ、解散。すでに17時近い。
モントリオールまでの高速道路は結構混んでいて、いつもだと早ければ1時間40分で着くところが3時間以上かかった。眠気覚ましにレッドブルを飲んでいたのだけど、おかげでトイレが近くなって、最後は暖房をかけて水分を失わせながら進んだ。結局家にたどり着いたのはなんだかんだで21時近くになってしまった。

先週に引き続いて訪れたこのディアブル川の上流区間。あいにく天候は曇りで、水位はさらに下がって、先週よりもカヤックの底を擦ることが多かった。わずか1週間であんなに違うものだと率直に感心した。でも、先週来ただけあって、瀬は全部わかっているので特に何も緊張せず、Nico達とワイワイと楽しく川を下ることが出来たのは素敵だった。川下りも、キャンプ中の食事もみんな楽しんでくれたと思う。そして何より、この美しい川を再訪できたのは幸い。また、木々がまだわずかながら色づき始め、秋の訪れをこれまで以上に感じた週末でもあった。カナダでの夏がもうすぐ終わってしまう…そんなどこか寂しさも感じた週末の川下りだった。