渓流釣り

昨夜寝たのは0時半を過ぎていたが、三時半前に何とか起き上がる。久々渓流釣りを興じたかった。あたふたと準備を整え、四時前に家を出る。バイクを駆って奥多摩へ。目指すは泉水谷支流小室川谷。早朝の風は心地よい。眠気もなく、爽やかに進む。
そう言えば、今日は祝落雷一周年記念日だ。一年前の今日、雷の電撃をくらった。直撃ではなかったけど、周囲の金属と両足に生じた閃光ははっきりと目に焼きつき、その衝撃は良く覚えている。不思議と恐怖心はそこまでなかったのだけど。
さて、爽やかにバイクを飛ばし、朝日の昇ってきた奥多摩湖畔を過ぎ、丹波山村の奥秋まで来ると、その先が全面通行止めになっていた。警備のお兄さんがいて、話を聞くと、奥秋〜おいらん淵あたりで土砂崩れがあって、復旧の目途が立っていないという。先日の地震が原因らしい。あらら。これじゃあ泉水谷にはいけない。残念無念。一人小室川の川岸に立ち、竿を振っている図を想像していたのにな。どこに行こうかと迷ったが、大きく戻ることになるのだが、日原川の倉沢谷に行ってみることにした。以前大きなヤマメが泳いでいるのを目撃してから一度釣ってみたかった。戻ったりしていたら結局六時を過ぎてしまう。
さて、倉沢谷の林道は、無茶苦茶荒れているわけではないが、所々ぬかるんでいたり、岩盤が出ているのでバイクで行くには少しだけ注意が必要だ。この沢には、多摩川では珍しくなってしまったイワナも生息しているという。多摩川で天然のイワナを見たことがあるのは一之瀬川だけしかない。もしかして釣れてしまったらどうしよう、なんて考えながら進む。調査していた湧水が湧き出るところで沢に降り、竿を出す。久々テンカラをやってみたが、あまり虫が飛んでいないので、餌釣りに切り替えた。大きなカワゲラを数匹捕まえ、釣り針につける。お気に入りの餌だ。
ポイントを押えて餌を流していくが、反応がない。が、魚影(ヤマメ)は少しは見ることが出来た。でも、スレきっていて、食いついてくれない。仕掛けといい、餌といい、かなり釣上げ率の高いものなのに。また、あたりがあった場合、もう一度流せば食いつくことが多いのだけど、ここはあたりがあったと思ったら、ものすごいスピードで岩陰に隠れる魚影が見えた。食いつきかけ怪しいとすぐに逃げ込むらしい。それが3回ほど。手強い。釣上げる気満々で行ったのに、久々坊主で終わってしまった。あらららら。0.2号等の細仕掛けに替えれば釣れるかもしれない。でもその仕掛けを繰り返すと本当に魚がいなくなってしまうかも。まあこんな日もあっていいさ。奥多摩の魚は賢いらしい。それだけの漁獲圧がかかっているということなのだけど。残念だけど、でも魚影を見ることができたのは嬉しかった。
オカリナを持って来ていたので、パンを食べつつ、その素朴な音色を渓に響かせる。落ち着く時間。
すぐに帰るのも勿体無いので、小川谷林道の奥まで久々に行く。長らく犬麦谷の崩落地点の工事をしていたが、これは無事終わっていた。林道の終点でしばしのんびりする。トンボが一匹全然逃げず、いい被写体となってくれた。
戻るが、眠い。バイクを運転していると、先頭を走っている限り眠くはならないものなのだけど、今日は前に車がいなくても眠くて仕方がなかった。やばいな、とちょっと危機意識。クラクラする中運転していたが、目に汗が入りしみる。痛くてバイクを止め、しばらく涙を流す。ちょっと目が覚めた。でも運転を再開すると、フラフラ。ちょっと昼寝していこうと、入川谷の奥に行くが、キャンプしている人が多く、昼寝しにくい状況。戻って、コンビニにバイクを停め、ちょっとの間座って寝てみた。ちょっとだけ回復した。コーヒーを飲んで目を覚ます。しかし、眠かった!
奥多摩の古里から、家まではそんなに眠くなかった。でも家に帰ってくると急に眠気が襲ってきて、昼の一時過ぎに眠りにつく。
夕方起きて、眠い時のバイクの運転について考える。交通事故にあったことのある方から眠いときの運転はやっちゃいけないと言われると流石に重い。今日は本当に眠かった。つまらない事故で死にたくないさ。理不尽な権力で死にたくないのさ。何か命を賭けれるものがあればいいな。そう、死んでもいいぐらいの。
夜、池袋に行き、飯を食べ、所用あって新宿にも行く。何だかわからないけど疲労感。いや、よくわかっているくせにな。そこにあるものに、ただ愕然とする。それだけ。頭が痛い。悲しい。辛い。きつい。またかよ、そうした感情が渦巻き始め、掻き毟るような痛みを、感情を押し殺すことで何とか押し留めておく。あきらめたら終わりだ、それはいつも思うこと。気持ちをシャットダウン。考えない。それが、我が身を守る方法かも。もうこれ以上考えて何になるんだ?クールでいる自分と、落ち込む自分と。
おかしな独り言だ。疲れた。もう寝るよ。