アマゴ釣り

父ヶ谷

朝四時に起きて、準備、四時半過ぎに家を出る。Jimny*1に乗って、父と二人で釣りに宮川村に行く。今回行くのは父ヶ谷の北谷。父ヶ谷は宮川村の奥の宮川貯水池に注ぐ割と大きな支流だ。父は父ヶ谷の南谷と、その下流は行ったことがあるが、北谷は行ったことがないという。どんなところなのかもよくわからないので、一応ロープ*2も持っていく。霧はかかっていたが、天気は悪くはなさそうだ。が、林道は結構荒れていた。
車止めまで行くと一台先行車があった。大阪ナンバー。南谷か、北谷か。準備をしているともう一台やってくる。こちらは和泉ナンバー。今日は九月最後の週末。10月から禁漁なので、今年最後のチャンス、と来る人は遠くからでも来るのだ。
踏み跡のついた斜面を巻き降りて、南谷に立つ。少し下って、砂防堰堤も巻き降りて、北谷の出合に着く。前日の降雨のせいで水量は多い。渓相は紀州の雰囲気を存分に醸し出していた。大きな淵と、豊かな水量と。北谷を遡っていく。
少し行って、早速竿を出す。が、最初は釣れなかった。しばらくして、まず父が一匹、そして僕も一匹。久しぶりに手に取ったアマゴ*3。森と川の宝石だ。
最初に出てきた滝らしい滝は左から簡単に巻くことが出来た。その上の淵で、僕は糸を枝に引っ掛けていたが、その淵で父が割と大きいアマゴを釣り上げる。ちょっと引っかかりやすい場所もあるが、割と釣り易い場所が続く。二つ目の大きな滝は、登るのなら深い釜を泳いで、下部のホールドが少ない結構難しそうな登りになりそう。この淵は当たりはあるのだけど釣れず。右岸から巻く。腐ったワイヤーロープが残置されていたが、巻き道は細めで慣れていない人は怖いかも。
滝の上も釣り進んでいくが、ある淵で大きなアマゴが泳いでいるのが見え、提灯釣りの仕掛け*4に替えて狙う。食いつくのが見えた。上げるとなかなか大きい。タモに入れる前に外れて落ちたが、そこがたまたま砂州だったから逃げられず。水際だったけど。何とか捕まえる。26㎝なり。アマゴで26㎝は相当でかい。
その少し上で父が24㎝のこれも大きなアマゴを釣り上げた。どちらもオスだ。しばらく行くと巨大な砂防堰堤。その淵で釣るが、僕はナメクリ*5ばかり釣り上げていた。父は二匹アマゴを釣る。
藪をこいで堰堤を巻くと、上は伏流していた。しばらく歩いて、水が出てきたが、その上に小さめの砂防堰堤があったので、そこで引き返すことにする。パンを食べた。チーかまを食べた。雨が降ってきた。
写真を撮りつつ帰る。二番目の滝は慎重に降りる。もう少しで南谷との合流点というところで二人組の釣り人が釣り上がってきた。先行車の方らしい。やられた、先にこちらに来れば良かった、そう話していた。
南谷と合流した先も少し下る。前回行けたという滝の上までは、水量が多く、泳ぐことになるので行かなかった。淵が深いいい沢だ。車に戻る。巻き道にはヒルがいた。
少し下流に行き、そこから斜面を下る。そして沢に再び降り立つ。ここも少し様子を見に行った。大きな岩がゴロゴロしている感じ。チャートが露出した岩肌。紀州の沢だ。前回膝上だったというところで胸まで浸かり、ロープも出して、下の滝を見に行った。戻ってきて、大きな滝の巨大な釜で釣りをするが、雨も結構降ってきて、車に戻った。
帰りの林道は木材の切り出しをしていたのでしばらく待たされた。そして、家に戻ってきた。
片付けをしてから、研究室にお土産として伊勢うどんを買っていこうと思い、スーパーに行く。が、ここにはなかった。残念。先月、久しぶりに会った元同級生にまた会って、少しだけ話をする。先月会ったときの感想をさらっと日記に書いておいたのだけど、どうやらそれを友達に聞いたらしい。笑っていた。まあ、実際そうなのだから仕方がない。しかし、このウェブ日記も思わぬところでいろいろな人が見ているのだと痛感。う〜ん、下手なことは書かないようにしよう。これまでも読まれてやばいことは何も書いてないけどね。
別のスーパーに寄って、伊勢うどんかますの塩辛を買い、家に戻ってきて、夕飯を食べる。今日は26㎝を筆頭に7匹のアマゴを釣った。こうした渓流の宝石が生き残れる森と川を残していきたいな。7匹のアマゴは、三匹がアマゴ飯、三匹がバター焼き、一番大きな一匹が塩焼きとなった。美味しかった。感謝です。
今晩、東京に出発するため、八時半を過ぎて一旦寝た。十時に起きるつもりが気がつくと十一時半前。慌てて準備して、日付が変わった0時15分、バイクを駆って家を出た。星空は見えなかったけど、雨は止んでいてホッとした。しっとりとした空気の中を、一人、駆け抜けていった。

*1:軽の四輪駆動車

*2:ザイル

*3:朱点が美しい渓流魚。サケ・マスの仲間。美味しい

*4:糸を短くした仕掛け

*5:タカハヤというコイ科の魚。雑魚