休日 Mont Tremblant River Kayaking

朝5時過ぎに起きて準備を済ませる。天気予報は良くなくて、土曜日の今日は曇り夕方以降雨、日曜日は雨の予報。6時15分を過ぎて車を取りにいく。カヤックやSUP、それにキャンプ道具を積み込んで、地下鉄駅へと向かう。
今回は、職場の同僚のMateuszと二人で、モントリオールの北西方向に150km行ったところにあるモントランブラン州立公園(Parc national du Mont-Tremblant)のディアブル川(Diable River)の下流部(公園入口付近の12kmほどの区間)を下る計画。この区間を下るのは僕は3回目だ。地図はこちら(PDF)

8月の下旬に二度続けて行ったのはディアブル川の上流部にあたり、こちらにいくのは少々手間がかかる。その点、この下流部は美しい上にアプローチも楽で、難しいところもなく、安心して楽しめる場所だ。
7時に待ち合わせ。その後高速道路を運転してモントランブランへ。途中トイレ休憩で一度サービスエリアに立ち寄った。早くも雨がぱらつき始める。
小雨が降る中、公園の入口には8:45に到着。手続きを済ませ、その後10km先にあるモンロー湖畔のサービスセンターに薪を買いに向かう。が、何ということだ、店が開くのは9時半からだった(閉店は16時)。夏の間は8時には開いていたのに。それで30分ほど待ちぼうけ。この間、サンドウィッチを作って朝ごはんとした。
薪を二袋買ってから、出発地点のLac Chat(Cat lake、猫湖)に向かう。雨がぱらつく。
カヤックとSUPそれぞれに空気を入れる。Mateuszは川下りは初めてだという。さらにSUPを使うのも初めてなのだけど、最初の瀬はSUPの方が安全だと判断して(すぐに降りられるため)、僕がカヤック、MateuszがSUPで出発!

雨は降っているが、雨具をしっかり着込んでいるので肌寒くはない。

湖を横断した後、最初の瀬に早速突入。雨のためか、水量はそれなりにある。Mateuszは立ったまま瀬に突入してそのまま無事通過していた。
瀬が続く。この最初の瀬は300m程ある。2箇所ほどカヤックの底を擦ったのだけど、そのまま無事通過。Mateuszは最後の部分で左に行き過ぎてスタックしていたのだけど、SUPを一旦降りてすぐに乗り込み直し、無事下ってきた。
その先は適度な瀬が時々現れて快適だ。SUPの面白さを存分に感じるために、ほとんど漕がずにただ川の流れに任せて下る。


川はやっぱり流れがあるのがいい。雨の音と、せせらぎだけがこだまする静かな場所。時々、アオカケス(Blue jay)が、ジェイジェイと鳴いて静けさに変化をつけていた。雨であることは残念なのだけど、雨であるゆえに、流れてくるカヌー、カヤックの数は少なくて、川の流れにのんびりと任せて進む僕たちは数組のカヌー、カヤックに追い抜かされていったけど、通過前後の1−2分を除けば、静かな時間がそこにはあった。Mateuszは、SUPのどこが良いのかイマイチわからなかったけど、今、これは面白いと確信しているよ、とご満悦な様子。
この区間は、水草が格段に美しい場所だ。SUPの高みから川を見ているMateuszもすっかり見とれている。と、大きな魚だ!3匹!との声。川面に近い僕のカヤックからは反射して見えない。そっちに向かっているよ、と言われて、よくよく目を凝らすと確かに大きな魚が三匹こちらに向かってきていた。この区間で大きな魚を見るのは初めてだ。
のんびりと下る。今度は僕が大きなトラウト(50cmほどあったと思う)を見つける。ブルックトラウトだと思う。美しい。
カモやカワアイサを見つつ、下る。




途中でSUPとカヤックを交換した。SUPからはやはり水の中が良く見える。ツーリング用途や機動力、総合力ではカヤックには到底勝てないけど、水上散歩・親水性という観点では、SUPはカヤックに圧勝だと思う。


途中、上陸して休憩もしつつ、進む。雨脚が強くなり始める。川の流れに沿ってのんびり進んでいた僕たちも、雨に急かされるようにパドリングを始める。
途中、カヌーの大きなパーティー(5−6隻ほど)がいて、前席に東洋人らしき人が乗っているなぁと思っていたら、後部席のガイドらしき人から、あなたは日本人ですか?と質問され、そうです、と答えると、彼女も日本人なんですよ、とのこと。日本から遠く離れたここQuébec州の森の中を流れる川の上で、日本語で挨拶するのは、何だかとても新鮮だった。
SUPとカヤックを再度交換して、再びカヤックにどかっと座ってのんびりと下る。


公園入口にあるヴィアフェラータに使われている岩肌が近づいてきて、それに霧がかかって美しい。




この時期、終点からのシャトルバスは14時、15時、16時の三本があるのだけど、15時のバスを目指して向かう。そして14時20分に無事終点に到着。所要4時間、のんびりとした川下りだった。

その後は、カヤックだけ片付けて、やってきたバスに僕だけ乗り込んで、Mateuszには折りたたんだカヤックとSUPを見ておいてもらった。バスは、Lac Chatまで身一つで向かうのであればただで送迎してくれる。今回も、Could you send me to Lac Chat?というと、もちろん、とのこと。10分かからずにスタート地点のLac Chatに着いて降ろしてもらい、車を回収して、入口に戻ってきた。
荷物を回収してそろそろ出発という頃に、カヌーが到着して、女性が一人駆け寄ってきた。きっとLac Chatまで送ってほしいのだろうと思っていたら、その通りで、最初荷物がいっぱいの後部座席を見て、諦めます…と言われたのだけど、ピチピチではないとはいえ、素敵なレディーから送って行ってほしいと言われたこともあって、なんとかしますから少々お待ち下さい、と話して、Mateuszと二人で荷物をトランクに押し込み、後部座席に一人分の席を確保して、その後Lac Chatに向かった。6月に来たときは若いカップルのヒッチハイカーを乗せたけど、今回も何か役に立てた気がして、ちょっと嬉しかった。
その後は、モンロー湖畔にあるキャンプ場に向かう。今回は湖の西側にあるLa Gamelleというキャンプ場に行く。ここは駐車場から歩いてキャンプサイトに向かう必要があるのだけど、その分静かなところで、同じ職場の方からオススメされた場所だ。
キャンプサイトに向かい、タープを張り、Mateuszと僕のテントをそれぞれ張った。ピクニックテーブルを動かしてタープの下に置き、落ちつける場所を確保した。

その後は、延々と食べ続ける。Mateuszは自宅の庭で採れた有機栽培無農薬のトマトや、ポーランドのソーセージ、ベーコン、漬物、さらに自家製のマヨネーズなどを出してくれた。どれも美味しい。僕はお気に入りのサーモンナゲットの他、凍らせて持ってきたカレーを温め、これがジャパニーズカレーだ、と言って召し上がっていただく。焚き火ではソーセージやステーキ、野菜、マッシュルームを焼いていただく。

夕方以降雨脚が強まった。周りのキャンプサイトの方々は誰もタープなんて持っていなくて、辛そう。やっぱりタープは役に立つなぁと思いながら、雨音を聞きながら、美味しいものをいただきながら、いろいろな話に花が咲いていた。
夜10時頃就寝。